飲み薬や軟膏、注射、外科手術
肛門疾患に対する治療方法
東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院
(足立区/北千住駅)
最終更新日:2024/05/10


- 保険診療
肛門の痛みや腫れ、かゆみ、出血など、お尻のトラブルは誰にでも起こり得る。しかし「東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院」の末山貴浩先生によると、「大丈夫だろう」と放置して悪化してしまうケースは多いそうだ。大切なのは、違和感を感じたらすぐに受診すること。早めの対処が後々の患者の負担を軽くすることもあるという。痔の治療は飲み薬や軟膏を使ったり、内痔核では注射を用いたり、症状によっては手術が必要となる。今回は末山先生に、痔の治療や再発予防、同院の治療の流れについても話を聞いた。
(取材日2024年4月15日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q肛門内科ではどのような症状を診てもらえるのですか?
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A
肛門内科はお尻のトラブルに広く対応しており、中でも多くみられるのは内痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうです。年齢や性別による発症割合の差はほぼなく、どなたでも発症し得る疾患だといえますね。自覚症状は肛門の痛みや腫れ、かゆみ、出血など。先に挙げた3つの疾患のほかにも、主に便秘や下痢の繰り返しから生じる肛門ポリープ、肛門の周りに膿がたまる肛門周囲膿瘍など、自覚症状が同じであってもその原因は多様です。併発することもありますし、どのような治療法が適しているかは診察しなければわかりません。お尻に違和感があれば放置せずに受診して、原因をはっきりさせた上で適切な治療を受けることが大切です。
- Q痔の治療法について教えてください。
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A
内痔核や裂肛の治療では、まずは飲み薬や軟膏を使い、症状の改善が見込めない場合には手術を検討します。内痔核では、切除手術のほかに注射という選択肢もありますね。これは痔核を固め、脱出を防ぐために薬液を注射する方法です。痛みや出血が少なく、1週間から1ヵ月かけて徐々に症状の改善が見込めます。痔ろうの場合は、基本的に切開を伴う手術が必要です。痔ろうとは、細菌が肛門腺を介して侵入し、膿が溜まることが原因でトンネルが生じる病気。放置すると複雑化しやすく、がん化するリスクもあるため、これを取り除くために手術を行わなくてはなりません。
- Q痔は再発も多いと聞きましたが、予防法などはありますか?
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A
お尻に負担をかけないよう、意識しながら生活すると良いでしょう。例えば座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢が続いたら、適度に立ち上がったり歩いたりと体を動かしてみてください。デスクワークの方は円座クッションを使うのも良いですね。また、ジムでのトレーニングなど、運動の際はお尻に力が入りやすいので要注意です。自転車も同じくお尻に負担をかけ、痔の手術後は3週間ほど自転車に乗らないようお願いしています。これらに気をつけながら、便通を良くするために、繊維質を含むバランスの良い食事を心がけてください。便秘や下痢もお尻に負担をかけてしまいますからね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前診察で患部の状態を確認
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まずは問診で「いつから、どのような症状があるか」を確認される。あわせて視診・触診が行われる。同院では声がけをしながら患者の反応を確認し、早く適切な診療を心がけているという。これらの検査結果をもとに、手術が必要かどうかを医師が判断。手術が決まったら、詳しい検査を行うための環境が整う系列の井口病院で検査が行われる。
- 2心電図・胸部エックス線検査などを行い、手術日を決定
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心電図や胸部エックス線の検査は、同院より徒歩3分ほどの場所にある井口病院の設備を活用。問題がなければ手術日の決定と入院などの説明に移る。手術日までの期間、薬を服用しながらできるだけ現在の状態を保つことが大切だ。医師のアドバイス通りに過ごして手術日を待つ。
- 3手術日当日
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当日の体調を確認し、医師から手術内容について改めて説明。同院で診察を受けて手術に進む場合、井口病院の設備を活用し末山先生が執刀する。手術内容にもよるが、内痔核や痔ろうの手術の所要時間は30~40分程度。麻酔は主に局所麻酔や静脈麻酔が用いられる。
- 4術後の経過観察のため入院
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肛門の手術後は安静が必要なため、井口病院でそのまま入院。目安として、内痔核の注射やポリープを1ヵ所切除した場合は1泊、痔ろうや複数箇所の内痔核の切除は3~4泊。そのほか、医師の判断に基づいて入院日数が決まる。入院中に用意される食事は肛門への負担に配慮して、便の状態を整えるよう考えて作られているという。
- 5退院後の経過観察
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退院後は傷が塞がるまで定期的な受診が必要だ。手術から1週間後を基本に、その後は疾患や手術内容により異なる。傷が塞がるまでの目安は、内痔核で1~2ヵ月、痔ろうは2~3ヵ月程度。経過観察は、系列の「秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック」もしくは井口病院の設備を活用し、末山先生が担当する。