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こちらの記事の監修医師
脳神経内科部長 大野 英樹 先生

きんちょうがたずつう緊張型頭痛

概要

過度の緊張やストレスなどが関連しているとされる頭痛の総称で、他の疾患を原因としない慢性頭痛の中で、もっとも一般的で患者数が多い。頭痛の起こる頻度によって、稀発反復性緊張型頭痛、頻発反復性緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛に分けられる。頭全体、もしくは後頭部から首にかけて締めつけや圧迫感があり、拍動感(ズキズキする感じ)はないことが特徴。精神的なストレスのほか、一定の姿勢を長時間継続すること、疲労による筋肉の緊張、血管の圧迫などによって発症する。患者は中高年に多いが、パソコンの使用頻度が高い若年層にも増えている。片頭痛と合併することもしばしば認められる。

原因

長時間のパソコン、携帯メール、ゲーム機の使用や車の運転など、不自然な姿勢を長時間続けることが一因。また前かがみ・うつむき姿勢、高さの合わない枕の使用などがきっかけで発症することも多い。体の冷えなどによる身体的ストレスも原因となり得る。それに加え、不安、緊張、仕事のプレッシャーなどの精神的ストレスも神経や筋肉の緊張を高め、頭痛を誘引する。頭痛のメカニズムは完全には判明されていないが、交感神経の過剰、筋肉の緊張による血管の圧迫、血液循環の不良などによって起きると考えられている。また頭痛の原因はタイプ別に異なる。頭痛の頻度が少ない「反復性緊張型頭痛」は、肩こりなど筋肉の緊張が原因とされている。一方で、頭痛がほぼ毎日の「慢性緊張型頭痛」は筋肉の緊張に加え、精神的なストレスも大きく関わっているとされている。

症状

頭の両側が締めつけられるような頭痛が特にきっかけもなく始まり、個人差はあるが数十分~数日間ダラダラと持続する。後頭部から首にかけて圧迫感があり、「鉢巻きをしているような感じ」「帽子で頭が締めつけられる感じ」と表現する患者もいる。片頭痛のような拍動性や吐き気、嘔吐などの随伴症状はないのが一般的で、動いてもひどくはならないため日常生活に大きな支障はない。頭痛以外に、首や肩、後頭部のこり、めまいなどを伴うこともある。ストレスの影響がある緊張型頭痛の場合は夕方、仕事の負担がたまりやすい時間帯に痛みを感じることが多い。片頭痛が合併することで両者の症状が同時にみられたり、首のこりが片頭痛の前兆であることもある。

検査・診断

基本的には医師による問診と診察から頭痛の特徴を割り出し、診断される。頭痛には脳腫瘍・くも膜下出血、膠原病、緑内障などその他の病気が潜んでいる危険性もあるため、これらの可能性を除外するために、頭部CTやMRIなどの画像検査、眼底検査、眼圧検査、血液検査などを行うこともある。緊張型頭痛を客観的に判断できる検査方法はなく、片頭痛など他の症状と判別が困難な場合もある。早期に診断をつけるためには、患者自らが頭痛の頻度や時間帯、痛みの感じ方などを記録するなどして、医師に症状を正確に伝えることが大切だ。

治療

鎮痛薬や筋肉の緊張を緩和する筋弛緩薬、漢方薬などで痛みを和らげ、必要に応じて不安やストレスを取り除くための抗うつ薬などを用いた薬物療法を実施する。ただし、薬は対症療法であり、特に鎮痛剤や抗うつ薬の多用には副作用もあるため注意が必要である。根本的な解決のためには、緊張を高めないようリラックスできる時間を持ち、生活習慣そのものを改善することが大切だ。過度なストレスが引き金となって頭痛が起きる場合も多いため、心療内科などで治療を行うこともある。またデスクワークや運転などで不自然な姿勢を長時間続けることによって症状が出ることも少なくない。そのため、肩や首に負担のかかる姿勢のまま過ごすのをできるだけ避ける。適度な運動やストレッチ、入浴などで血行を良くすることも有効である。

予防/治療後の注意

予防のためには、ゆったりとした時間を持ち、心身のストレスを上手に解消することが重要。緊張型頭痛には肩こりが関係している場合が多いため、肩の筋肉をほぐすことも大切だ。日頃から適度な運動を行うことや同じ姿勢を続けないことを心がけ、ウォーキングやストレッチ、入浴(ゆっくり湯船につかる)、十分な睡眠時間を取ることなどを習慣化するのも効果的。長時間の車の運転やパソコン・ゲームのやり過ぎにも注意しよう。

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こちらの記事の監修医師

東京都済生会向島病院

脳神経内科部長 大野 英樹 先生

脳神経内科を専門分野とし、脳卒中診療のスペシャリストであるとともに、末梢神経疾患にも精通。日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医。