子どもの前歯が大きいと出っ歯になるのか
小児矯正の必要性を解説
あいおい歯科グループ 板橋歯医者・矯正歯科
(板橋区/志村坂上駅)
最終更新日:2023/09/06
- 自由診療
子どもの前歯が大きく、「このままだと出っ歯になるのでは?」という不安から、小児矯正を視野に入れている保護者もいるだろう。しかし小児矯正は本当に必要なのか、矯正する場合は何歳頃から始めるのがベストなのかなど、疑問を抱えたまま動けていない保護者も少なくないはずだ。「前歯が大きいと出っ歯になりやすいのは事実ですが、小児矯正で出っ歯を回避できる可能性が見込めます。さらに小児矯正は、抜歯せずに歯列矯正できる可能性が高いというメリットもあります」と話すのは、総合歯科医院という強みを生かし、矯正治療においても多彩な方法を提案している「あいおい歯科グループ 板橋歯医者・矯正歯科」の杉下健太郎院長。今回は杉下院長に、小児矯正の必要性やメリット、前歯の大きさと出っ歯の関係性などを聞いた。
(取材日2020年9月25日)
目次
小児矯正で顎の成長を促し、永久歯が生えるスペースの確保をめざす。抜歯なしで出っ歯を回避できる可能性も
- Q小児のうちに矯正することには、どんなメリットがあるのですか?
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A
最大のメリットは、顎の成長が完了していないうちに治療を開始できるということです。歯列を整えるためには歯が生えるために十分なスペースを確保する必要がありますが、小児は顎の成長を促すことで、顎自体を横方向に広げるという方法が選択できるのです。顎の成長が終わっている成人はこれができませんので、抜歯するケースも多いです。また、小児矯正は成長に合わせて歯並びにアプローチしていくので、成人よりも治療後に後戻りしにくいという利点もあります。小児から矯正を始めても成人の場合と大きく費用は変わりませんので、小児矯正をするメリットは大きいと思います。
- Q具体的に、小児矯正はどんな方法で行うのですか?
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A
小児矯正治療は、一般的に2段階に分かれています。1段階目は、永久歯と乳歯が混合している「混合歯列期」と呼ばれる、小学1年生~中学1年生くらいに行います。取り外し式の入れ歯のような装置を、主に就寝中に装着して顎の成長を促します。顎を大きくして歯のアーチを広げることで、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保しておくというイメージですね。2段階目は、永久歯が生えそろった段階で開始します。成人矯正と同様に、ワイヤーとブラケット装置や、マウスピース型装置を使って矯正していきます。
- Q小児矯正を開始するタイミングはいつ頃がベストでしょう?
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A
小学校3~4年生までが顎の成長のピークといわれているので、それまでには治療して、顎を必要な大きさに広げておくのが望ましいです。上下の前歯4本くらいが乳歯から永久歯に生え替わった頃、一般的に小学校1~2年生頃に治療を始めるのがベストでしょう。ただし反対咬合、いわゆる受け口のお子さんはできるだけ早く治療したほうが良いと思います。受け口には2つのパターンがあり、1つは骨格的な理由で受け口になっているパターン。もう1つは、骨格は正常なのに何かのはずみで前歯がずれて、受け口になっているパターン。後者の場合は、放置すると骨格的に受け口になってしまう可能性があるので、速やかに矯正を始めることをお勧めします。
- Q子どもの前歯が大きいと、出っ歯になりやすいのでしょうか?
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A
前歯が大きいと、出っ歯になりやすいのは事実です。しかし、必ずしもそうとは限りません。前歯が大きくても骨格的に歯が生えそろうためのスペースが十分にあれば、出っ歯にならない可能性もあります。前歯が大きくても、上下の前歯4本ぐらいが永久歯に生え替わった段階で前歯に隙間が空いていれば、出っ歯にならないかもしれません。その隙間も、他の歯が生えてきたときに自然と埋まることが多いです。逆に、前歯が重なっているお子さんは注意が必要です。きれいに歯が並ばず出っ歯になる可能性が高いので、小児矯正を検討したほうが良いかもしれませんね。
- Q小児矯正をすることで、出っ歯になりにくいのでしょうか。
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A
小児のうちに矯正して永久歯がきれいに並ぶためのスペースの確保をめざせれば、歯列の乱れの予防につながると考えられます。前歯が大きいこと自体が気になっている人もいるかもしれませんが、歯の大きさを変えることは難しいですが、歯列が整っていれば歯の大きさは案外気にならないことも多いですよ。出っ歯になるかどうかは、口唇の力によっても変わってきます。歯が生えるスペースが足りなくても、口をキュッと閉じる力があれば出っ歯にならないこともあります。常に口をぽかんと開けているお子さんは、出っ歯になりやすいといわれています。そういうお子さんの癖なども含めて治療を進めますので、気になることがあればぜひ相談しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/一期・二期治療 各35万円、マウスピース型装置を用いた矯正/90万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。