長期間通院のデメリットを解消
オンラインによる舌下免疫療法
Dクリニック東京ウェルネス
(千代田区/東京駅)
最終更新日:2024/09/25
- 保険診療
鼻水や目のかゆみといったつらい症状に悩まされる花粉症やアレルギー性鼻炎。内服薬や点鼻薬などで症状の抑制を図っているものの、できることなら根本的に治したいと考えている人も多いだろう。このような症状に対する治療法として注目を集めているのが舌下免疫療法だ。これはアレルゲンを少しずつ体内に入れ込むことによって体質を改善していこうというもので、高い治療効果が期待できる。ただ、治療期間が長いのが一つの難点ともいえるが「Dクリニック東京ウェルネス」ではオンライン診療によって通院の負担を軽減し、忙しい人でも治療を継続できるよう努めている。同院ではほかにも睡眠時無呼吸症候群などの治療でもオンライン診療を活用している。舌下免疫療法やオンライン診療について渡邊康夫院長と井坂奈央先生に話を聞いた。
(取材日2024年8月8日)
目次
スギ花粉とダニのアレルギーに有用な舌下免疫療法は年単位での治療継続が重要
- Qアレルギー性疾患の治療法にはどのようなものがありますか。
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A
【渡邊院長】まずアレルギー症状を引き起こしている原因は何か、例えば、食べ物、花粉、ダニ、ハウスダスト、動物の毛など、何が原因であるかを診断することが重要です。その上で原因物質を生活の中から除去したり接触を避けるようにします。ただ、花粉やハウスダストなどはすべて排除することは難しいため、症状を緩和するために投薬治療を行います。鼻水やくしゃみ、かゆみなどを引き起こすヒスタミンの働きを抑える目的の抗ヒスタミン剤が中心ですが、最近ではIgE抗体に働きかける抗体製剤も出ています。またアレルギー性鼻炎に対しては、鼻の粘膜をレーザーで焼灼する治療法も。さらに根本的な改善をめざすための舌下免疫療法があります。
- Qその舌下免疫療法とはどのような治療法ですか。
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A
【渡邊院長】舌下免疫療法はスギ花粉症とダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対する治療法で、少しずつアレルゲンを体内に吸収させることでアレルギー反応を弱めていくことをめざし、体質改善を図っていくものです。具体的な方法はスギ花粉やダニのエキスを含む薬剤を舌の下に置いて定められた時間そのままにした後、飲み込みます。1日1回、毎日の服用が必要で、治療は3年から5年の継続を推奨しています。治療費用は保険が適用されます。抗ヒスタミン剤などによる治療は対症療法であるのに対し、舌下免疫療法は根本的な治療法として高い効果が期待できます。また、職業柄、眠気などの副作用の出やすい薬を使えない人にとっても有用です。
- Q逆にデメリットとしてはどんなことがありますか。
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A
【渡邊院長】治療を始めてから1~2ヵ月くらいには、かゆみや腫れなどの軽度の副作用が出る恐れがありますが、治療を続けていくうちに体が慣れてくるでしょう。初回の服用は院内で医師の管理のもとで行い、投与後、約30分院内で待機して副作用が出ないか確認します。2回目以降は自宅での服用となります。ただこの治療法は治療期間が長い点が一つのデメリットと言えるかもしれません。舌下免疫療法の期待される効果を最大限に得るためには年単位で継続する必要があります。そのため定期的な通院を負担に感じる人も多いようです。患者さんの中には通院を続けるのが面倒になって途中で治療を止めてしまう例もあるようです。
- Qその負担を軽くするためにオンライン診療も行っているのですね。
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A
【渡邊院長】舌下免疫療法は継続することが最も重要ですので、患者さんの通院の負担が少なくて済むようオンライン診療も行っています。オンライン診療では、対面診療と同じように、治療を適切に続けられているか、体調の変化や副作用の有無、他院を受診している場合には薬の飲み合わせなどを確認します。患者さんは通院のための移動時間や待ち時間もなく、ご自宅などリラックスした中で診療を受けられます。オンラインのモニター越しに、その患者さんの家の状況なども少し見えますので、ダニアレルギーの場合、生活環境などについてアドバイスすることもできます。
- Qこちらでは睡眠障害についてもオンライン診療が可能なのですね。
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A
【井坂先生】睡眠時無呼吸症候群を中心に、対面診療、オンライン診療どちらでも対応しています。疑いのある場合、診断のためにご自宅で就寝時に行った睡眠検査のデータをオンラインで確認できます。経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)を希望する場合もCPAP装置をご自宅に送ることもできます。CPAP使用中のデータは自動でクラウドに送られますので通院しなくても確認できます。CPAP療法も舌下免疫療法と同じく継続的な通院が必要なので、オンライン診療によって通院の負担が軽減されると思われます。ただ肥満や顎、喉の形、鼻炎の有無など原因を調べるにはオンライン診療では限界があるため、対面で内視鏡検査を行っております。