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稲見 光春 院長の独自取材記事

173総合内科クリニック

(三鷹市/三鷹駅)

最終更新日:2025/02/27

稲見光春院長 173総合内科クリニック main

稲見光春院長が2011年に開業し、三鷹駅と吉祥寺駅にほど近い連雀通り沿いに位置する「173(いなみ)総合内科クリニック」。温かいターコイズブルーが施された外観が目印だ。待合室はゆったりとしたレイアウトで、待ち時間もリラックスして過ごせる配慮がなされている。訪問診療をベースに一般診療も行う地域に根差したクリニックで、訪問診療は、医師と看護師が必ずペアで訪問し、看護師は家族に看護や介護のアドバイスも行う。一般診療では、生活習慣病の患者を中心に心理面や社会面も含めて全人的医療を心がけている。「患者さんご自身の中で問題を抱えている部分を取り除いていくためにも、聞くことを大切にしています」と語る稲見院長に、診療の特徴や診療体制などについて聞いた。

(取材日2024年1月14日)

総合内科と訪問診療のクリニック

2011年に開業されたのですね。院内がホワイトとブルーで統一されていて落ち着きます。

稲見光春院長 173総合内科クリニック1

私は長らく日本医科大学の大学病院や関連病院などで消化器内科、血液内科、内分泌代謝内科の研鑽を積んできました。その後、世田谷区の地域密着型クリニックで院長を務め、訪問診療に従事したことをきっかけに、訪問診療をベースにしたクリニックを開業したいと思うようになり、2011年に総合内科と訪問診療のクリニックとして当院を開業しました。これまでの経験を生かし、「患者さんに近い場所で自分にできること」をポリシーに、日々診療しています。クリニック名の「173」は、私の名字「いなみ」が由来です。院内に施しているターコイズブルーは、ハワイの海をイメージしています。私は幼少期にハワイに住んでいたことがあり、ハワイの海の色が好きで、クリニックにも取り入れることにしました。

診療体制について教えてください。

開業当初は私と非常勤ドクター2名で診療していたのですが、2022年からは循環器内科を専門とする荒井順子先生が常勤医として加わり、2診体制で診療に当たっています。荒井先生は現在産休中で2025年4月に復帰される予定ですが、通常は私が訪問診療中は荒井先生が院内の診療を担当し、午前と午後に分けて交代する体制をとっています。訪問診療で担当する患者さんは異なりますが、常に患者さんの情報を共有し、看護師も含めて一つのチームとしての訪問診療体制を充実させていけるよう取り組んでいます。訪問診療と一般診療の割合は、半々くらいですね。定期通院されている患者さんが、都合がつかず来院できない場合は必要に応じてオンライン診療にも対応しています。

診療時のポリシーを教えてください。

稲見光春院長 173総合内科クリニック2

大学病院で入院患者さんを中心に診ていた頃は、ベッドサイドに座り、会話を交わしたり患者さんのお話を聞いてから診療をスタートするというスタイルをとっていました。開業してからも「聞く」ことを大事にしています。そもそも患者さんが訴えることを聞き逃さなければ、間違った診断にはならないと思うんです。患者さんのお話をしっかり聞くために、当院では診療を予約制にしています。待合室が患者さんでいっぱいという状況では、どうしても診療が流れ作業的になってしまって、しっかりお話を聞けない。それだと自分のめざす医療とはかけ離れたものになってしまうんです。予約制にしてある程度患者さんの数を絞れば、一人ひとりに費やせる時間も増える。今は、1人あたり10分~15分の時間を取れるように予約を組んでいます。

訪問診療は、医師と看護師が必ずペアで行う

訪問診療の特徴を教えてください。

稲見光春院長 173総合内科クリニック3

当院は、三鷹市、武蔵野市、小金井市に加え、調布市、杉並区、世田谷区のそれぞれ一部の地域にお住まいの、認知症や寝たきりの方、足腰が不自由で通院が困難な方、障害などで通院が困難な方、がんや難病などで在宅療養を希望される方など、お一人で通院することが難しくなった方を対象に、訪問診療を行っています。一番の強みは、患者さん宅に訪問する際は必ず、医師と看護師2人で伺うこと。医師は検査や診療を行い、看護師は自宅での介護の方法について患者さんのご家族にアドバイスしています。在宅での看護は、ご家族もいろいろ大変ですよね。ご家族からの不安や疑問にも応え、介護・福祉サービスをご紹介するなどしながら、患者さんとご家族を支えています。相談があった日からでもお伺いでき、夜間も私が電話並びに往診に対応しています。

認知症の方にはどのようなサポートを行っているのですか?

認知症の方に対しては、まずは病型をしっかり把握すること。認知症の疑いのある方は、ご家族に連れられて外来受診されるケースが多いのですが、暴言や徘徊、幻覚などの陽性症状、その逆で、無気力やうつ状態などの陰性症状といった周辺症状が強い方の場合、往々にして通院を拒否する場合があります。訪問診療ではこのような患者さんに、早めに集中的なケアを行いやすくなります。認知症のお薬も使い方次第で、ご家族の介護負担軽減が期待できます。よって、患者さん一人ひとりの状態に合わせ、処方する薬やその微調整も定期的に行い、ご家族の休憩もかねて、必要に応じて介護施設の利用をお勧めしています。

外来で、腹水の診療を行っていると聞きました。

稲見光春院長 173総合内科クリニック4

腹水のたまった患者さんに関しては、外来でCART(腹水ろ過濃縮再静注法)も行っています。これは、おなかにたまった腹水を抜いて、細菌やがん細胞を取り除いていき、栄養分を濃縮した製剤を点滴で体内に戻すという方法。腹水がたまると食べるのも動くのもままならなくなるのですが、この治療は手間も時間もかかるために大きい病院でないとなかなか受けられないことが多いんです。だからこそ「自分にできることがあれば」、「地域でもこういった治療を受けられれば、患者さんのメリットも大きいかな」という思いから始めました。そのほか、緩和治療やペインコントロールなども行っています。

患者の心理面や社会面も含めてサポート

一般の外来ではどのような患者さんが多いですか? 診療はどのようにされるのでしょうか。

稲見光春院長 173総合内科クリニック5

健康診断で生活習慣病の数値に異常が見られた現役世代の方からご高齢の方まで幅広いですね。年齢的には、お若い方ですと40代くらいの方がいらっしゃいます。例えば、血糖値が高いと指摘された患者さんに対しては、まず最初にその方の食事時間や睡眠時間など生活様式について詳しく伺った上で、治療に入るかどうかを判断します。患者さんにもよりますが、お薬を処方せずに生活様式を改めていただくことで改善するケースもあります。生活習慣病の場合は継続的に通っていただくことも多いので、体重や血液検査の結果を視覚化し、経過を理解していただくことでご本人のモチベーションアップにつながるのではないかと思います。単に患者さんの症状をコントロールするだけでなく、心理面や社会面も含めてサポートさせていただくことを心がけています。

クリニックの強みはどのようなところにありますか?

当院では、15分ほどでわかる血液検査の機械を導入しています。また、新鋭の機器による超音波検査にも注力し、必要に応じて診療に用いています。血液検査の結果がすぐにわかることで通院回数を減らすことができますし、超音波検査は循環器疾患の早期発見につながります。睡眠時無呼吸症候群の診断や治療も行っていますが、この疾患は必ずしも肥満が原因でなく、脳が原因で発症するケースもあります。より専門的な検査が必要な場合は迅速に大学病院に紹介するなど連携体制も強化しています。患者さん一人ひとりの年齢や症状に即した形で目標設定を計画・立案し、その患者さんらしく健康維持できるような取り組みを行っているところが、当院の強みです。また、院内感染を防ぐため、発熱のある患者さんの診療時間を分けて対応しています。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

稲見光春院長 173総合内科クリニック6

開業してもうすぐ14年になりますが、当初から通い続けてくださっている外来の患者さんが、足腰が弱ったなどの理由から通院できなくなり、訪問診療に移行するケースも増えてきています。患者さんやご家族は、どのようなタイミングで訪問診療に切り替えるのか判断に迷うこともあると思いますが、私の方から少しずつお話しさせていただき、安心して移行できるようにサポートしています。また今後は不定期で、訪問診療の相談会を実施していく予定です。当院での診療、訪問診療ともに、どんな些細なことでもかまいませんので、何か気になることや聞きたいことがあれば、お気軽にご相談ください。

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