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辻野 栄作 院長の独自取材記事

後楽園クリニック

(千代田区/小川町駅)

最終更新日:2026/04/30

辻野栄作院長 後楽園クリニック main

淡路町駅や小川町駅、神田駅など複数の駅から徒歩圏内。幹線道路沿いのビル1階に「後楽園クリニック」はある。2009年の開院以来、都心で働く人々の心の健康を支えてきた精神科・心療内科だ。院長の辻野栄作先生は、北海道大学卒業後に一般外科や麻酔科を経て精神科に転じた多彩な経歴の持ち主。「真っ白なキャンバスになって患者さまを受け入れる」そう話す先生は、再診及び初診ともじっくりと時間をかけ、一人ひとりにじっくり向き合っている。言葉を一つ一つ丁寧に選びながら穏やかに語る姿からは、安心して心の内を打ち明けられそうな信頼感が湧いてくるようだ。勤労者のメンタルヘルスへの思いや日々の診療で大切にしていることについて、辻野院長に話を聞いた。

(取材日2026年3月28日)

外科・麻酔科を経て精神科医として働く人を支える道へ

先生がこちらのクリニックを開院されるまでの歩みを教えてください。

辻野栄作院長 後楽園クリニック1

北海道大学を卒業後、第二外科教室に入局し一般外科から医師のキャリアを始めました。その後、大阪大学医学部麻酔科学教室に入局しました。麻酔科医師として大学病院等勤務し、麻酔科標榜医の資格を取得しました。大きな転機は34歳の時です。僧帽弁閉鎖不全症を患い、知人の先生から「体への負担が少ない精神科に変わってみては」と勧めていただきました。それが精神科医としての出発点です。大阪大学精神医学教室で研修を重ねる中で、会社で技術者として懸命に働いていた父の姿が思い浮かび、勤労者のメンタルヘルスに取り組みたいという思いが強くなりました。東京都心で働く方々の力になりたいと上京を決断し、2009年に当院を開院しました。2025年夏に現在地へ移転しています。

そうした思いのもと開かれたクリニックの特徴を教えてください。

当院の方針は、勤労者の方々の置かれた環境や背景をしっかり理解した上で対応させていただくことです。患者さまの体調に応じて、休職が必要であることを判断したり、また復帰の際のご相談に応じており、企業さまの産業医との連携でも多くの実績があります。大学のカウンセリングルームで相談員を務めた経験もあり、若い方々のご相談にも対応してきました。開院当初から通院している方もおられ、長いお付き合いになる患者さまもいらっしゃいます。当院が患者さまにとって長く安心して通っていただける場所でありたいと常に考え診療を行っています。当院の立地は、複数の路線の駅から徒歩数分圏内で、幹線道路沿いのビル1階にありますので、初めての方でも通院しやすいと思います。

来院される患者さまには、どのような方が多いですか?

辻野栄作院長 後楽園クリニック2

お仕事をされている方が多くいらっしゃいます。主な訴えとしては、不安や緊張、気分の落ち込み、眠れないといったもので、ストレスに起因する適応障害なども含まれます。ご自身でつらさを感じて「何とかしたい」と自ら足を運んでくださる方が中心になります。当院は場所が都心にあり、外来のみのクリニックということで、受診される方は比較的症状が軽い段階の方が多いです。面談では、お話をじっくり伺い、一緒に状況を整理するところから始めます。気になる症状があれば早めのご相談があればと思います。院内は患者さまが落ち着いて話しやすい環境になるよう配慮しておりますので、肩の力を抜いてお過ごしいただけるのではないかと思います。

一つ一つ言葉を選び、患者が納得するまで向き合う

主な治療の進め方について教えてください。

辻野栄作院長 後楽園クリニック3

外来での治療は主にお薬を使う薬物療法と、お話を通じた精神療法を行っています。薬物療法は添付文書の内容に基づいた標準的な処方を基本としており、安全性を何よりも重視しています。麻酔科で多くの薬剤を扱ってきた経験がありますので、薬の作用や副作用の理解にはその知見が生きていると感じます。精神療法は、支持的精神療法と呼ばれる手法を基本に、まず受容的な態度で患者さまの訴えをじっくりお聞きするところから始めます。精神科には「完治」という概念があまりありません。まず、「寛解状態」をめざし、患者さまの心が穏やかになられるよう、症状の軽快を図れるよう治療に関わることが、私の役割だと考えています。

患者さまへの対応で工夫されていることはありますか?

再診および初診ともじっくりと時間をかけお話を伺います。患者さまが理解し納得してくださるまで、同じ内容であっても繰り返し丁寧にご説明する事を心がけています。患者さまの症状がおつらいときは、医師の説明が難しいと感じられる場合もあるようです。そうした状況も想定した上で、言葉を選びながらお伝えしています。もし伝わっていないと感じたときは「私の説明が至りませんでした。もう一度お話しします」とお声がけするようにしています。こちらの伝え方に原因があると考えるのが基本です。誰にも打ち明けられない悩みを話しに来てくださる方もおられますので、安心してお話しいただける時間と環境を整えることを大切にしています。

そうした対応の根底にある、先生のお考えをお聞かせください。

辻野栄作院長 後楽園クリニック4

特に初めて受診される方の面談では、自分自身の価値観を一切持ち込みません。真っ白なキャンバスの状態になって、患者さまのお話を受け止めるところから始まります。また、私はよく「患者さまに対して臆病です」と表現しますが、それは自身の不用意な一言や対応で患者さまに苦痛を感じさせることへの怖さを強く意識しているからです。面談の際、「この表現で良いか」を頭の中で随時判断してから言葉を口にしています。多くの人に選ばれている車は、初めて乗る人でも戸惑うことなく、自然になじめる設計になっていますよね。私がめざす精神科医療も同様で、どなたが来られても落ち着いて相談できる、堅実で標準的な医療を提供することです。何か特別なことをするのではなく、「一般的な精神科の診療である」と安心して思っていただける医療水準を保ち続けることで、患者さまの回復に貢献できると考えています。

多様な経験を糧に、患者とともに歩み続ける

これまでのさまざまなご経験は、精神科医としてどう生きていますか?

辻野栄作院長 後楽園クリニック5

海外にはよく出かけるのですが、観光地を巡るのではなく、現地の方と同じように過ごすことを大切にしています。そうした経験を重ねて実感するのは、老若男女関係なく、人間の本質というのは変わりがないのだということです。例えば、うれしいことや嫌なことなどの感じ方には、同じ人間として変わりはないと。その感覚が、どんな背景の方でも先入観なく診察室でお迎えする姿勢の土台になっています。また、手術を終えていますが、自分自身が重度の心臓病を経験したからこそ、患者さまの苦しみにより深く寄り添えるようになったと感じています。今は体力維持のためジムにも通い、食事にも気を配りながら、患者さまに長く向き合い続けられる自分でありたいと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

現在、外勤日を設定し、精神科専門の訪問診療にも取り組んでいますが、そちらにも引き続き注力していきたいと考えています。訪問診療では比較的ご高齢の患者さまの対応にあたっていますが、年齢を重ねるにつれて精神的な不調を抱える方々も多くいらっしゃるようです。今後、外来のみの診療だけでなく、訪問診療を通じてご自宅や施設で過ごされている方々のお力になることができればと考えています。また、引き続き企業様と連携し職場のメンタルヘルスに貢献し、また地域全体の心の健康をさまざまな角度から支援する事ができればと考えています。長期的な視点を持ち、患者さまに寄り添い続けられるよう、日々の診療に邁進してまいります。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

辻野栄作院長 後楽園クリニック6

治療が奏効し、患者さまから「ありがとうございました」とお言葉をいただくと、「良くなっていただいて良かった」と医師としての喜びとやりがいを感じます。つらい症状を抱えて来られた方から、症状が軽快し感謝の気持ちをお伝えいただくと、本当に医師になって良かったと思います。私の信条は「清く正しく美しく」、そして勤勉であること。正直に、誠実に日々を積み重ねていくことを大切にしています。自分を無の状態にして困っている方のお話に耳を傾け、ともに解決の方向をめざしていく。精神科医という職業は、自分に向いていると実感しています。精神科医として、また一人の人間として、これからも成長を続けながら、患者さまの症状をともに乗り越えてまいりたいと思っています。安心してご相談ください。