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アトピー性皮膚炎の専門的な治療
重症なケースの改善を図る

井土ヶ谷駅前やまが皮膚科

(横浜市南区/井土ヶ谷駅)

最終更新日:2023/12/18

井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 アトピー性皮膚炎の専門的な治療 重症なケースの改善を図る 井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 アトピー性皮膚炎の専門的な治療 重症なケースの改善を図る
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かゆみを伴う湿疹を繰り返すアトピー性皮膚炎は、乳児から成人まで全年齢に見られる慢性疾患。重症化するとかゆみによる睡眠障害や外見の変化など日常生活に大きな影響を与えることもある。また、本人や家族が喘息やアレルギー性鼻炎などにかかったことのある、アレルギー体質の人に起きやすいのも特徴だ。アトピー性皮膚炎を研究してきた「井土ヶ谷駅前やまが皮膚科」山賀康右院長によると「最近は、アレルギー検査も容易になり、また重症のアトピー性皮膚炎に対する新しい治療も開発されています」という。高い専門性を生かして、同院でもアトピー性皮膚炎の診療に力を入れる山賀院長に、アトピー性皮膚炎の基本的な治療や、最近、注目される光線療法、注射療法による治療について聞いた。

(取材日2023年3月28日/更新日2023年7月6日)

光線療法や注射療法など、注目されるアトピー性皮膚炎の治療。症状の大幅な改善を図る

Qアトピー性皮膚炎の症状について教えてください。
A
井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 些細な症状でも気になった場合は、まずは相談を

▲些細な症状でも気になった場合は、まずは相談を

基本的には、湿疹反応、赤み、かゆみなどの症状が、左右対称に全身に見られ、慢性的に症状が続くものです。2歳以上は半年、乳児では2ヵ月以上の経過があるとアトピー性皮膚炎と診断されます。成人は頭や体の上半身に、子どもから中高生は肘の内側や膝の裏に、乳児は顔や頭皮に症状が出やすいなどの傾向はありますが、年齢を問わず、全身どこにでも症状が出ることがあります。紛らわしい疾患や、ガイドライン上、除外する疾患としては、いわゆる洗剤や化粧品などによる接触皮膚炎、尋常性乾癬、膠原病、疥癬などが挙げられます。鑑別が難しい場合も少なくないので、湿疹やかぶれが気になる時は皮膚科を受診することが勧められます。

Qどのような検査や治療を行うのですか?
A
井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 丁寧に診察を行い、治療の提案を行う山賀院長

▲丁寧に診察を行い、治療の提案を行う山賀院長

アトピー性皮膚炎の場合、ハウスダストやダニ、スギ花粉、カビ、ゴム、犬や猫、食物などのアレルギーが関わっていることも多く、原因がわかると対策が立てやすいので、まずアレルギー検査を行うことが勧められます。当院では注射器を使わずに微量の採血で検査ができるドロップスクリーン検査を導入しています。アトピー性皮膚炎と診断されたら、保湿と、ステロイドや非ステロイド剤など外用薬による治療を行います。当院では症状が改善したとしても薬をすぐにやめずに、塗る回数や塗る量を減らし、薬の成分を弱めていきます。

Qアトピー性皮膚炎に対して光線療法も行っているそうですね。
A
井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 光線療法の機器は全身と局部への対応が可能なものを設置している

▲光線療法の機器は全身と局部への対応が可能なものを設置している

一般的な治療で改善が見込めない場合は、専門的な治療方法を提案していくことになりますが、その中の一つが光線療法です。これは、患部に特定の波長の紫外線を照射する治療法で、ステロイドなどの外用薬のみでは改善が難しいアトピー性皮膚炎をはじめ、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、円形脱毛症、尋常性白斑などの治療に使われます。例えばアトピー性皮膚炎の場合、週に1回ぐらい照射します。症状が全身に広がっている場合と、局所の場合があるので、当院では、全身型の光線の機器と、局所用の機器を用意しています。保険適用で、副作用も少なく、小学校高学年ぐらいから受けていただけます。

Q新しい治療法として、注射という方法もあるとお聞きしました。
A
井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 諦めていたアトピー性皮膚炎への治療も可能に

▲諦めていたアトピー性皮膚炎への治療も可能に

アレルギーの炎症物質の働きをピンポイントで抑えるための薬を注射する方法で、皮膚炎やかゆみを大幅に抑えることが期待でき、従来の治療法で治りきらない方にもお勧めです。喘息や慢性副鼻腔炎の治療薬としても使われていますね。15歳以上の患者さんが対象で、2週間ごとに皮下注射を行い、来院が困難な場合には在宅自己注射も可能です。ペンタイプの注射器ですのでご自分で容易に注射することができると思いますよ。重篤な副作用はほとんどないとされている薬剤です。副作用としては局所の腫れや結膜炎が見られることがあります。治療費が高額になることがデメリットですが、医療費補助制度が適応されるケースがあります。

QJAK阻害薬についても教えてください。
A
井土ヶ谷駅前やまが皮膚科 一人ひとりに合わせた治療法を提案する

▲一人ひとりに合わせた治療法を提案する

アトピー性皮膚炎の病態に深く関わるJAKという物質の働きを抑えることを図り、かゆみや炎症などの症状を改善するための薬です。免疫細胞や炎症細胞の活性化を幅広く抑えることが期待でき、今とても注目されている治療法です。適応年齢は12歳以上で、内服薬なので治療が容易であること、特に顔や頭頸部の症状への高い効果が見込めることなどがメリットです。デメリットは注射療法と同様に治療費が高いこと、免疫反応を幅広く抑えることが期待できるため、感染症や全身症状のリスクがあることです。そのため術前検査や、定期的な画像検査を行い、他の診療科と連携しながら治療を進める必要があります。

ドクターからのメッセージ

山賀 康右院長

私はアトピー性皮膚炎について専門的に研究してきましたが、近年、光線療法や注射療法など、新しい治療方法が登場して、大いに注目しているところです。もしかゆみが緩和されればよく眠れるようになったり、生活の質が上がったりすることも期待できますし、皮膚をかかなくなると、皮膚のバリア機能を守ることにもつながります。費用面や注射が必要など懸念点はあると思いますが、アトピー性皮膚炎でお悩みの方、今までの治療では良くならないと諦めていた方にもぜひ、前向きに検討していただけたらと思います。

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