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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

ふみんしょう不眠症

概要

睡眠障害の一つで、寝付けなかったり良質な睡眠が得られなかったりすることで日中の眠気、倦怠感や集中力低下、意欲や食欲の低下などにつながり、体や心に不調が現れる状態。約5人に1人が不眠症状で悩んでいるといわれるまさに国民病。女性に比較的多く発症し、加齢とともに生じやすい。原因は神経質な性格、ストレスや不規則な生活、薬の副作用や嗜好品の影響など多岐にわたる。睡眠時無呼吸症候群や気管支喘息などの体の病気や精神疾患が原因の場合も。不眠が続くことで不眠恐怖となり、さらに悪化を招く。生活習慣を整えても改善されない場合は、精神科や心療内科の医師に相談するのが得策。睡眠薬は適切に使用すれば安全だという。

原因

原因は多岐にわたる。環境要因として、時差がある場所、寝具や枕が変わる、寝室の温度や湿度、騒音、光など。身体的な要因では、高血圧や心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、アレルギー疾患などの病気、年齢、性差、頻尿、痛み、ほか。精神的要因として、うつ病、悩みや緊張から起こるストレスの影響や神経質で睡眠にもこだわりやすい性格傾向など。生活習慣の要因では、不規則な生活、運動不足、睡眠を妨げる降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤、日中に眠気が出る抗ヒスタミン薬など薬の副作用、早朝覚醒が増えるアルコール、利尿作用のあるカフェイン、覚醒作用のあるニコチンなどの嗜好品があげられる。約5人に1人が不眠症状で悩んでいるといわれている。女性に比較的多く発症し、20~30歳代から始まり中年・老年と加齢とともに増加し、60歳以上では約3人に1人が不眠症状で悩んでいるという。睡眠時無呼吸症候群や気管支喘息などの体の病気や精神疾患が原因の場合も。

症状

生活習慣を整えても1カ月以上にわたり不眠状態が続き、日中の眠気、倦怠感や集中力低下、意欲や食欲の低下、抑うつ、めまいなど、体や心に不調が現れ、日常生活に支障をきたす。眠れないことに不安や焦りを感じ、不眠恐怖が悪化する症状も現れる。就寝から30~1時間以上寝付けない「入眠障害」、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、起床時刻の2時間以上前に目が覚めて再度眠れない「早朝覚醒」、眠りが浅く熟睡したという感覚が得られない「熟眠障害」の4タイプに分かれる。中でも入眠障害を訴える人が多く、高齢になるにつれて中途覚醒・早朝覚醒が増加。複数の症状を併せ持つ人も。

検査・診断

問診により、眠れないことに心身の疾患が関係しているかどうか調べていく。不眠症の診断基準には米国精神医学会によるDSM-5が用いられる。睡眠そのものを診断する睡眠ポリグラフィー検査では、装置をつけて一晩眠り、脳波や呼吸運動、心電図、筋電図、眼球運動、睡眠の深さやいびき、無呼吸の程度などを探る。生体リズムを測るため、肛門に細く柔らかいチューブ状の直腸体温計を入れて、体温変化を測定する場合もある。睡眠時間の短さや不眠状態ではなく、「不眠が長期間続き日中の不調により生活に支障が出る」ことで不眠症と診断される。

治療

生活習慣や環境の改善を行っても効果が出ない場合は、睡眠薬による薬物療法を行う。脳の活動を鎮める働きのある薬、睡眠・覚醒のリズムを整える作用のある薬、脳の過剰な覚醒状態を抑える薬などがある。4タイプの症状にあわせて、例えば入眠障害には超短時間型や短時間型、早朝覚醒には中間型や長時間作用型など、4パターンの時間型に適した処方がなされる。睡眠薬は服用を始めると手放せなくなるのでは、量が増えるのでは、副作用が心配、という印象を抱く人も多いが、現在の睡眠薬は副作用も少なく自然に近い眠りへと導く。通院患者の約20人に1人が医師の指導の下、安全・適切な方法で睡眠薬を服用している。だが、市販の睡眠薬はアレルギー薬の副作用である眠気を利用したもので、不眠症治療の効果は確認されておらず、短期間の使用限定となっており、長期間用いてはいけない。また、睡眠に対する誤った考え方や生活習慣を修正する認知行動療法や不眠へのとらわれを打破する森田療法も有効だ。

予防/治療後の注意

体のリズムを整える行動を心がける。目覚めたら朝日を浴びる、起床時間を一定に保ち、休日も平日との睡眠時間の差を1~2時間以内にとどめる、長時間の昼寝は避ける、就寝前は明るさを抑えてパソコンや携帯電話・スマートフォンの使用を控える。気分転換をしてストレス解消を行う。ぬるめの湯で入浴し、就寝前にリラックスをはかる。睡眠時間にはこだわらないこと。栄養面では、バランスのとれた食事を同じ時間に1日3回取るようにする、カフェインやアルコール、ニコチンを控える。運動は午後に適度な有酸素運動を長時間行うのが効果的。寝室の適温は20℃前後、湿度40~70%、寝具や照明など、快適な環境を作る。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。