慢性的な痛みも諦めないで
ペインクリニックで行う頭痛治療
東京城南整形外科
(目黒区/自由が丘駅)
最終更新日:2024/07/12


- 保険診療
片頭痛に代表される慢性的な頭痛。痛みに悩まされながら、仕事や子育て、勉強などで忙しく、市販薬などでやり過ごしている人も多いのではないだろうか。しかし、自己診断で市販薬を飲み続けることで知らず知らずのうちに摂取量が増え、副作用に悩まされたり薬物乱用頭痛を引き起こしたりするリスクも。さらに、頭痛に重大な病気が隠れている可能性もある。「東京城南整形外科」でペインクリニックを担当する米川裕子副院長は、日本麻酔科学会麻酔科専門医。痛みに関する専門家で、さまざまな要因で起きる頭痛の診療も積極的に行っている。ペインクリニックならではの頭痛治療や、受診したほうがいいタイミングなど話を聞いた。
(取材日2024年6月25日)
目次
リハビリや注射で内服薬を減らすことが望めるケースも。原因に応じたアプローチで慢性的な頭痛の緩和を
- Q慢性的な頭痛を抱えている人は多いのでしょうか?
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A
▲ペインクリニックを専門とする裕子副院長
頭痛でつらい思いをしているにもかかわらず、仕事や子育て、勉強などで忙しく、やり過ごしている方も相当数いらっしゃるのではと感じています。慢性的な頭痛の中でも長年悩まれている方が多い片頭痛の起こるメカニズムは、依然として解明されていない点もありますが、血管説、神経説、最近では三叉神経血管説が考えられています。これまで片頭痛を抑制するための薬はさまざまありましたが、特に妊娠を希望する女性にとっては継続しづらい内服薬が大半でした。しかし、最近ではセロトニンなどの遺伝子関連ペプチドが関与していることがわかってきました。それに対する新薬が出たことで片頭痛の治療の幅が格段に広がりました。
- Q頭痛に隠れている危険性や、疾患について教えてください。
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A
▲幅広い年齢の患者が頭痛の相談に訪れる
慢性的な頭痛には、ズキズキと脈を打つような痛みがある片頭痛のほか、肩や首の凝りによって生じる緊張型頭痛、数日から数週間断続的に目の奥に痛みを生じる群発頭痛などがあります。これらは、頭蓋内に他の病変が見受けられないもので一次性頭痛といいます。一方、二次性頭痛は他の疾患によって引き起こされるものです。急な割れるような頭痛は、救急科外来を受診することをお勧めします。一次性頭痛と思っていたのに、検査をすると、くも膜下出血や動脈瘤、脳腫瘍などの異常が見つかることがまれにあります。急に頭痛の性質が変わった、頭痛以外の神経症状が出ているといった場合も、積極的に検査を受けたほうがいいでしょう。
- Q市販薬を使用する場合のリスクはありますか?
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A
▲市販の薬の服用についても確認する
慢性的な頭痛に悩まされて、手軽に入手できる市販の鎮痛剤を服用されている方も多いと思います。確かに痛みを和らげるためには役立ちますが、長年使用していると、知らず知らずのうちに薬の量が増えていくことも。そうなると、薬物乱用頭痛に置き換わるリスクもあります。薬物乱用頭痛は、鎮痛剤の服用をいったんやめることが治療方法になります。また、市販の鎮痛剤の副作用には、腎障害や肝障害など内臓に関するものがあり、自己診断での服用には注意が必要です。
- Q頭痛で医療機関を受診すべきタイミングはありますか?
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A
▲日々の頭痛の記録が、頭痛の症状改善の糸口になることも
鎮痛剤を月に1〜3回適量を服用する程度でしたら、そのまま続けていいと私は思います。ただ、週に1回以上服用している方は、先に言ったリスクもありますので、何かしらの対策が必要です。一度受診なさったほうがいいでしょう。市販の鎮痛剤でずっと対応してきたけれど、「これ以上は難しいな」と感じたときも受診のタイミングです。受診時に痛みがなくても問診や検査によってわかることは多いので、思い立った時にお越しください。当院では、「頭痛ダイアリー」をお勧めしています。頭痛の頻度や薬の回数と効果、月経周期に随伴しているかなど、記録を続けていくことで、ご自身の現状と治療経過を客観的に把握することができます。
- Qこちらのクリニックの頭痛治療における特徴を教えてください。
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A
▲MRI検査によって、脳の異常を発見できることも
当院ではMRIを導入しており、来院いただいた当日の検査も可能。放射線科の医師へ読影を依頼していますので、精密な画像診断を得られます。一度も受けたことがない方は、人間ドック感覚で検査されてみてはいかがでしょうか。脳に何も異常がないことがわかれば安心できるでしょう。私がペインクリニックを専門としているのも特徴です。例えば、緊張型頭痛や頸椎症性の後頭神経痛などの場合、神経ブロック注射によって痛みの改善を図ることで、内服薬を減らすことが望める可能性も。また当院では、肩や首周りのリハビリで動かし方の改善を図ることでも、頭痛緩和につなげられるかもしれません。