「根管治療が痛い」と不安なら
痛みの緩和と精密治療で再発防止を
マリコ歯科クリニック
(渋谷区/代々木駅)
最終更新日:2025/10/31
- 自由診療
根管治療とは、細菌に感染した歯の根の部分を徹底して治療し、抜歯を防いで将来的に歯を残すことをめざす治療法のことだ。しかし、「根管治療自体がとても痛かった」「治療しても再発してしまった」などというトラブルもあるという。痛みを抑えるための歯科麻酔の専門家で、根管治療における再発防止に力を入れている「マリコ歯科クリニック」副院長の渡邊敏光先生は、「治療時の痛みは麻酔が不十分だった可能性も考えられます」と指摘する。「また根管治療は、2人に1人は再発するケースも少なくありません。しかし丁寧に手順を踏んで行えば再発防止も期待できるのです」。では根管治療で痛みを抑え、再発を防ぐためのポイントはどこなのか、渡邊副院長に詳しく聞いた。
(取材日2025年10月7日)
目次
約半数が再発するとされる根管治療。再発防止をめざすなら最初に適切な精密根管治療を行うのが重要
- Q以前受けた根管治療が痛かったことがありますが原因は何ですか?
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A
▲患者一人ひとりのニーズに対応するため先進の機器を積極的に導入
治療時の局所麻酔が不十分だと、根管治療に限らず痛みを感じることは多いと思います。例えば下の奥歯の歯茎は麻酔液が浸透しづらい部分ですし、歯の痛みが続くと痛みに過敏になる傾向もあるなど、症状や治療部位、患者さんの状態などで痛みの感じ方はさまざまです。歯茎に打つ一般的な麻酔では不十分な場合、歯根膜・歯間乳頭・歯髄腔などにも打つ、必要に応じて麻酔の量を増やす、複数の麻酔を併用するといった対応も考えられます。以前に受けた根管治療が痛かった患者さんは、十分に配慮した治療を受けるためにも多様な麻酔を使えるクリニックを選び、事前に痛みについて相談しておくと良いでしょう。
- Q痛みが怖くて根管治療を受けたくない場合の対処法はありますか?
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A
▲患者に寄り添った負担の少ない診療を心がける
怖くて体がこわばる方、緊張して落ち着かない方、治療音に敏感で機器が近づくのも嫌な方などは、笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法という選択肢も考えられます。笑気吸入鎮静法は笑気麻酔とも呼ばれますが、外科手術などの全身麻酔とは異なり、心身のリラックスを目的に使われるあまり強くないものです。静脈内鎮静法は笑気より深い鎮静・睡眠がめざせる一方、笑気では不要な絶食・絶飲などの事前準備があり、鎮静後も笑気より長く安静にする必要があるといった違いがあります。当院の場合、まずは笑気で治療を受けて、様子を見て次回からは静脈内鎮静法で行うといった方法をお勧めしています。
- Q根管治療後も同じ部分で病気が再発しやすいと聞きました。
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A
▲根管治療は技術力や治療の精度によって再発率が高くなる可能性も
日本の保険診療では、根管治療をした患者さんの2人に1人が再発するとされています。しかもこれは初めて根管治療を行った場合の話で、再治療、再々治療と進むにつれ、さらに再発しやすくなります。再発の原因としては、感染した細菌の除去が初回治療で不十分だった、装着したかぶせ物と歯や歯茎との間に隙間ができたなどにより、歯の根の部分で細菌が再繁殖したことが考えられます。また保険診療では考慮されていないラバーダムという防護膜を使わないと、唾液や細菌が治療部分に入り込みやすく、細菌除去の妨げになる可能性も高いでしょう。こうした再治療を招きやすい状態を見直し、根管治療を初回で成功させることが何より大事なのです。
- Qこちらでは再発防止のためにどんな治療をされていますか?
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A
▲再発防止に向けた精密な根管治療に努める
保険診療で使える素材や器具、治療にかけられる時間で再発を抑えるのは難しいと考え、当院では自由診療の精密根管治療も選択肢としてご提案しています。精密根管治療では治療部分の感染予防としてラバーダムを使用し、根の先の細菌除去に使うファイルという器具も、精密な動きに追随しやすく周囲の組織を傷つけにくいタイプを選択。歯の根の先を視認しながら根管治療を進めるため、マイクロスコープも導入しています。さらに複数の消毒薬を使い、超音波で組織に浸透しやすくして細菌除去を徹底します。また、非常に複雑な歯の根の形状はAI診断支援システムを用いて解析し、細菌を取り残さないように努めています。
- Qかぶせ物などの材質は治療にどのように影響しますか?
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A
▲さまざまな面でメリットがあることを丁寧に説明するよう心がける
当院の精密根管治療では、1回の治療時間を保険診療の場合の2〜3倍長く設けて、歯の根の先まで十分に消毒するよう努めています。そうやって無菌化をめざした後、神経を取り除いてできた穴に充填剤を詰めて密封しても、かぶせ物に汚れが常時付着したり土台と隙間が空いたりして、雑菌が内部に入りやすければ再発の可能性は高まるでしょう。そのため当院では、精密根管治療の一環としてセラミック製のかぶせ物もご提案しています。金属製やプラスチック製に比べて汚れが付着しづらく、形状の精度を高めることで隙間が空きづらいといったメリットが期待できるからです。より強度に期待が持てるジルコニア製のかぶせ物も選択可能です。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密根管治療/6万6000円〜、セラミッククラウン/11万5500円〜、ジルコニアクラウン/16万5000円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

