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こちらの記事の監修医師
下北沢病院
院長 菊池 守 先生

ふしゅ 浮腫

概要

いわゆる「むくみ」の医学用語が浮腫です。何らかの原因で細胞と細胞の間の水が異常に増加し、体外に十分に排泄されずたまった状態のことをいいます。数キロの体重増加を伴うこともありますが、体の脂肪分が増える肥満とは異なります。足のすねなどむくんでいると思われる部分を強く押し、へこみが見られれば浮腫です。浮腫は心臓、腎臓、肝臓、甲状腺などのさまざまな疾患と関わりがあり、また薬剤の副作用による場合やリンパの流れが悪くなって発症している場合、乳がん・婦人科がんの術後の影響による場合もあるため、症状が気になれば放置せずに検査を受けることが大切です。

原因

浮腫の原因疾患として多いのは腎臓病であり、ネフローゼ症候群(血液中のアルブミンというタンパク質が尿へたくさん漏れ出て起こる病気)や腎不全などが挙げられます。心不全や肝不全などの全身疾患、甲状腺機能低下や深部静脈血栓症、下肢静脈瘤などホルモン・静脈の異常が原因となって生じる場合もあります。その他の原因としてはインスリン、ホルモン薬、抗うつ薬、抗がん剤(タキサン系)などの薬剤性による場合が挙げられます。またリンパ管の低形成・無形成によりリンパの流れが悪くなって起きる場合や、婦人科がんや乳がんの手術でリンパ節を切除したり、放射線を当てたりすることによって術後に浮腫が現れる場合もあります。これらが原因の場合は「リンパ浮腫」と呼ばれます。しかし、明らかな原因疾患がなくとも加齢に伴う筋力の低下や長時間同じ姿勢を取っていることなどによって生じる「特発性浮腫」もあります。

症状

足のすねを10秒以上強く指で押すと、へこみができて元に戻らなくなります。腎臓病が原因となって生じる浮腫は体の左右両側にこのような症状が表れ、最初はくるぶし付近に生じ、その後全身にむくみが広がります。ひどい場合は体重が10キロ近く増加することもあります。朝よりも夕方のほうが体重が増えていることが多く、尿の量が少なくなるのも特徴です。むくみが肺にも達すると呼吸困難を起こすこともあります。心不全、肝不全、甲状腺機能低下症、薬剤性浮腫の場合も同じく両方の足に症状が出ます。甲状腺機能低下症の場合は指で押さえても跡が残らないむくみが出るのが特徴です。深部静脈血栓症や下肢静脈瘤、リンパ浮腫の場合は、片側の足にのみむくみが出ることが多いです。

検査・診断

まずは問診・触診を行い、圧迫痕の有無などを調べます。そして血液検査でCBC、TP、ALb、肝機能、腎機能、電解質、CRP、ChE、甲状腺機能などの数値を調べ、必要に応じて胸部エックス線検査、造影CT、心電図、心エコー、下肢静脈エコー検査を行います。リンパ浮腫が疑われる場合はICG造影を実施します。浮腫にはさまざまな原因が考えられるため、適切な検査により原因を特定することが重要です。

治療

浮腫の原因となっている病気の治療が主体となります。浮腫そのものの治療としては、利尿剤を使って体にたまった過剰な水分を排出する方法などがあります。期間は症状や病気によって、短期間のみの場合もあれば長期間続ける必要がある場合もあり、さまざまです。腎臓や肝臓が原因で血液中のタンパク質が少なくなっている場合は、それに対する治療を中心的に行っていきます。薬剤が原因の場合は薬の変更を行います。また自宅で運動やリハビリテーション、マッサージ、ストレッチなどを取り入れてむくみを生じにくくしたり、姿勢や生活習慣を改善したりすることも有効です。弾性包帯や医療用圧迫ストッキングを使用した圧迫療法は最も簡便かつ効果が期待できる治療として有用です。

予防/治療後の注意

むくみは長時間同じ姿勢を取ることによって生じやすくなります。日頃から寝る前に両足を上げてぶらぶらさせる、足を上げて休ませるなどのセルフケアを行ったり、椅子に座った状態の時もつま先を上げ下げしたり、ふくらはぎをマッサージしたりして意識的にむくみの改善を図ることが大切です。むくみが気になる場合は、就寝時には足を少し高くして寝るようにしてみましょう。枕やタオルを置くのもいいですが、寝ている間に足元からなくなってしまう人が多いようです。膝下付近のシーツの下に、マットレス・布団幅の毛布や座布団を入れて、足元全体をかさ上げするのが良いでしょう。浮腫の症状には重篤な病気が隠れている場合もあるため、気になったらすぐに医療機関を受診することが重要です。

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こちらの記事の監修医師

下北沢病院

院長 菊池 守 先生

2000年、大阪大学医学部卒業。国内の医療機関に勤務した後、米国ジョージタウン大学創傷治癒センターに留学し、足病学に出会う。帰国後、佐賀大学医学部附属病院形成外科診療准教授を経て、同院の院長に。日本形成外科学会認定・形成外科専門医。形成外科で手術を手がける中で、なぜこの分野には診断学がないかと疑問を抱く。米国で足病医と出会い、傷だけでなく原因を治してゆく診断を基にした治療に関心を抱いたという。