全国のドクター8,892人の想いを取材
クリニック・病院 161,002件の情報を掲載(2021年11月29日現在)

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. めまいがするの原因と考えられる病気一覧
  4. 虚血性心疾患
  1. TOP
  2. 眼の病気一覧
  3. 虚血性心疾患
031

こちらの記事の監修医師
東京医科大学八王子医療センター
副院長/循環器内科科長/教授 田中 信大 先生

きょけつせいしんしっかん虚血性心疾患

概要

心臓を動かすための筋肉(心筋)に血液を送る役目を持っている冠動脈という血管が、狭くなったり硬くなったりして、心筋へ十分に血液を送れなくなることで発症する疾患の総称。コレステロールの塊などが血管の壁にたまって血液が通りにくくなったり、加齢により血管が硬くなったりすること(動脈硬化)で起きる。代表的な病気は、血流が悪くなることで心筋に十分な血液が行かず、胸が痛くなったり呼吸困難になったりする「狭心症」。また冠動脈に血栓ができて詰まり、血液の流れが完全に止まって胸に痛みや圧迫感が持続する「心筋梗塞」も、虚血性心疾患の一つである。

原因

虚血性心疾患は「動脈硬化」が主な原因とされている。このうち心筋梗塞は、年齢が進むにつれて血管の内膜にコレステロールなどの脂肪が沈着し、血管(冠動脈)が狭くなって内膜の細胞が壊れ、血栓ができて血管が詰まることによって発症する。血管が完全に閉塞して血流がなくなると、心筋細胞が壊死し心筋梗塞となる。老化に加えて、高血圧や脂質異常症、喫煙、肥満、糖尿病によっても動脈硬化は加速し、心疾患のリスクは高くなることがわかっており、硬化の要因となる5大リスクといわれている。狭心症にも動脈硬化が影響しており、血管が狭くなり、血流が悪くなった状態で急に激しい運動をしたり、強いストレスがかかったりすることによって発症する。寒さによる刺激や喫煙がきっかけで血管がけいれんし、狭心症を起こすこともある。

症状

疾患によって細かな症状は異なるが、共通する症状としては胸や背中に感じる強い痛みや圧迫感、息苦しさ、冷や汗、意識障害などが挙げられる。痛みは体の深い部分に感じることが多く、「狭心症」では長くても15分、「心筋梗塞」では20分以上続くことが多い。狭心症の初期症状は、「階段や坂道を上るとき、走ったときに胸の痛みが数分間続く」「早朝のトイレや洗面時に胸が痛んだり、痛みで目が覚めたりする」など。心筋梗塞の場合は「運動時、安静時に関わらず突然15分以上胸が痛む」「胸の痛みとともに動悸、息切れ、めまいなどの症状がある」のが特徴だ。

検査・診断

虚血性心疾患の診断にあたってはまず、狭心症や心筋梗塞が疑われる症状があることを確認。そして虚血があるか否かを調べるために心電図検査が行われる。狭心症の場合には症状が出ているときの心電図が必要となるので、運動時の心電図を記録する装置(運動負荷心電図)などが使われる。また心筋の収縮力や血流をチェックするため、超音波(心エコー図)検査、心筋シンチグラフィー(微量の放射線物質を注射し、心臓各部へ血流が届いているかを調べる検査)などの画像診断を実施。MRI検査で心筋の動きや状態を観察することもある。冠動脈のCT検査では、冠動脈の狭窄を直接観察でき、また壊死した心筋の成分の有無を調べる血液検査などが行われる。

治療

治療法は主に「薬物療法」、「冠動脈形成術(カテーテルを用いた手術)」、「冠動脈バイパス手術」の3つ。薬物療法については、血管を広げる薬や動脈硬化の進行を抑制する薬、血液を固まりにくくする薬などが用いられる。狭心症の場合はこのような薬物療法が基本となる。冠動脈形成術は、狭くなったり詰まったりしている冠動脈を、カテーテル法によって広げる血管内手術のこと。原則的に局所麻酔で手術時間は短く、患者の身体的負担は比較的少ない。この治療法が難しい場合は、バイパスと呼ばれる血管をつなぐ冠動脈バイパス手術が行われる。心筋梗塞の場合は、時間経過とともに心不全を合併する危険性が高まるため、一刻も早い治療が必要となる。その他、心臓の筋肉の動きを改善するためのリハビリテーション、食生活指導なども組み合わせて行う。

予防/治療後の注意

虚血性心疾患の原因となる動脈硬化は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病がもととなって起こることが多いため、食生活の改善や運動の習慣を付けることが予防につながる。発症後は医師の指示に従い、薬物療法と同時に規則正しい生活習慣を送ることが治療後の再発や生命予後にとって重要となる。具体的には、適度の運動をすること、排便による血圧上昇を避けるため便通を良くすること、タバコはやめることなどが求められる。

031

こちらの記事の監修医師

東京医科大学八王子医療センター

副院長/循環器内科科長/教授 田中 信大 先生

1989年東京医科大学医学部卒業。東京医科大学病院、神戸市立中央市民病院などを経て2007年オランダ・カタリーナ病院に留学。 帰国後は東京医科大学病院へ。2015年八王子医療センターに赴任。2016年より循環器内科教授、2017年副院長に就任。日本循環器学会循環器専門医。