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こちらの記事の監修医師
菅沼 岳史 教授

がくかんせつしょう顎関節症

概要

顎は複雑な形状と多くの機能を持っており、筋肉と関節、神経が集中して下顎を支えている。食事や会話の際にはそれらが連動して機能するが、この顎の関節やその周辺部分に痛みが出たり動かしにくくなったりするのが顎関節症である。主な症状としては、口を開いたときに顎関節や顎の筋肉に痛みを感じたり、顎関節から音が鳴ったりする。顎関節症の痛みは、顎関節の痛みと咀嚼筋の痛みに分けられ、そのいずれか、あるいは両方が痛む。口が開けづらくなる要因としては、顎関節内部の関節円板(圧力分散のためのクッションの役目を担っている繊維がまとまった組織)がずれて関節の動きを妨げている、あるいは咀嚼筋の痛みで顎が動かせないことが挙げられる。

原因

従来は噛み合わせの悪さが原因だと考えられてきたが、近年の研究で、噛み合わせは原因の一つに過ぎず、実際には多くの要因が絡んでいることがわかってきた。その要因には、噛み合わせの不良のほか、顎関節そのものがもともと弱いなどといった構造上の問題、ストレスや不安などからくる顎の筋肉の緊張、外傷などもあると考えられる。また、日常生活における習慣や癖なども大きく影響している。例えば、頬づえや歯ぎしり、唇や頬の内側を噛む癖、食いしばり、片側の歯での偏った噛み方の癖、うつぶせ寝の習慣、猫背など。近年ではスマートフォンや携帯電話、パソコンの長時間に及ぶ操作なども原因の一つであることがわかっている。

症状

顎関節に痛みが生じる、口が開けづらい、口を開くときに耳の付け根辺りで「カクッ」「ゴリッ」といった不快な音が鳴る、というのが主な症状。これにより、硬い食べ物を噛めない、大きな食べ物を食べられない、顎の音が煩わしいといったストレスを抱えることになる。関節円板がずれている場合には、顎を動かすと引っかかるような音がしたり、顎関節を構成する骨の変形によってこすれ合うような音がしたりする。さらに症状が悪化すると、口を開けようとしなくても顎関節や、頬やこめかみなどの顎を動かす筋肉が痛んだり、口が開かなくなったりする。さらに腕や指のしびれ、めまい、片頭痛、首や肩、背中の痛み、腰痛、肩凝りなどのほか、目、耳、鼻、歯、舌などに不快感や違和感を覚えるようになることもある。

検査・診断

問診でどのような症状があるか、また症状が始まった時期、生活スタイル、日頃からの癖や習慣などを具体的に確認した上で、顎の動きの検査、顎や咀嚼筋の痛みの検査、あわせて頭部のエックス線検査やCT検査によって顎関節やその周辺の筋肉に異常がないか調べる。加えて、MRI検査や顎関節鏡視検査でより詳しく関節や筋肉の状態を調べることもある。また、痛みには心理的要因の関連も考えられることから、心理テストなどを行う場合もある。

治療

問診で判明した原因と思われる癖や行動を改善していく。具体的には、硬い食品の咀嚼や長時間の咀嚼は避ける、頬づえをやめる、姿勢を良くする、歯の食いしばりに気づいたら上下の歯に隙間をつくる、強い緊張を感じる環境を改善する、あるいは避ける、といったことである。同時に鎮痛薬で痛みを抑えながら、マウスピースのようなプラスチックなどの補助器具を歯列にかぶせ、顎関節の負担を軽くする。また、理学療法としてマッサージ、ホットパック、低周波治療、鎮痛を目的としたレーザー照射などの物理療法や、ストレッチ、下顎可動化訓練、筋力増強訓練などの運動療法を用いる場合も。症状がひどい場合は、顎関節に潤滑剤を注射することも検討する。これらの保存療法が奏効し、顎関節症の症状が軽減した後に噛み合わせを調整することもあるが、噛み合わせの調整が第一選択となることはほとんどない。

予防/治療後の注意

歯ぎしりや頬づえ、唇や頬の内側を噛むといった癖、食いしばり、片側の歯に偏った噛み方の癖、うつぶせ寝の習慣、猫背など、日常生活における癖や習慣を改め、行動を見直すことが顎関節症の予防につながる。スマートフォンや携帯電話、パソコンを操作するときには、作業の合間に休憩をはさみ、体への負担を減らすよう心がけることも重要である。

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こちらの記事の監修医師

学校法人昭和大学歯科病院

菅沼 岳史 教授

1985年3月昭和大学歯学部卒業。昭和大学歯学部歯科補綴学講座准教授を経て2018年1月より現職。専門は顎関節症,歯科補綴,スポーツ歯科。