頭痛、めまいの原因をMRIで検査
迅速な治療・予防へつなげる
片倉町あかり脳神経内科・内科クリニック
(横浜市神奈川区/片倉町駅)
最終更新日:2023/07/07


- 保険診療
めまいや頭痛、ふらつきなどの日常的な悩みの奥には、脳卒中や腫瘍など命に関わる疾患が隠れていることも。そこで活躍するのがMRI検査だ。電磁波と体内の水素原子が反応することで脳細胞や神経などを詳細かつ鮮明に調べ、発症している疾患のほか、今後起こり得る疾患の予防にも活用できる。「片倉町あかり脳神経内科・内科クリニック」では他院からの検査依頼にも対応し、耳鼻咽喉科で治療するめまいとの鑑別や腹部にできた腫瘍など、全身にわたる疾患の診断に役立てている。「注意点はありますが、画像診断を専門とする外部の医師と連携し、精度の高い検査の提供に努めています。気になる症状や検査での不安点はなんでもご相談いただき、検査を有意義なものにしてほしいです」と語る金塚陽一院長に、検査の注意点や検査の流れなどを詳しく聞いた。
(取材日2023年6月16日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- QMRI検査は、どんな症状がある時に受けるべきなのでしょうか?
-
A
認知症、パーキンソン病、頭痛、めまい、ろれつが回らない、手足の震え、歩きにくい、物忘れが心配だなど、脳神経内科で相談される症状のほとんどに活用できます。頭痛の場合、血管に原因があるのか、脳腫瘍などが原因か。めまいの場合は脳の神経が原因なのか、内耳に問題があるのか。認知症の場合は、複数の種類があるため、検査をすることで病型に応じた投薬が可能になります。もちろん脳卒中、脳腫瘍、脳梗塞などの疾患の発見もMRI検査の重要な役割ですし、脳以外にも首や腰の神経、筋肉や腱も検査可能です。それぞれの症状が起きる“原因が何なのか”を調べる際に、非常に詳細な検査ができるのがMRI検査なのです。
- QMRI検査とCT検査の違いは何ですか?
-
A
MRIは「磁気共鳴画像診断装置」を略したもので、磁場を利用して体内の状態を断面像にして映し出す検査法です。CT検査はごく簡単に言うと「360度の撮影ができるエックス線検査」。通常のエックス線検査は平面の二次元の画像ですが、CTであれば立体的、つまり三次元な映像が得られます。脳神経内科で検査する際は、頭痛・吐き気・めまい・舌のもつれなどの自覚症状や意識障害があって脳出血などが疑われるケースや転倒などで頭を強く打った際に疑われる頭の骨の骨折などに非常に有用です。また肺などの胸部臓器や肝臓などの腹部臓器の検査にCTは対応できるため、当院ではMRIと同様、他院からのご紹介でCT検査にも対応しています。
- QMRI検査を受ける際の注意点を教えてください。
-
A
最も注意すべきは金属です。磁気を使って検査をするため、金属を身に着けていると非常に危険です。ベルトや眼鏡、入れ歯などは外します。ペースメーカー、人工内耳、脳室腹腔シャントなどの医療機器を備えている方、そして基本的には妊娠中の方も検査不可です。検査可能なペースメーカーもありますが心臓を専門に診られる医師による設定が必須なため、総合病院などで受けることをお勧めします。またドーム型の場合、閉所恐怖症の方は無理に受けないほうが良いでしょう。ただしMRIも進歩しており、当院が導入している機器は必要な箇所の撮影のみの場合、5~6分ほどで検査が終わります。いずれにせよ不安点をなくし安全に検査を受けましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票に記入
-
MRI検査を受ける前に、まず症状を把握するための問診票を記入。年齢・性別・体重などの基本的な情報と、頭痛やしびれ、舌のもつれ、物忘れなどの自覚症状、喫煙・飲酒・運動習慣、脳卒中、糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群などのこれまでの病歴、そしてペースメーカーや埋め込み式除細動器などの使用の有無なども記入。また耳鼻咽喉科などほかの科からの紹介も受けつけており、地域ぐるみで活用できるシステムとなっている。
- 2診察し、検査の説明を受ける
-
問診票をもとに医師の診察を受け、妊娠の可能性やペースメーカーの使用、閉所恐怖症ではないかなどを症状と併せて確認し、MRI検査が可能かどうかを医師が判断。予約枠に空きがある場合は即日、もしくは翌日などの検査も可能だ。もちろん急を要する症状の場合はすぐに実施される。閉所恐怖症の場合は検査時間の短縮、検査の音が苦手な場合は耳栓の使用やヘッドホンで音楽を聴くこともできるため、不安点は遠慮なく相談しよう。
- 3MRI検査を受ける
-
即日の検査でない場合は、検査時間の15分前までに来院。MRI検査では強力な磁気を使用するため、金属を身に着けていると非常に危険だ。そのためベルトや下着などは更衣室で脱ぎ、検査着に着替えてから検査開始となる。同院の更衣室は鍵つきでプライバシーも確保されている。通常の検査であればおよそ10分、長くても30分ほどだが、閉所恐怖症などで長時間の検査が難しい場合は必要箇所に絞り、5分ほどの検査も可能。
- 4検査結果の説明
-
医師により当日に伝えられるが、同院では外部の読影を専門とする施設と連携したダブルチェック体制を採用。放射線科医師の読影結果が届くのは基本的には翌日で医師の見立て以外の注意点などがあればすぐに医師から電話などで連絡があり、再度来院を依頼されることも。また脳以外の肺・子宮などを撮影した場合は、疾患の見逃しがないよう、読影を行った上で紹介元のクリニックや専門医師による診断、治療へとバトンタッチされる。
- 5検査結果をもとに治療開始
-
結果によっては「治療の必要がない」とわかることもあるが、治療が必要だと診断された場合はそれぞれの結果に応じ、治療開始となる。認知症の種類に応じた投薬や、くも膜下出血などの脳卒中の予兆が血管に見られた場合はその治療を開始する。また同院では画像診断・血液検査などの結果を格納できるスマホアプリも活用。患者が検査結果を気軽に見返せるシステムを導入することで、自覚的に治療を受ける人を増やしたいと考えている。