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- 子育て世代の健康増進や外国人との国際交流に力を注ぐ大田区
大田区
羽田空港を有し、国際化に力を入れる大田区。ものづくりが盛んな地域として、下町情緒あふれる蒲田周辺には町工場が密集する一方で、田園調布のような閑静な住宅街もあるなど、多彩な表情を持つまちだ。
大田区長インタビュー
地域力でまちの魅力を高め
大田区らしい国際都市をめざす

- 松原 忠義
- 区長
1943年大田区池上生まれ。早稲田大学法学部卒業。明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科修了。1983年から大田区議会議員を3期務めた後、東京都議会議員を経て2007年大田区長に就任。現在3期目。羽田空港を擁する日本の玄関口として「国際都市おおた」をモットーに地域力を生かしたまちづくりを行う。
子育て世代の健康づくりに、熱心に取り組んでいると伺いました。
安心して子育てをする上でなくてはならないのは、親御さんが心身ともに健康であることです。とはいえ、子育てや仕事に追われて忙しい世代ですから、自分のことは後回しになりがちでしょう。そこで大田区では、親御さんが無理なく健康づくりに取り組める環境を整えています。例えば、乳幼児健診のときに併せて、骨密度測定や、乳がんの自己触診法の説明も実施することで、骨粗しょう症や乳がんの予防につなげています。また、健康意識の啓発に向けて、児童館などに保健師や栄養士が出向き、骨粗しょう症予防の講話をする機会も設けています。健康施策はライフスタイルに合わせて行うことで、初めて効果を発揮します。だからこそ、子育て世代に対しては、こうした「ついでに」できる環境づくりが大切なのではないでしょうか。
健康づくりの一環として、スポーツにも注力しているそうですね。
大田区は、平成24年に「スポーツ健康都市宣言」を行いました。スポーツを通じて健康な体づくりをめざすとともに、地域の交流を深め、まちを活性化させることを狙いとしたものです。以来、きっかけづくりとして、区民参加型の催しを多数開いてきました。多彩なスポーツが体験できる「おおたスポーツ健康フェスタ」、自然を感じながらまちを歩く「OTAウォーキング」、ストレッチや太極拳で爽やかに一日を始める「朝活スポーツ」など、各年代に合ったプログラムが特長です。特に高齢者の場合は、人と交流すること自体が刺激になり、介護予防にもつながりますから、積極的にご参加いただきたいですね。
羽田空港を有する大田区。国際化に向けて取り組んでいますね。

南馬込児童館での相談の様子。どんなことも気軽に相談してもらいたいという意図を込め、「立ち話相談」と銘打っている
約2万3000人の外国人が暮らす大田区は、平成29年に「国際都市おおた宣言」を行いました。めざすのは、単に国際交流を図るだけでなく、観光、多文化共生、産業の3つを柱に、区民の皆さんと一緒に国際化を進めていくこと。大田区は区民が積極的に地域づくりに参加してくれる「地域力」に満ちたまちですから、その強みを生かさない手はありません。区在住等の外国籍の方がまちの魅力を世界にアピールする「来~る大田区大使」は、まさに象徴ですね。そうして皆さんの力を借りて3つの柱を強化できれば、まちの魅力が高まり、大田区らしい国際都市の取り組みにつながっていくはずだと考えています。今後は、平成29年度設立し、平成30年4月から活動を開始した国際都市おおた協会を中心に、地域と連携し、外国人のサポートや国際交流の活動支援などを推進する予定です。
(取材日2018年9月26日)