予防のために継続的な通院を
歯周病とインプラントの関係性
杉本歯科クリニック
(蒲郡市/蒲郡駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
- 自由診療
「沈黙の病気」。歯周病はしばしばそう形容されることがある。自覚症状が出にくく、知らず知らずのうちに進行していることが多いためだ。歯や歯茎に炎症をもたらし、放置しておけば歯の土台となる歯槽骨を溶かして、歯をぐらつかせる原因に。やがて抜歯が必要となってしまうこともあるそうだ。「だからこそ、早期発見と継続した治療、患者自身のホームケアが重要」と、「杉本歯科クリニック」の杉本渉院長は警鐘を鳴らす。根気強く治療を続け、予防の意識を持てば、健康的な口腔内は保てる。もし歯が抜けてしまった場合はインプラントという方法も考えられるが、杉本先生は歯周病患者にこそインプラントを容易に考えてほしくない理由があるという。歯周病の恐ろしさや予防の必要性、インプラントとの関係性を詳しく聞いた。
(取材日2018年4月6日)
目次
症状が出なくても予防のために通うことが大切。歯周病は歯だけでなく全身の疾患にもつながる
- Q歯周病の症状と、治療の進め方を教えてください。
-
A
▲歯科衛生士が正しいブラッシングを丁寧に指導
まず大前提として言えるのが、歯周病はほぼ無症状だということです。初期で気づきやすい症状といえば、歯茎から血が出る、口臭が気になる、味の感じ方が変わる、などですが、ご自身でこれらが歯周病の症状だとは思わない方が多いです。治療では、いきなり歯石を取ったりということはあまりしません。大切なのは毎日の正しいブラッシングであり、これがなければ歯石を取っても意味がないからです。歯周病治療の基盤となる正しいブラッシングの仕方をお伝えし、定着した後細かい歯石取りやクリーニングをしていきます。ぱっと鏡で見ただけでは治ったかどうかわかりませんので、しっかり治療を続け、自己判断で通院をやめないようお願いしたいです。
- Q継続した治療をしないとどうなるのでしょうか?
-
A
▲治療を途中でやめないことが大切
歯周病は、歯や歯茎が細菌に感染して炎症を起こす、いわば「細菌感染」の一種です。この細菌や細菌に由来する病原因子、炎症によってつくられた物質が血管の中に入り、血管内でプラークとなって血液の流れを妨げる恐れがあることが、近年の研究でわかってきています。血液の流れが悪くなると、動脈硬化や脳梗塞、高血圧症、心臓病などの全身に関わる病気をもたらします。妊婦さんが歯周病に罹患すると、早産の原因になったり、低体重児が生まれやすくなったりといった報告もあります。つまり、体が細菌に感染しているわけですから、それが血管を通って全身に巡れば、全身の疾患を引き起こすということは想像に難くないのです。
- Q歯周病が原因で歯が抜けてしまったらどうすればよいでしょうか?
-
A
▲インプラント治療について語る杉本院長
最も自分の歯に近い感覚で使えるのはインプラントです。しかし、インプラントこそ歯周病にかかりやすいということは、意外と知られていないと思います。インプラント周囲炎といって、原因やメカニズムは通常の歯周病と同じですが、インプラントはその構造上、普通の歯以上に注意して磨かないと菌が繁殖しやすく、治療も長引くことがあります。また、症状がさらに出にくく、進行もとても速いのです。インプラント治療を検討している方は、これまで以上に歯周病対策には気をつけてほしいですね。当院では口腔内に虫歯や歯周病などのない、良い状態に保ってから施術をするようにしています。
- Qインプラントのメリットを教えてください。
-
A
▲セルフケアでは難しい部分もしっかりケアをする
他の歯に負担がかかりやすいブリッジや入れ歯とは違い、インプラントは歯が生えている骨に直接土台を埋めるので、自分の歯と同じような噛み心地、使用感が得られます。ご自宅でのケアも、自身の歯と同じようにブラッシングが基本になりますね。クリニックでのケアは、セルフケアでは行き届かない、歯の表面の掃除や、歯と歯茎の間のプラークを取るなどがあります。
- Q歯周病にならないためにはどうしたらよいでしょうか?
-
A
▲受付も優しいスタッフたちが対応
定期的な通院をしていただき、小さな変化にも早く気づける環境をつくることが大切です。これまでお話ししてきたように、歯周病もインプラント周囲炎も、どちらも自覚症状が出にくく、だいぶひどくなるまで気づかず普通どおり食事も会話もできてしまうので、見落としてしまいがちです。「沈黙の病気」といわれる歯周病を予防するために、モチベーションを高く持ってぜひ継続して通院しましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント1本/35~40万円