佐藤 健一郎 院長の独自取材記事
あたまとリハビリのクリニック 新小岩脳神経外科
(江戸川区/新小岩駅)
最終更新日:2026/04/21
新小岩駅から徒歩12分、商店街や保育園が並ぶ暮らしに身近な地域で、2026年4月から診療をスタートする「あたまとリハビリのクリニック 新小岩脳神経外科」。院長の佐藤健一郎先生は、大学病院や横浜総合病院で脳卒中を中心とした急性期医療に20年以上従事。重症化してから運ばれてくる患者を多く診る中で「もっと気軽に検査ができていれば、事前に防げたのでは」という思いが強まり、予防のための開業を決意したのだという。グリーンを基調に森林を思わせる院内は天井が高く、バリアフリー設計で開放感がある。認知症や循環器を専門とする医師、作業療法士もそろい、検査から日常生活に寄り添うリハビリテーションまで幅広く対応可能だ。気さくな語り口が印象的な佐藤院長に、診療の特徴や地域への思いを聞いた。
(取材日2026年3月25日)
急性期医療の経験を糧に、脳卒中の予防に力を注ぐ
まず、こちらのクリニックを開業された経緯をお聞かせください。

東邦大学を卒業後、母校の大学病院や横浜総合病院などで、脳卒中診療を中心とした急性期医療に20年以上携わってきました。手術が必要な重症の方を数多く診てきましたが、大きな病院には病状が悪化してから運ばれてくる方が多いのです。そうした現場を目にする度に「もっと気軽に検査ができていれば、前もって気づけたのでは」という思いが強くなりました。脳卒中は一度発症すると取り返しがつかなくなることも少なくありません。まだ症状のない段階で兆候を捉え、予防につなげたい。その思いが開業の原動力です。病気やその兆候を見逃さないためにCTやMRIを院内に導入し、地域の皆さんが身近な場所で精度の高い検査を受けられる環境を整えました。
明るく開放感のある院内ですね。設計で工夫された点を教えてください。
森林を思わせるような明るく爽やかな空間をイメージしました。グリーンを基調に、天井の高さも意識して開放感を出しています。ゆとりあるバリアフリー設計ですので、足元に不安がある方にも安心して通っていただけると思います。ロゴマークをデザインしてくれたのは、十年来のパパ友なんですよ。開業の話をしたら「任せて」と、素敵なデザインのロゴマークを作ってくださいました。ここは商店街にも近く、地域の生活に溶け込む場所。周囲の環境に合った、アットホームで通いやすいクリニックができたと感じています。隣や向かいにも他科のクリニックがあり、共通の駐車場も使えます。第1・2・4土曜も夕方まで診療しており、平日の受診が難しい方にも対応しやすい体制です。
どのような症状があるときに相談すればよいのでしょうか。

頭痛やめまい、手足のしびれ、首の痛みといった症状があれば受診をお勧めします。脳神経外科の専門性を生かし、不安を安心につなげる診療を提供します。お子さんが頭をぶつけて心配だという保護者の方も多く、この近辺にはCTやMRIを備えた施設が少ないこともあり、気軽に不安を解消できる場になれたらと考えています。当院には私のほかに、認知症と循環器の専門家がそれぞれ在籍しており、幅広いご相談に応じられる体制も整っています。病院での治療を終えた後のフォローアップにも対応可能ですので、健診で血圧やコレステロールの値を指摘された方もぜひご相談ください。何科を受診すればよいか迷っている方の窓口にもなりたいと思っています。
病気の予防と早期発見、日常を取り戻すリハビリを
脳神経外科と生活習慣病、一見結びつかないように感じるのですが。

一見つながりがなさそうに思われますよね。実は血管の病気の大きな原因は高血圧症や脂質異常症で、血管がもろくなると脳出血に、詰まると脳梗塞や心筋梗塞につながります。さらに生活習慣病が認知症にも深く関わっていることがわかっていて、血圧が高い方や糖尿病の期間が長い方は認知症のリスクも高まります。こうした事実は専門家の間では以前から知られていますが、一般にはまだ十分に浸透していません。自覚症状がなくても健康診断で値を指摘されたら、それは血管からのサインです。当院には循環器の専門家も在籍していますから、脳と心臓の両面から対応が可能です。まず食事や運動に関するアドバイスから始め、初めから薬を処方するケースはごくまれですので、身構えずにご相談ください。
認知症の検査や診断はどのように進められるのですか?
まず私の診察を受けていただいた上で、必要に応じて当院に在籍する認知症の専門家に紹介するという流れです。当院の特徴の一つとして、医師の診察に加えて、作業療法士が約1時間かけて詳細な認知機能検査を行います。これは、ペーパーテストや描画など多角的に評価することで、正常な物忘れなのか、認知症に移行しつつある段階なのかという微妙なラインを見極めるもの。こうした微妙な段階の変化を見極めるには短時間の簡易検査だけでは難しいこともあるため、時間をかけた丁寧な検査を実施していきます。
こちらで受けられるリハビリについても教えてください。

「リハビリ」というと理学療法士をイメージされる方が多いかもしれませんが、当院では作業療法士がリハビリを担当しています。理学療法士が筋肉の動きなどを整えるのに対し、作業療法士は料理・買い物・掃除といった日常生活をスムーズに送るための訓練を行う専門職です。例えば脳卒中の後遺症で片側が認識しにくくなった方には、食事の際に体の向きを変えてみるといった具体的な指導もしています。病気になる前の暮らしになるべく近づけるよう、快適な毎日を送るためのコツを一緒に考えていくのが当院のリハビリです。めまいに関しても、動かずにいるとかえって症状が出やすくなることがありますので、体を動かすアプローチを取り入れていく予定です。
チーム一丸となって地域の人たちに「安心」を届けたい
患者さんと向き合う上で、大切にされていることはありますか?

検査結果や治療内容をお伝えする際に、なるべく医学用語を使わずわかりやすい言葉でお話しすることを心がけています。大きな病院は距離的にも心理的にも「ハードルが高い」と感じる方が少なくないと思うんです。その点クリニックの良さは、患者さんとコミュニケーションを取りながら少しずつ信頼関係を築いていけるところにあります。用がなくても受付で「お元気ですか」と声をかけ合えるような、身近な存在でありたいですね。小さな症状であっても遠慮なく相談していただけるよう、寄り添う姿勢を大切にして、温かく親しみやすいクリニックをめざしています。
スタッフの皆さんについても教えてください。
脳神経外科を専門とする私以外ですと、先ほどご紹介した、それぞれ認知症と循環器を専門とする先生方、患者さんの日常生活をサポートする作業療法士、さらにCTやMRIで精密な検査を行う診療放射線技師、そしてクリニックと患者さんとの橋渡し役を担う事務・受付スタッフが集まりました。私は受付スタッフを「クリニックの顔」だと思っています。患者さんが最初に接する存在ですから、その対応で印象が大きく変わりますよね。医療事務未経験のスタッフも勉強会で熱心に知識を身につけており、とても頼もしいです。医師以外は全員同じ制服を着ているのもこだわりの一つで、職種の隔てなくチームが一つとなって地域の皆さんに安心を届けていきたいと考えています。
お忙しい日々の中、休日はどのようにお過ごしですか?

プライベートでは、5年ほど前、新型コロナウイルスの流行をきっかけに始めたハイキングを今も楽しんでいます。毎月のように合流するハイキング仲間もパパ友なんですよ。下の娘はまだ小学生で一緒に出かけることもありますし、家では2匹の猫たちに癒やされる日々です。仕事でもプライベートでも周りの方々に支えられていることに感謝しています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
地域や患者さんのニーズを捉えながら、診療の幅を広げていきたいと考えています。将来的には、高次脳機能障害や認知症の方に向けた通所リハビリにも対応していきたいですね。作業療法士の専門性を生かし、医学的な知識に基づいたリハビリを届けられればと思っています。頭のことに限らず、体の不安や気になる症状があればお気軽にご相談ください。

