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こちらの記事の監修医師
聖マリアンナ医科大学 東横病院
病院教授 戸澤 晃子 先生

げっけいぜんしょうこうぐん(ぴーえむえす) 月経前症候群(PMS)

概要

月経前のイライラや情緒不安定、胸の張り、むくみ、体重増加など、精神的あるいは身体的症状のことを「月経前症候群」といいます。個人差がありますが、月経前の3~10日の間に起こります。イライラなどの精神的症状が強い場合、家族や職場の人間関係に悩んでしまうことも。ほとんどの場合、月経の開始に伴い、症状が軽快もしくは消失していくのが特徴です。日本では月経のある女性の約70~80%が月経前症候群の何らかの症状を持ち、5.4%が生活に支障を来しているといわれています。1930年代から欧米諸国で注目された病気で、別名はPMS(Pre Menstrual Syndrome)。西洋医学と東洋医学によるアプローチ(治療法)があります。

原因

はっきりとした原因はわかっていません。主に排卵後から月経前に起こる症状であることから、女性ホルモンとの関連性が疑われています。具体的には、排卵後に女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌され、妊娠しなかった場合は月経前に急激に減少していくという月経によるホルモンバランスの変動が関連していると考えられています。そのほか、ストレスなどの影響を受ける脳内のホルモンや神経伝達物質、食事や生活習慣、ビタミンB6不足などが関係しているとも。さまざまな要因が合わさり、月経前症候群が引き起こされるといわれています。

症状

「イライラが高じて、人にあたってしまう」と家族や職場の人間関係に支障を来したり、「自分はなんて駄目な人間なのだろう」と落ち込んでしまったりする人も珍しくありません。月経前症候群ではイライラや情緒不安定、うつ状態、自己評価や集中力の低下、眠気や睡眠障害、食欲不振や過食などの精神的症状のほか、おなかや乳房の張り・痛み、頭痛、腰痛、肩こり、むくみ、体重増加、めまい、肌トラブルなどの身体的症状が表れます。症状の種類や程度、期間など、個人差が大きいのが特徴です。月経開始とともに、ほとんどの症状が軽快もしくは消失していきます。また、精神的症状が強くて生活に支障を来す場合、月経前症候群ではなく、月経前不快気分障害(PMDD)の可能性もあります。

検査・診断

基本的に排卵後から月経前に起こり、月経開始後に軽快もしくは消失していくことから、まずは月経周期との関連性をチェックします。2か月にわたって同じような症状が表れ、さらにうつ病や月経前不快気分障害、甲状腺疾患や肝機能障害、糖尿病などを患っていないことが確認されると、月経前症候群と診断されます。なお、正確な診断をつけるためには「月経前のイライラがひどい」、「月経の3日前からむくみが気になる」など、症状を記録していくことが大切です。症状と月経周期との関連性がない場合、別の病気などが疑われることがあります。

治療

西洋医学と東洋医学によるアプローチがありますが、明確な原因がわかっていないため、確立された治療法はありません。例えば、西洋医学の場合、女性ホルモンとの関連性が疑われていることから、排卵を止めて女性ホルモンの変動を抑える低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)が処方されます。ただし、これは現時点での妊娠を望んでいない女性などに提案される治療法です。また、頭痛や腹痛には鎮痛剤、むくみなど水分貯留症状には利尿剤、精神的症状には精神安定剤や抗うつ剤といったように、症状を和らげるための対処療法が行われることも。一方、東洋医学では、症状や体質に合わせた漢方薬が処方されます。漢方薬は複数の症状を同時に改善しながら、体全体のバランスを整えていけるのが特徴です。そのほか、適度な運動や認知行動療法、カフェインやアルコール、糖分、塩分の制限などが試されることもあります。

予防/治療後の注意

「毎月、この時期は調子が悪いから、気分転換やリラックスできる環境をつくろう」と前向きに取り組むことができるようになるのがベスト。そのためには、症状が起こる時期や種類、程度などを記録に残し、自分自身で把握しておくことが大切です。症状が重い場合は、仕事や家事、育児などの負担を少なくすることも効果的でしょう。カフェインやアルコール、糖分、塩分などの取り過ぎに注意し、喫煙は控えたほうが良いともいわれています。

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こちらの記事の監修医師

聖マリアンナ医科大学 東横病院

病院教授 戸澤 晃子 先生

聖マリアンナ医科大学医学部卒業。慶應義塾大学病院、聖マリアンナ医科大学病院を経て、2018年より現職。専門は婦人科腫瘍、内視鏡ほか。日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医。子宮頸がん検査技術の革新をめざす研究にも従事。