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こちらの記事の監修医師
佼成病院
耳鼻咽喉科部長 中村 健大 先生

いんこうとういじょうかんしょう咽喉頭異常感症

概要

「喉がイガイガ、ザラザラする」「喉に何かがつかえている感じがする」「物が飲み込みにくい」など、喉に何らかの異常感を訴える症状のうち、さまざまな検査をしても特に原因のはっきりしないものを総称して咽喉頭異常感症という。「ヒステリー球」とも呼ばれ、ストレスによって喉の違和感が生じやすくなることがわかっているが、詳細なメカニズムは明らかではない。ストレスをため込みやすいまじめな人、責任感が強い人、我慢強い人などが発症しやすいといわれている。咽喉頭異常感症が疑われた場合は、ほかの疾患が隠れていないかを確認するためにまずは耳鼻咽喉科や内科を受診し、必要に応じて精神科・心療内科を紹介してもらう。

原因

ストレスは咽喉頭異常感症の主な原因の一つ。転居・転勤や親しい人との死別、パワーハラスメント・セクシャルハラスメント、騒音、悪臭など強いストレスを受けたことで自律神経のバランスが乱れると交感神経の働きが強まることに。それによって喉の筋肉が過剰に収縮して食道に違和感が生じると考えられている。そのため、不安や疲労、緊張を強く感じたときに強い症状が出ることが多い。月経や妊娠・出産・閉経期でホルモンバランスが乱れやすい女性のほうが発症しやすく、心配性な人や生真面目な人、我慢強い人、責任感の強い人、ストレスをため込みやすい人、不安を感じやすい人がかかりやすいといわれている。そのほか、慢性咽頭炎や逆流性食道炎、慢性気管支炎、甲状腺疾患、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鉄欠乏性貧血、自律神経失調症、更年期障害、糖尿病、自律神経失調症など他の疾患が発症の一因になることも。

症状

「物がつかえる」「締めつけられる」「イガイガする」「何か物があるような感じがする」「物が飲み込みづらい」といった喉に生じた違和感や圧迫感が咽喉頭異常感症の特徴的な症状。普段は特に症状がなくても、飲み物や食べ物、唾液を飲むときなどに症状が出ることがある。咳や痰、喉の痛み、息苦しさ、吐き気、不安感、胸やけなどの症状が現れることも。症状の出方や程度には個人差がある。例えば、症状が現れる時間帯も、夜間に多いこともあれば、朝方に多いことがあるなど差が生じことも少なくない。また、嫌な思いをしたときや苦手な人に会ったときなど、ストレスを強く感じる特定の状況下で症状が強く出現することがある。

検査・診断

喉頭ファイバー(内視鏡)で喉に異常がないかどうかを視診したり、頸部を触って腫れやしこりがないかを触診したりするほか、エックス線検査やCT検査、MRI検査、頸部超音波検査などの画像検査を使い、腫瘍などの異常がないかを調べる。小さな病変の見逃しもないように慎重に行った上で、特に病気が見当たらない場合に咽喉頭異常感症と診断。症状が起こる背景や適切な治療法を見極めるために、血液検査や咽喉頭異常感症専門のチェックシートによる問診、心理テストなどを行う。問診やチェックシートではどのような症状かはもちろん、症状の経過や時期、きっかけ、症状を感じるタイミングなどについて細かく尋ねる。

治療

咽喉頭異常感症はその症状や原因に合わせた治療を行う。慢性咽頭炎や逆流性食道炎、慢性気管支炎、甲状腺疾患、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鉄欠乏性貧血、自律神経失調症、更年期障害、糖尿病、自律神経失調症などが発症要因の場合は、それらの疾患を治療する必要がある。例えば炎症が否定できない患者には消炎酵素薬や抗生物質、アレルギーがある場合には抗アレルギー薬を使う。ストレスなど精神的な要因が大きく関係していると考えられる場合は薬物治療が中心。不安・緊張状態には安定剤、うつ状態には抗うつ薬などを使用するほか、漢方薬の半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を使うこともある。半夏厚朴湯にリラックス効果のほか、喉のつかえ感・違和感、しわがれ声、咳の緩和などが期待できる。そのほか、カウンセリングなどの心理療法が行われることもある。

予防/治療後の注意

咽喉頭異常感症の原因に自律神経の乱れが考えられる場合は、十分な睡眠と休息、運動、バランスの取れた食事を心がけ、疲れをため込まないようにする。ストレスが原因の場合は、ストレス源を断つことが大切。それが難しい場合は、スポーツやマッサージなどで気分転換やストレス発散をすることを心がける。ただし、いろいろな治療をしても症状に改善が見られなかったり、症状が長引いたりしているときは、別の病気が隠れている場合があるので改めて受診すること。

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こちらの記事の監修医師

佼成病院

耳鼻咽喉科部長 中村 健大 先生

2006年杏林大学卒業。同大学医学部付属病院耳鼻咽喉科を経て、2014年より現職。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。専門分野は耳鼻咽喉科一般。