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同愛記念病院 アレルギー呼吸器科部長 黨(とう)康夫 先生

こちらの記事の監修医師
同愛記念病院
アレルギー呼吸器科部長 黨(とう)康夫 先生

こうげんびょう膠原病

概要

膠原病は症状に共通点を持つ病気の総称であり、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・血管炎・強皮症・皮膚筋炎・さらに血管炎の一種である結節性多発動脈炎などが含まれる。すべての年代で発症する可能性があるが、特に女性に多い病気として知られている。病名が同じでも病状には個人差があり、症状にも波があることが多い。遺伝病ではないが、体質素因は家族内で引きつがれる可能性があるため注意が必要。

原因

本来は自身の身体を守るために存在する免疫システムが異常をきたし、自身の身体を攻撃してしまう自己免疫反応によりさまざまな症状が現れる。免疫システムが自身の身体を攻撃してしまう現象は珍しいことではなく、誰しもが自身の身体を攻撃する細胞を少なからず持っていると考えられている。しかし通常はそれがしっかりと抑えられているが、ストレスや感染症などが引き金となり抑制できなくなることで、膠原病のような自己免疫疾患を発症してしまう。紫外線・寒冷刺激・妊娠・外傷・手術・薬剤なども、膠原病の発症や悪化の誘因となるといわれている。

症状

膠原病の症状は実に多彩で、疲れやすい・発熱・筋力低下・皮膚の硬化・特徴的な発疹の出現、抜け毛・空咳などがあげられる。その他にも唾液の出が悪くなったり、涙が少なくなって目が乾いたりといった自覚症状が現れるケースもある。尿検査を行った際に尿にタンパクが出たり、血液検査によって貧血や白血球の減少がみられたりするなど、検査を実施して初めて発覚する症状もある。膠原病によって障害される臓器もさまざまで、代表的な膠原病の一つである全身性エリテマトーデスの場合は主に皮膚・脳・心臓・肺・腎臓など、強皮症の場合は皮膚・肺・胃腸などである。

検査・診断

膠原病はいくつかの症状の組み合わせや、血液検査・尿検査の結果などを総合して診断し、病気の状態や程度に応じて適切な治療法を決定していく。症状が現れていても、膠原病を疑わず、それによって診断が遅れてしまうこともある。診断が遅れれば臓器の障害が進行し、治療が難しくなる可能性があるので注意が必要。疲れやすい・発熱・筋力低下などの症状が持続したり徐々に悪化したりする場合は、なるべく早く医療期間を受診することが望ましい。

治療

膠原病は免疫システムの異常が原因となっているため、異常な免疫反応を抑える免疫抑制療法が基本となる。強力な抗炎作用と異常な免疫作用を抑える働きを持つ副腎皮質ホルモン薬(ステロイド剤)を用いた薬物療法は即効性が期待でき、膠原病の中でも全身性エリテマトーデス皮膚筋炎・結節性多発動脈炎などの治療に用いられる。免疫抑制療法は近年非常に進歩しており、それによって膠原病をコントロールしやすくなっているといわれている。薬物療法で十分な効果が見られない場合は、薬物療法と併用して、透析のようなスタイルで血液を浄化する血漿(けっしょう)交換療法を行うことも。血漿交換療法は膠原病の免疫・炎症反応によって生じる有害物質を血液中から専用機器で取り除くことで、病気の進行を抑える治療方法である。まずは週に2回程度から開始して徐々に間隔をあけ、治療効果が見られた場合は使用する薬物を減らすことも可能。加えて、症状に応じた対症療法も行う。

予防/治療後の注意

膠原病の症状には波があるが、発症後は病気と共存しながら、できるだけ普通通りの生活を送ることを目標とする。日常生活では十分な睡眠やバランスの良い食事など、規則正しい生活を心がけることが第一。病気にもよるが、原則として膠原病の発症や悪化の誘因となる紫外線は避ける。外傷などの肉体的ストレスはもちろん、精神的なストレスも症状を悪化させる恐れがあるため回避する。内臓合併症がある場合は、食事療法が必要になることも。また膠原病の人は感染症にかかりやすい体質と考えられるので、風邪などの感染症にも注意する。

同愛記念病院 アレルギー呼吸器科部長 黨(とう)康夫 先生

こちらの記事の監修医師

同愛記念病院

アレルギー呼吸器科部長 黨(とう)康夫 先生

1991年佐賀医科大学卒業。国立国際医療研究センター、東京大学、都立駒込病院、英国インペリアルカレッジ留学を経て2008年より現職。専門領域の講演・論文多数。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。