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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

ぱにっくしょう(ぱにっくしょうがい)パニック症(パニック障害)

概要

近年用いられるようになった病名で、「パニック症」は「不安症」の分類の一つ。三大症状として、突然理由もなしに強い不安と共に動悸や発汗、手足の震えといった症状が起きる「パニック発作」、またパニック発作が起こるのではないかと恐れる「予期不安」、発作が起こりそうな場所や状況を避ける「回避行動」がある。うつ症状を併発する場合もあり、外出や仕事など日常生活に支障をきたす。死にそうな苦痛を感じ救急車で搬送されることも多いが、パニック発作で死亡することはない。原因は明らかになっていないが、環境・心理的な原因のほかに脳機能の異常も関わっているといわれている。早期治療により回復が見込まれている。

原因

メカニズムや原因は完全には明らかにされていないが、パニックは死への危険を察知して警告を発信し、生き延びるための反応で起こる。災害や敵など命の危機に直面した時、脈が早くなり汗をかいたり、恐怖で血の気がひき手足が震えたり、大声で叫び逃げだしたくなったりといったパニック状態に陥る。これらの状態は生命の危険から逃れるために有利な反応で、本来人間に備わったプログラムだ。だが、何もない時に誤作動を起こして反応することをパニック発作という。心理的な原因のほかに、脳神経機能の異常も関わっているといわれている。パニック症になる割合は100人のうち1~2人と多く、男性より女性の方が発症しやすい。過労、睡眠不足、ストレス、風邪など環境や心身の不調がパニック発作の引き金になる要因としてあげられ、家族歴があると発症リスクが高まると知られている。

症状

突然理由もなく激しい動悸やめまい、息苦しさ、発汗、手足の震えなどに襲われるパニック発作が繰り返し起こるのが特徴。心筋梗塞などの症状にも似ているため、激しい苦しさで救急車で病院へ運ばれても内科系の診察では体に異常はなく、場所を移動し時間が経つと症状も嘘のように消え、他人に理解してもらえない苦しさや悩みを抱える。発作がまた再発するかもと発作のない時も起こる予期不安や、発作が起こりそうな場所や状況を避けるようになる。こうした回避行動の結果、一人での外出、人混み、公共の乗り物やエレベーターに乗ることなどが困難になった状態は広場恐怖と呼ばれる。また、うつ症状を伴うこともある。

検査・診断

一般的に医師が問診を行い、似た症状を引き起こす身体的・精神的な疾患がないことを確認。パニック発作が起きた時の状況や発作の症状や再発への不安、発作の原因となりうる状況を回避する行動など、1ヵ月以上にわたり繰り返し起こっているかなどから判断する。米国精神医学会のDSM-IV-TRやWHO(世界保健機関)のICD-10といった診断基準が用いられる。身体的・精神的な疾患による症状かを否定するための検査を行うこともあるが、症状や別の問題が疑われない場合、それ以上の詳細な検査は行わないようにして治療を進める。

治療

薬物療法と精神療法的アプローチを併用して治療を行う。薬物療法では、パニック発作の抑制と予期不安や広場恐怖の軽減を目標に、SSRIをはじめとする抗うつ薬と抗不安薬の一種であるベンゾジアゼピン系薬剤が用いられる。薬の効果を確認しながら量を増減したり薬を変更しながら治療を進める。ベンゾジアゼピン系薬剤は短期間の使用に留めることが望ましい。精神療法的アプローチでは病気について正しく理解するための心理教育や、不安受容の姿勢を培う森田療法、不安のコントロールを目指す認知行動療法などが用いられる。薬物治療だけに偏らず、本人の不安に対する姿勢を変化させるような精神療法が重要。周囲の人たちもゆっくり見守る協力があるとよい。

予防/治療後の注意

初めてパニック発作が起こってから2~3ヵ月以内で、予期不安や広場恐怖が強くない早期に適切な治療をすれば回復も得やすい。だが、治療しないと徐々に悪化する場合がある。早めに精神科や心療内科の医師に相談することが大切。規則正しい生活と十分な睡眠、ストレス解消を心がけ、自律神経を安定させることが発作の予防策として有効。ほか、パニック発作の誘発物質として、タバコ(ニコチン)、コーヒー(カフェイン)、アルコール、薬物(咳止め、経口避妊薬、覚せい剤)などがあり、低血糖、疲労、蛍光灯、熱気や湿気なども誘発の可能性がある。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。