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国家公務員共済組合連合会 大手前病院 脳神経内科部長 脳神経センター長 須貝 文宣 先生

こちらの記事の監修医師
国家公務員共済組合連合会 大手前病院
脳神経内科部長 脳神経センター長 須貝 文宣 先生

ぱーきんそんしょうこうぐん(パーキンソニズム) パーキンソン症候群(パーキンソニズム)

概要

パーキンソン症候群は、パーキンソン病に似ているが異なる病気の集合体、またはパーキンソン病とよく似た運動障害症状全般を指します。パーキンソン症候群には、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、脳血管の病気、正常圧水頭症、薬剤性パーキンソニズムなどがあり、緩慢な動作や手足の震えなど、パーキンソン病とよく似た症状を示します。パーキンソン病は国が指定した難病の一つですが、レボドパ製剤という薬で不足している神経伝達物質であるドパミンを補充すれば、進行抑制や症状の改善が期待できます。しかし、パーキンソン症候群は原因となる病気が異なりますので、レボドパ製剤ではあまり効果が見込めないことが多く、パーキンソン病とは違う治療を行うことになります。

原因

パーキンソン病に似た運動障害症状を示す原因には、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、脳血管性のパーキンソニズム、正常圧水頭症、脳炎など、脳や中枢神経、脳血管の病気によるものと、特定の薬の副作用として出現する薬剤性パーキンソニズムなどがあります。進行性核上性麻痺と多系統萎縮症は脳の神経細胞が変化して起きる病気で、30~40歳以降に発症することが多い病気で、どちらも難病指定を受けています。また脳血管性の病気では、脳表面付近に多数の脳梗塞が認められるタイプと、脳深部に血流不足による白質病変というものがあるタイプは、認知症ののような症状とともにしばしばパーキンソン病のような運動障害症状が認められます。正常圧水頭症は脳脊髄液が異常に脳内にたまって脳を圧迫する病気で、これも認知症のような精神症状とパーキンソン病のような運動障害症状を併せ持つ病気です。薬剤性パーキンソニズムの原因となる薬としては、一部の胃腸薬や抗精神病薬が知られています。

症状

パーキンソン症候群はパーキンソン病とよく似た症状を示しますが、原因となる疾患の種類によって症状の出方には細かい違いがあります。進行性核上性麻痺の大きな特徴は、発症早期から歩行姿勢が不安定で、よく転倒してしまうことです。多系統萎縮症にはいくつかのタイプがありますが、あるタイプは動作が緩慢、筋肉のこわばり、無表情、転びやすいなどの症状が出ます。手足の震えが少ないことがパーキンソン病との違いです。脳血管性パーキンソニズムや正常圧水頭症では早くから歩行障害が見られますが、小刻みな歩行やガニ股歩きが特徴で、多くは認知症のような精神症状も同時に認められます。

検査・診断

パーキンソン症候群の検査・診断は、基本的にはパーキンソン病と同様で、診察により症状や過去の病歴、服薬歴などを確認し、MRIなどによる脳の形質診断、核医学検査などによる脳血流の検査、脳波の検査、ビデオ画像による歩行状態の解析などを行い、パーキンソン症候群を引き起こしている原因を特定していきます。進行性核上性麻痺や多系統萎縮症は、症状からはパーキンソン病との見分けがつきにくい疾患ですが、MRIなどの画像診断で特徴的な所見が見つかれば診断が可能です。パーキンソン症候群の原因を正確に診断するには専門的な知識が必要なため、脳神経内科を受診することをお勧めします。

治療

パーキンソン症候群は原因によって治療方法が異なります。薬剤性パーキンソニズムの場合は、原因となった薬を中止、変更することが基本です。正常圧水頭症は、手術で頭の中にたまった髄液を別の場所に流す管を挿入することで改善が期待できます。それ以外の病気ではまだ根治的な治療法がないことが多く、薬による治療が中心になります。進行性核上性麻痺や多系統萎縮症は、初期にはパーキンソン病治療薬を用いることもありますが、効果の長続きは望めないため、症状に応じて別の薬を使用します。脳血管性のパーキンソン症候群に対して有効な薬はありませんが、脳梗塞脳出血の再発を予防する治療を行って悪化を防ぎます。また、どのような原因であっても、リハビリテーションで体を動かし筋力を落とさないようにして、生活の質を保つ治療を行うことが重要です。

予防/治療後の注意

パーキンソン症候群の発症を予防する方法はありませんが、脳血管性の病気は生活習慣病の段階で血圧や脂質を生活習慣改善や薬によって適正な管理ができれば、発症リスクの低下につながります。パーキンソン症候群を発症してしまった後は、運動、リハビリテーションを疲れない程度に日課を決めて規則正しく行いましょう。また、転倒を予防するために家の中を見直し、転倒の原因となるコードの撤去、段差の解消、手すりの設置などのバリアフリー化を考えてみましょう。

国家公務員共済組合連合会 大手前病院 脳神経内科部長 脳神経センター長 須貝 文宣 先生

こちらの記事の監修医師

国家公務員共済組合連合会 大手前病院

脳神経内科部長 脳神経センター長 須貝 文宣 先生

1995年大阪大学医学部卒業後、同大学の神経内科へ入局。関西労災病院や大阪大学医学部附属病院にて豊富な臨床経験を積む。大手前病院では脳神経内科部長、脳神経センター長、パーキンソン病センター長を兼任する。脳卒中からパーキンソン病まで、脳神経内科疾患全般に幅広く対応。日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医。医学博士。