杉本 渉 院長の独自取材記事
杉本歯科クリニック
(蒲郡市/蒲郡駅)
最終更新日:2021/10/22

JR東海道本線の蒲郡駅から徒歩3分というアクセス良好な場所に位置する「杉本歯科クリニック」。大きな窓から光が差し込む院内は、明るく清潔感にあふれている。院長の杉本渉先生は、「地元の人々に貢献したい」という思いから、生まれ育った蒲郡市で開業した。一般歯科からインプラント治療まで、幅広い歯科診療に対応。中でも予防歯科に力を入れ、「歯科医院は、治療する場所というより、予防を行うための場所」との考えから、診療の際には患者にセルフケアの大切さや方法を具体的に伝えるよう努めているそうだ。自身の健康管理にも気を使い食生活を改善し、さらにケトジェニックダイエットアドバイザーの資格を取得したという杉本院長に、同院の特徴や診療方針など、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2021年9月15日)
対話と治療により生まれ育った地域の人々の健康に貢献
この場所で開業された理由を教えてください。

私は生まれも育ちも蒲郡市なんです。ですから以前から、「開業するなら地元で歯科技工士の弟と一緒にやりたい」と思っていました。また、「地域に密着した診療を行って、地元の人々に貢献したい」という思いも強かったですね。建物の外観は、このエリアの雰囲気になじむよう、壁に丸みを持たせるなど優しいイメージにしました。私の顔に似た歯のイラストは、デザイナーさんが見つけてくれたものです。無機質な冷たい雰囲気にしたくない反面、歯科医院らしさをまったく感じさせないカフェや美容室のような雰囲気にするのも違うかなと思っていましたので、その中間くらいのところに着地した感じですね。院内で特にこだわったのは、通常の診療室とは別に、完全個室の特別室を設けたこと。インプラント治療など口腔外科的な治療を行う際に使用しています。
診療設備にもこだわっているようですね。
麻酔時の患者さんの痛みを軽減できるよう、電動麻酔器を使用しています。針が細い上に、麻酔液を注入する際の圧力をコンピューターで調整することのできる機器です。また一時期、歯を削る機器であるタービンの使い回しがメディアで話題になったことがありました。当院ではタービンを多数ストックしている上、タービンをはじめ使用頻度の高い小さな器具を短時間で迅速に滅菌していく機械も導入。患者さん一人ひとりに、消毒・滅菌済みの機器を使用する体制を整えています。さらに、高血圧症などの持病がある患者さんに対して体に負荷のかかる処置を行う際には、必ず事前に血圧や酸素量を測定しますので、そのための機器も導入。万一患者さんが発作を起こすなどの事態に備えて人工呼吸器も用意しています。
近所に大型スーパーがあり、周囲はにぎやかな印象です。どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

お子さんからご高齢の方まで、満遍なく幅広い世代の患者さんが来院されています。主訴としては、「かぶせ物が取れた」「歯が割れた」など、治療を受けていた部分が再び悪くなって来院される患者さんの割合が多いでしょうか。また、「入れ歯を作りたい」「直したい」といった理由で来院されるご高齢の患者さんの割合が、開業当初に比べて増えてきたように感じています。私が噛み合わせ治療を専門にしていることから、噛み合わせでお悩みの方がご相談にいらっしゃることも増えてきましたね。当院では、来院された患者さんに予防の大切さを時間をかけてお伝えするようにしておりますので、「歯の健康に対する意識が変わった」と感じていただければうれしいですね。
全身の健康を意識した口腔環境づくりを実施
力を入れている予防歯科やセルフケアについて教えてください。

歯科で治療している間は「予防」ではありません。患者さんに自らメンテナンスすることが大切だという認識を持ってもらうために、治療とは別にカウンセリングの時間をつくりお話ししています。初診カウンセリングのほかに、治療後に行う「終了カウンセリング」も実施しています。メンテナンスの大切さや今後のケアなどについてお話しする時間です。そこで、さまざまな情報を提供し、今後どのようなケアをしていくのか患者さんにも考えていただきます。「今から自分は何ができるのか」を考えて自発的にメンテナンスするようになっていただきたいので、あえて判断を委ねるんです。また、希望される方には虫歯リスクなどを調べるのに役立つ唾液検査を行っています。唾液の性質は個々で異なりますので、結果を見て歯磨き粉などのセルフケアグッズをアドバイスしています。
口の健康だけではなく、全身の健康も考えて診療されているとか。
歯科は医科とは違い、症状を持たずとも訪れやすい医療機関です。そういったことから、虫歯や歯周病の治療や予防だけではなく、全身疾患の予防についても伝えていくのが歯科の役割だと捉えています。例えば、糖尿病の患者さんに「処方されている糖尿病の薬がどんな薬か知っていますか?」と聞くと、ほとんどの方が「知らない」「先生に言われたから飲んでいる」と答えるでしょう。そういった方は自ら健康を取り戻そうとしているとは言えないと思うんですよね。もっと自分の体や自分の人生と向き合い、健康の価値に気づいて、積極的に取り組んでほしいんです。歯科を受診することで、患者さんが自身の健康の大切さに気づくきっかけをつくりたいと考えています。
オンライン診療の導入を検討されているそうですね。

患者さんと対話する時間を確保するため、診療時間外にもオンライン診療の導入をしました。新型コロナウイルス感染症の流行で歯科に行くのが心配。でも話を聞いてほしい。顎関節症かもしれないので相談に乗ってほしいなど、オンラインでお話を聞いてアドバイスしていきたいと考えています。今まで患者さんとお話ししたくても、どうしても私に時間の制約があり、ゆっくり対話する時間が取れませんでした。患者さんの健康意識を高められるような情報をもっと伝えていきたい、患者さんのお話を聞きたいという気持ちが強くなり、導入を決めました。
健康意識を高め自発的に口腔ケアできるようサポート
診療の際に心がけていることを教えてください。

疾患の原因を断つ前に治療を始めないように心がけています。例えば虫歯の場合、いきなり歯を削ったり詰めたりしても、その原因の菌はお口に残ったままですよね。当院では、まずは原因となる菌を減らすことを重視しており、口の中の環境を整えてから治療を始めることを基本にしています。歯周病の場合は、原因を取り除くこと自体が治療法になるだけでなく、予防にもつながります。そのため、患者さんに適切にブラッシングする方法や技術をお伝えし、実践していただいてから治療に入るんです。十分に予防するためには、3ヵ月に1回程度、歯科医院で歯のお掃除をするだけでなく、患者さんが自分で目標を決めて自発的にメンテナンスすることが重要。生涯にわたって適切なセルフケアを行っていけるよう、歯科衛生士が中心となって患者さんをサポートする体制を整えています。
スタッフさんとの関係も良いようですね。
スタッフは歯科医院の役割を全うするのに欠かせない存在です。患者さんのさまざまなご要望や状態に合わせたご対応をさせていただくのに、多くのことが必要となります。そのため、私やスタッフ同士のコミュニケーションとチームワークが非常に大切だと考えています。患者さんの小さな変化にこまやかに気づき、スタッフ間で共有、連携することで質の高い医療をご提供できるよう心がけています。定期的に院内セミナーを開催して、皆で接遇マナーなどについて学ぶようにも努めています。
今後の展望や読者に向けたメッセージをお願いします。

昨今、新型コロナウイルスをはじめとしたいろいろな情報が飛び交う中、何が正しい情報なのか見極め、自ら選択することが重要な時代となりました。私自身、患者さんのお口の健康を守るためにも、適切なセルフケアのために行えることなど、正しい情報を具体的にお伝えすることに力を入れていきたいと思っています。当院の唾液検査をはじめとしたさまざまな検査結果に基づいて、こまやかでパーソナルな予防対策法をお伝えできる体制をつくっていきたいですね。私たちは口から物を食べることによって、健康を維持しています。その入り口である口が不健康で、食べ物がうまく噛めなければ、せっかくの栄養素もうまく吸収されず、全身の健康もままならなくなってしまいます。いつまでも「健口」、つまり「健康な口」を維持することが大切です。当院で「健康の価値」を今一度考えてみませんか?
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング/2万5000円、オフィスホワイトニング/2万円、インプラント治療/35~40万円、唾液検査/1000円