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相模原市

神奈川県北部の政令指定都市で、商業地がある南区、官公庁や研究機関が多数ある中央区、相模湖など自然に恵まれた緑区の3 区から成る。橋本駅周辺にリニア中央新幹線の新駅開設が予定されているなど、将来が楽しみなまち。

目次

相模原市長インタビュー

市民が差別なく、ともに支え合い
生きる社会の実現をめざす

本村 賢太郎
市長

1970年東京都中野区生まれ。青山学院大学を卒業後、会社員や衆議院議員秘書、神奈川県議会議員(2期)、衆議院議員(3期)などを経て、2019年相模原市長に初当選。選挙では、「開かれた市政」を公約とし、就任直後に市長室のガラス扉のスモークフィルムを剝がし、開放したことが話題に。

相模原市の子育て支援について、教えていただけますか?

私は両親の離婚がきっかけで、生まれてすぐに相模原市に引っ越し、母は居酒屋を営みながら女手一つで私を育ててくれました。裕福な家庭ではありませんでしたが、母の愛情をたくさん受けて育ちました。そうしたこともあり、家庭環境に左右されることなく教育が受けられ、生活ができる、子育てのしやすいまちづくりに対する思いは、特別なものがあります。
そのために最も力を入れているのが、子どもの貧困対策です。親の所得格差による子どもの教育格差を少しでもなくすため、3年間で総額32万円を給付する高校生向けの奨学金や、一人親の中学生向けの家庭教師派遣などを行っています。また、地域の方々やNPOによる無料学習塾、子ども食堂などの取り組みを支援しています。
より子育てがしやすい環境を整えることは、若い世代に選ばれ、活気あふれるまちをつくるため、非常に大切です。

医療についての取り組みや体制はいかがでしょうか?

子育て世代の経済的負担軽減を目的に、中学3年生まで医療費を助成しています。保険適用分について、0歳児は所得制限がなく、1歳児からは所得制限がありますが、通院・入院ともに自己負担がありません。中学生は通院1回の診療で500円の負担です。
また、休日や夜間の急病に対応するメディカルセンターが各区に1つ以上、二次救急医療機関は14病院あり、三次救急は北里大学病院が担当。救急受け入れを医療機関に4回以上照会しても決まらない場合などには、同大学病院が一時的に受け入れるという独自の「相模原ルール」があり、患者さんのたらい回しを防ぐなど、安心の体制が整っています。

差別のない共生社会の実現に力を入れていると伺いました。

無料学習塾ではさまざまな事情を抱える子どもを対象に、学習支援や居場所づくりを行っている

平成28年7月、緑区の障害者支援施設「県立津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷されるという痛ましい事件が起こりました。裁判で語られた加害者の考え方は、決して容認できるものではなく、この事件を契機に相模原市では、「共にささえあい生きる社会」をキャッチフレーズに、障害の有無に関わらず、誰もが自分らしく生きることのできる共生社会の実現をめざし、さまざまな事業を推進しています。また、事件を風化させないために、市が保管する事件に関する公文書を「歴史的公文書」として永久保存することとしました。そして、令和3年にはやまゆり園が仮移転場所から元の場所へ戻ってきます。以前と同じように地域に根差し、愛される施設になってほしいと思っていますので、市民の皆さんにもぜひ、注目していただきたいですね。

(2020年5月時点の情報です)

「医師会」活動レポート

住民の身近なかかりつけ医であり、地域医療の重要な役割を担う「医師会」。今回は、地域の医師会の会長に、力を入れている活動や取り組みについてお話しいただきました。

相模原市医師会

必要な医療が市民に適切に届くように
医師会と行政が一体となり行うチーム医療

都心へのベッドタウンでありながら自然豊かな相模原市で、必要なときに必要な医療を市民に提供するため、市とともに活動しているのが相模原市医師会だ。
「住んでいる地域によって、患者さんの受診行動もまったく違ってきますので、十分配慮し、さまざまなパターンを想定しながら取り組んでいます」と細田稔会長は話す。 高齢化が進み盛んに重要性が叫ばれるようになった「医療と介護の連携」について、同会では当時担当理事だった細田会長を中心に約20年前から、地域に根差した在宅医療の普及に注力。最後まで住み慣れた町で生活ができるように、より良い在宅医療をめざしたチーム医療を実践している。
また、災害医療においては定期的に訓練を実施。同市では、災害時に拠点救護所とは別に市内の小学校にも救護所を設置し、一定震度以上の地震が起こった場合には、医師会所属の医師がそこへ出勤することになっており、そのための訓練を年3回、市役所、地域住民も参加し行っている。担架での患者の搬送、トリアージ、無線による本部との通信などかなり本格的だ。今後は、実際の災害でも訓練と同様にきちんと医師が集まれる体制を強化したいと考えている。
「市や各医療機関と連携を取りながら、いかなるときも地域住民の安心・安全・健康を守れるよう、医療の専門家としての提言、発信、実践することが私たちの使命だと考えています」

(2020年5月時点の情報です)

細田 稔
会長

(細田クリニック)

Profile

北里大学医学部卒業後、神経内科や難病の診療に従事し、1990年細田クリニックを開業。「生活の一部に医療があり、その主人公は患者さん。生活を支える一つのツールが医療」と考える。2019年より相模原市医師会長。

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