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こちらの記事の監修医師
東京都済生会向島病院
脳神経内科部長 大野 英樹 先生

ぱーきんそんびょうパーキンソン病

概要

運動をスムーズに行うのに重要な役割を担う脳の一部が機能低下することで発症する。手足の震え、こわばりや、転びやすくなる、動作が遅くなるなどが、まず自覚する主な症状である。人口10万人あたり100人以上が患者といわれており、神経変性疾患である神経難病の中では、アルツハイマー病の次に患者数が多い。またパーキンソン病の患者は、認知症を発症するリスクが高い傾向にある。主に50~60代以降に症状が出始め、女性のほうが男性に比べて発症しやすい。若年性パーキンソン病のように、若くても発症するケースもある。

原因

主に脳内にある中脳黒質(こくしつ)という部分が関わっている。ここに異常なたんぱく質が蓄積されることで神経細胞が減り、そこで作られるドーパミンが減少する。ドーパミンは脳からの運動を円滑に行うようにという指令を体に伝える神経伝達物質であり、この命令がうまく伝わらなくなってしまうために、パーキンソン症状と呼ばれるさまざまな運動の障害が生じる。何がきっかけで黒質にある神経細胞が減ってしまうのか、その原因はまだはっきりとはわかっていない。今のところ、先天的な素因に加え、環境や加齢などの後天的な要因が重なって起きると考えられている。

症状

代表的な症状として、4つの特徴が挙げられる。1つ目は振戦(しんせん。手、足、顎や頸部、体全体に起こるふるえ)、2つ目は無動(ゆっくりでぎこちない動作になること)、3つ目は、筋強剛・固縮(手足の筋肉が硬くなる状態)、そして4つ目が姿勢反射障害(倒れそうになっても立ち直れない)。またこうした運動障害の他に、頻尿、便秘、睡眠障害、記憶障害、うつ、頭痛、腰痛などさまざまな症状が見られる。病気の進行が遅いため、最初はそれほど深刻な症状ではないが、適切な治療を行わなければ、だんだん症状の重症度が増していく。症状の重症度はⅠ度からⅤ度まで5段階に分かれており、Ⅰ度では症状は体の半分にとどまっているが、Ⅴ度まで進むと車いすが必要になったり、寝たきりの状態になる。

検査・診断

まずは問診や診察でどのような症状がいつから出ているかなどを確認する。頭部CTやMRI検査、血液検査で症状の原因となる別の疾患がないかを調べる。脳血流SPECT検査でドーパミン神経の変性、脱落の状態を評価することもある。パーキンソン病とは別の原因で似た症状が出ている状態を「パーキンソン症候群」と呼ぶが、原因に応じた治療を必要とする。

治療

症状を緩和する薬物治療が主体となる。主な薬としては、脳内で不足したドーパミンを補う目的のLドパや、ドーパミンと似た作用をもたらすドーパミンアゴニストなどがある。こうした薬を用いることで、震えや筋肉のこわばりなどを改善していく。この他、状況によっては、定位脳手術や脳深部刺激療法といった外科的手術が選択される場合もある。また運動症状が主なパーキンソン病では、リハビリテーションを行うことも重要だ。体を動かしづらいとリハビリテーションがうまく進まず、さらに症状の進行を招くことにもつながるため、できるだけ早い段階から運動に取り組み、日課としてうまく習慣づけていくことが望ましい。例えば、体のこわばりをほぐすストレッチや、階段の昇り降り、歩幅を大きくとって歩く練習など、バランス感覚を整えたり、筋力をつけたりする運動が有効である。

予防/治療後の注意

症状を上手にコントロールするためにも、薬の量は自分で勝手に調節せず、運動療法もどの程度の負荷でいいのかなど、主治医と相談することが大切である。また、転倒を予防するために、家の中を整理してつまずく要因になるものを除いたり、手すりを取りつけるというような対策も行いたい。

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こちらの記事の監修医師

東京都済生会向島病院

脳神経内科部長 大野 英樹 先生

脳神経内科を専門分野とし、脳卒中診療のスペシャリストであるとともに、末梢神経疾患にも精通。日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医。