専門の医師の指導の元
訪問診療で内科外科管理とリハビリを実施
山王リハビリ・クリニック
(大田区/石川台駅)
最終更新日:2024/10/29
- 保険診療
訪問診療のニーズは高齢社会の本格化とともに高まっている。高齢ともなれば内科疾患と麻痺に悩む患者も少なくない。そういった悩みに対応しているのが「山王リハビリ・クリニック」だ。院長を務める前島早代先生をはじめとして、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医が複数在籍している同院。内科管理はもちろん、患者の動きをチェックして日常生活をどのように改善していくのか指導するのも得意としている。訪問診療ではどのような検査や治療を行っているのか、何を目標としているのか前島院長に詳しく教えてもらった。
(取材日2024年2月19日)
目次
内科外科管理とリハビリの両面から支える訪問診療
- Q訪問診療はどのように利用できるのでしょうか。
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A
これまで外来に通っていた患者さんが、加齢による足腰の衰えとともに通院が困難になり、訪問診療に切り替えたいと始められることが多いですね。その他、他院からの紹介を受けて訪問診療をスタートするケースも増えています。ご高齢になってくると、がんを併発される方もいらっしゃいますが、緩和ケアをしながら、最後まで併走するケースもあります。また、当院は訪問看護ステーションも併設しているので、そちらを利用することも可能です。医師と看護師はコミュニケーションアプリを活用して休日も含め常に密に連絡を取り合っています。
- Q貴院での訪問診療の特徴を教えてください。
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A
当院には、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医が複数在籍し、中心となって訪問診療に取り組んでいるのが大きな特徴です。さらに、患者さんの筋力をチェックしながら少しでもより良く生活できるようにするための医療を総合的に提供。フレイル予防はもちろん、鼻腔ファイバースコープという内視鏡を喉に挿入する嚥下内視鏡検査なども在宅で行っています。また、整形外科の医師もいるので、ご自宅で変形性膝関節症の痛みに対する注射などにも対応できます。
- Q訪問リハビリにも対応されているとうかがいました。
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A
訪問診療だけではなく訪問リハビリが利用できるのも、当院の特色です。訪問リハビリでは医師の指示のもとで、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在宅でのリハビリを行います。リハビリとは、内科管理をきちんとしないと行えないもので、当院医師の仕事の一つは、患者さんの内科・整形外科管理を行うこと。パーキンソン病などの神経変性疾患では、投薬とリハビリの両輪で、在宅ステージではどちらも行います。また、訪問リハビリから通所リハビリにも挑戦したい、という場合、通所リハビリ施設も併設しているので移行もスムーズです。また、訪問リハビリは介護保険だけではなく医療保険でも利用できるので、脳性麻痺などの方もご相談ください。
- Q前島院長は麻痺症状へのケアを得意としているそうですね。
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A
訪問診療を受けている方は脳卒中などで麻痺症状に悩んでいる方も少なくありません。まず、どれぐらいこわばりがあるのか診断し、必要に応じて緊張を緩和するための内服治療や注射などを行います。場合によってはオーダーメイドで装具を作ることも必要です。でも、一番大事なのは日々のセルフケア。患者さんの体の動きをよく見て目標をきめ細かに設定し、できることを少しずつ増やしていくようにしています。たとえ患者さんが望んでも高すぎる目標を設定しては、かえって回復も上手くいきません。患者さんの気持ちに寄り添い、励ますことも大事です。
- Q訪問診療で大切にしていることは何ですか。
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A
訪問診療ではご家族とのコミュニケーションも重要です。日々、患者さんをケアしているご家族に患者さんの病態を正しく理解していただけるよう、わかりやすい説明しています。今は老老介護が圧倒的に多いのですが、介護する方が疲弊してしまっては治療にもリハビリにも支障が出ます。その家全体が健全かどうか、注意深く見守るようにしていますね。また、独居の方も結構いるのですが、ケアマネジャーとも連携しながら精神状態にも気を配っています。特に命にかかわる薬を常用している方にはお薬手帳を肌見放さないようにと強く伝えているところです。お薬手帳があれば災害時に薬を受給することもできますから、覚えていていただければと思います。