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世田谷区

東京23区の南西部に位置し、都内最大の人口を有する世田谷区。豊かな自然と落ち着いた住宅街、活気あふれる商業地域が共存し、特にファミリー層から不動の人気を誇る。文化・芸術の発信地としても知られる。

世田谷区長インタビュー

まちに住む人が考え仕かけ人となる
幸福感ある近代都市をめざして

保坂 展人
区長

1955年仙台市生まれ。教育ジャーナリストとしていじめ問題や学校現場の取材の傍ら、世田谷区を拠点に教育問題に取り組む市民プロジェクトを展開。1996年より衆議院議員を3期11年務めた後、総務省顧問を経て、2011年世田谷区長に就任。2015年再選。『〈暮らしやすさ〉の都市戦略』(岩波書店)など著書多数。

待機児童の解消や子育て支援、若者支援事業をお聞かせください。

区長に就任して、平成30年春で7年になりますが、その間に作った保育園が107園、定員にして8000人まで拡大しました。平成30年には0歳から2歳までの待機児童が500人を切りましたが、平成30年度も一般会計3000億円の中から487億円を保育園の増設や運営の予算に充て、保育の保障に注力してまいります。一方、自営業やフリーランスで働く方の生活スタイルに合わせ、親子で立ち寄れる「おでかけひろば」とワークスペースが融合した施設を区内に2カ所作りました。子どもの近くで働く、仕事と子育て両方が調和できるスタイルを社会基盤としてつくろうという実験的アプローチです。
さらに若者支援では、中学生から社会人まで含めた若者が、ダンスや音楽、料理、また語り合うことで自己表現できる場の提供として「希望丘青少年交流センター」を立ち上げます。設計段階から若者が参加し、専門家や地域の方々と提供するプログラム等のプランを練りながら平成31年2月に完成予定です。

共生社会ホストタウンなどの取り組みにも積極的ですね。

共生社会ホストタウンはパラリンピアンを迎えることをきっかけに、「心のバリアフリー」や「ユニバーサルデザインのまちづくり」に積極的に取り組むまち。全国で14自治体、都内では世田谷区が登録されています。東京2020オリンピック・パラリンピックを念頭に、商店街の段差解消、点字メニューやコミュニケーションボードの設置など、障害者にも優しいまちづくりを行っています。
また、医療ケアを必要とするお子さんのお母さん方からの訴えで入所申請すらできない障害を持つ子どもたちのことを知り、通所と居宅を組み合わせた保育などもスタート。区民の声を反映し、ハンディーキャップや不得意を抱える人をサポートしながら、ともに暮らせる社会をめざしています。

これからのまちづくりのビジョンをお聞かせください。

高校生や大学生による、希望丘青少年交流センター若者運営準備委員会の様子

まちづくりは今、大きく変わりつつあります。経済的に活力のあるまちという旧来型の考え方から、これからは、一人ひとりが内面的に充実して暮らせるまちへ向かいます。人間関係の豊かな幸福感のある近代都市でなくてはいけないと思っています。世田谷区は、アメリカ・ポートランドの都市デザインや、住民自治が大きな力を持つまちづくりを参考にしています。前述のような若者支援も含め、まちに住んでいる人たち自身が仕かけ人になって、自らが考えてつくっていける。そんなまちをめざしたいと考えています。

(取材日2018年9月4日)

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