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こちらの記事の監修医師
学校法人北里研究所 北里大学病院
岩村 正嗣 病院長

にょうろけっせき尿路結石

概要

尿ができ、排出されるまでの経路を尿路と呼ぶが、そのどこかで体に不要になった物質が結晶のようになり、これらが集合して石のようになって尿路の中に存在する状態。結石の多くは腎杯(腎杯)、腎盂(じんう)、膀胱(ぼうこう)で形成されるが、結石が存在する位置により、腎結石・尿管結石・膀胱結石などと呼ばれている。結石が尿路をふさぐと激しい痛みがある。また細菌感染が起きると高熱が出る。長期間放置すると腎臓に負担がかかり、腎機能が低下することも。再発を繰り返す人も多く、その場合には結石の成分を調べることも有用。高齢の男性や閉経後の女性に多い疾患。

原因

何か一つの原因で起こるわけではなく、尿路の通過障害、感染、寝たきりまたは骨折、食事(動物性タンパク質や脂肪の過剰摂取)、内分泌・代謝異常などさまざまな要因が考えられる。半数以上は原因不明の特発性結石症といわれ、ごくわずかだが遺伝性のものがある。また、骨のカルシウムが血中に移行し血液のカルシウム濃度が異常に上昇して結石ができやすくなる「原発性副甲状腺機能亢進症」も原因の一つと考えられている。

症状

結石の大きさと症状の重篤さは一致しないことが多い。腎内にある結石の多くは無症状で経過するため、数cmの大きさまで成長することがある。結石が尿管に嵌頓(かんとん)すると、わき腹や下腹部に突然激しい痛みが生じる。夜間や早朝に起こることが多く、痛みは2~3時間続き、その間は数分おきに痛みが強くなるというように、痛みの強弱に波があるのが特徴。尿の流れが悪くなることで、腎臓からの尿の出口である腎盂(じんう)・腎杯(じんぱい)が腫れて水腎症(腎臓で作られた尿の流れがせき止められて、尿の通り道や腎臓の中に尿がたまって拡張した状態)を発症することがあり、腎機能を低下させる場合も。また、結石による刺激に伴って血尿や頻尿の症状が現れるケースもある。尿路感染症を合併すると、高熱を伴い重篤な敗血症に至る症例もある。

検査・診断

尿検査で血尿や尿路感染症の有無を確認。CTや超音波(エコー)検査、エックス線検査など腹部の画像検査で結石の部位や大きさ、腎臓の形や機能を調べる。通常のエックス線等に写りにくい結石でもCTでは容易に確認できるため、経静脈性尿路造影、逆行性腎盂尿管造影などの造影検査を行うことは少なくなった。超音波検査は体への負担も少なく、小さな腎結石や尿酸結石の診断に有用。

治療

症状も閉塞も感染も引き起こさない小さな結石に対しては、通常、治療の必要はない。痛みはあるが結石が大きくない(1cm未満)場合は、十分な水分摂取と鎮痛薬や結石を出しやすくする薬を使いながら自然に排出されるのを待つ。結石が1cmよりも大きいなど簡単には体外に出ない場合は、薬物療法だけでなく、体外から衝撃波を与えて結石を砕く「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」、尿道から尿管内に内視鏡を入れて結石を砕く「TUL(経尿道的尿管結石除去術)」、背中から腎臓に穴を開けて内視鏡を挿入し、結石を破砕し直接摘出する「PNL(経皮的結石除去術)」という3つの手術療法から選択、あるいは組み合わせて治療を行う。現在では開腹による手術はほとんど行われていない。

予防/治療後の注意

再発率70%と再発の多い疾患のため、日常生活では水分をしっかり摂取することとバランスの良い食事が予防法として推奨されている。水分補給は尿中のミネラル濃度を低くするためにも重要であり、1日あたり2リットルの尿量を保つようにする。また、石は尿中のシュウ酸という物質が固まってできるため、シュウ酸を多く含むほうれん草、キャベツ、緑茶・紅茶などの摂取を控えることで再発を予防できるといわれているが、極端な制限は栄養バランスの偏りにつながるため好ましくない。塩分や糖分、体内で代謝されて尿酸となるプリン体が多く含まれる食品、ビール、動物性の脂肪やたんぱく質を摂り過ぎないことも重要。夕食は食べ過ぎずに就寝4時間前までに済ませるのが理想的。

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こちらの記事の監修医師

学校法人北里研究所 北里大学病院

岩村 正嗣 病院長

1983年北里大学医学部卒業後、北里大学病院泌尿器科で研修を受け、大学病院のほか神奈川県内を中心に総合病院で診療。米国ロチェスター大学留学。 1995年北里大学病院泌尿器科主任に就任。同科長、副院長を務め、2018年7月から現職。北里大学医学部主任教授。 専門は副腎・腎・腹腔鏡手術。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。