生理は我慢しなくて大丈夫
早い段階でパートナードクター探しを
渋谷サクラステージクリニック
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2024/06/14
- 保険診療
生理痛があっても「私は生理が重いほうだから」と、我慢してしまう人も少なくない。しかし、生理痛は子宮内膜症などを知らせるサインという場合もあるので注意しなければならない。「渋谷サクラステージクリニック」の秋元真理子副院長は、これまで数多くの生理痛に悩む患者を診てきた。「子宮内膜症など不妊の原因となる病気が隠れている場合もあるので、生理痛を放置しないでください」と警鐘を鳴らす秋元副院長。婦人科はすぐ内診をするところという誤解も解いていきたいという秋元副院長に、生理痛について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年5月29日)
目次
生活に支障をきたす生理痛や経血量の多さ。それは病気のサインかも
- Q時々重い生理痛がある場合、婦人科の病気の可能性は?
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A
生理とは子宮内膜が出血を伴って剥がれ落ち、体外へ排出される現象です。生理痛は子宮内膜がはがれ落ちる時に「プロスタグランジン」という痛みの物質が出て、子宮内膜を押し出そうと子宮が収縮する時に起こります。生理痛が強く、日常生活に支障が出るような状態を「月経困難症」と言います。特に原因となる病気はないにも関わらず、強い痛みが生じるものを「機能性月経困難症」、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症など、子宮や卵巣の病気によって引き起こされる生理中の不調を「器質性月経困難症」と言います。生理痛のある方には、このような病気が潜んでいる可能性もありますので、「生理痛は仕方のないことだ」と我慢しないことが大切です。
- Q生理痛の悩みで受診したときの診察の流れを教えてください。
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A
当院ではいきなり内診をするようなことはないので、安心してください。まず、患者さんのお話を聞くところからスタートします。いつ生理痛が起きるのか、どのような生活スタイルなのか、市販薬は使っているかなど詳しく伺います。生理痛が起こる背景には、子宮内膜症などの病気が隠れている場合もあるので、必要に応じて内診をします。内診で得られる情報は多いのですが、抵抗がある方に無理に勧めることはしません。経腹エコーでの検査を案内することもあります。診察で得られた所見などと合わせてそれぞれの患者さんに合った治療法をご提案させていただきます。
- Q生理痛の治療としてはどのような方法がありますか?
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A
生理痛の治療方法としては、漢方薬や低用量ピル、黄体ホルモン製剤の内服、子宮内黄体ホルモン放出システムの挿入などがあります。選択肢は幅広いので、患者さんとよく相談しながら決めるように心がけています。一つの治療を選択したとしても、それが絶対というわけではありません。様子を見ながら、体質に合わないようならば違う方法に変えることも時には必要です。一つの治療法で改善が見られなかったとしても、諦めずに合う治療法を一緒に考えていきます。
- Qピルが合わずに、つらい思いをしたという人も多いようです。
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A
今はピルの種類もかなり増えているので、過去に治療がうまくいかなかった経験があったとしても「私はピルが合わない」などと諦めないでほしいです。万が一ピルがお体に合わなかったり、ピルを飲むことに抵抗があったりしても、黄体ホルモン製剤や漢方薬を使うこともできます。喫煙習慣、肥満、年齢、前兆のある片頭痛、コントロールされていない高血圧などの影響でピルでは血栓症リスクが高い人にも黄体ホルモン製剤をご案内しています。どのような治療法に関しても効果や副作用についてしっかりと説明し、不安を解消した上で治療を始めますのでご安心ください。
- Q初潮を迎えたばかりのお子さんも、生理の悩みはありますよね。
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A
はい。生理が始まったら、できるだけ早い段階で、「パートナードクター」を見つけてほしいです。そして、「生理は自分でコントロールしていくもの」という意識をもってほしいと思っています。最近はお母さんと一緒に相談に来る小学生も増えました。また、クリニック勤務をするようになって私が驚いたのは、生理を我慢しながら働いている女性があまりに多いことでした。生理痛に耐えるのを習慣にせず、まずは話を聞かせてください。生理痛の他にも、頭痛、吐き気、だるさ、気分の変動などの月経前症候群(PMS)に関しても、気軽に相談していただければと思います。