全国のドクター9,026人の想いを取材
クリニック・病院 160,847件の情報を掲載(2022年5月22日現在)

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. 黄疸が出るの原因と考えられる病気一覧
  4. 急性肝炎
  1. TOP
  2. その他の病気一覧
  3. 急性肝炎
070

こちらの記事の監修医師
東京慈恵会医科大学附属第三病院
消化器・肝臓内科診療部長 小池 和彦 先生

きゅうせいかんえん急性肝炎

概要

慢性的に肝機能障害が起こる慢性肝炎に対して、急激に肝機能障害を引き起こしてしまうのが急性肝炎。主に肝炎ウイルスによって発症し、A型・B型・C型・D型・E型の5種類のウイルスが原因となります。中でも、A型・E型は急性肝炎、B型・C型は急性肝炎と慢性肝炎の原因に。D型はB型肝炎と重複感染した場合に発症します。他にも、医薬品や健康食品によって肝臓が炎症を起こす薬物性肝障害や、自己免疫性の肝炎も急性肝炎の一種。基本的に良好な経過が見込める病気ですが、まれに重症化することも。劇症肝炎、急性肝不全に移行した場合は、命を落とす危険性もある病気です。

原因

A型・B型・C型・D型・E型の5種類の肝炎ウイルスのいずれかに感染することが原因。A型E型肝炎は経口感染のため、ウイルスに汚染された水や氷、野菜、果物などを食べて感染することがほとんどです。さらに、A型肝炎は性行為による感染、E型肝炎はブタやイノシシ、シカなど野生動物の生肉を食べることによる感染も。E型肝炎は、肝炎ウイルスの中で唯一の人獣共通感染症と認識されています。一方、B型C型・D型肝炎は経口感染ではなく、血液や体液を介してウイルスが体内に入ることが原因です。具体的には、出生時の母子感染や、傷口への体液の付着、性行為、不衛生な器具による医療行為や入れ墨、ピアスの穴開け、静注用麻薬の使い回しなどが挙げられます。

症状

感染したウイルスの種類や患者の状態などによって、症状はさまざま。無症状、もしくは風邪のような軽い症状のまま自然治癒することもあれば、肝不全や多臓器不全などを引き起こして死に至ることもあります。一般的な初期症状としては、まずは発熱や全身のだるさ、頭痛などの風邪症状が現れるのが特徴。さらに、肝機能障害を起こしていることから、皮膚や白目が黄色くなったり、尿が濃くなったりする黄疸が見られます。黄疸が出た場合、同時に食欲不振や腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が出ている場合も少なくありません。なお、ウイルスの潜伏期間は3~8週間ですが、B型・C型肝炎の場合は約6ヵ月経過して発症することも。劇症化はB型肝炎に多く、D型肝炎を併発している場合はさらにリスクが高まることに。しかし、B型肝炎の患者がキャリアになることはあまりないのに対して、C型肝炎はキャリアになる可能性があります。その場合、慢性肝炎を発症し、将来的には肝硬変肝臓がんを引き起こす恐れも否定できません。

検査・診断

急性肝炎が疑われる場合、まずは血液検査を実施。ウイルスの種類を特定し、その後の経過や治療に役立てます。さらに、肝機能障害の程度を把握するために、黄疸と関連のある血液中のビリルビン濃度の上昇や、肝細胞内の酵素であるALTやASTの上昇などをチェック。必要に応じて、血液凝固能検査やアンモニア値の測定なども行い、重症度も診断します。

治療

C型肝炎を除き、急性肝炎は一過性の病気のため、自然治癒が期待できます。対症療法をメインに行いながら、安静に過ごして回復を図ります。まれに重症化した場合は、血漿交換や人工肝補助療法、肝移植などの治療が必要になるケースも。一方、C型肝炎の場合は急性期を経過した後に、慢性肝炎に発展してしまうことが多いです。そのため、内服薬による抗ウイルス療法を進めていきます。B型肝炎が悪化した場合も、抗ウイルス療法が有用であるとされています。

予防/治療後の注意

A型E型肝炎はウイルスに汚染された水や食品が原因となるため、アジアやアフリカ、中南米などの流行地域においては「水道水や氷入りのドリンクを避ける」「生野菜は食べない」などといった注意が必要です。E型肝炎は国内での動物由来の感染も確認されているため、レバーを含むブタやイノシシなどの野生動物の肉は十分に加熱してから食べるようにしましょう。また、B型C型・D型肝炎は血液や体液を介してウイルスが体内に入ることが原因となるため、「他人の血液には触らない」「不特定多数と性交渉はしない」「不衛生な器具で入れ墨を入れたり、ピアスの穴を開けたりしない」などといった対策も欠かせません。なお、現時点において、A型B型肝炎にはワクチンが開発されており、事前に接種することで予防が期待できます。

070

こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

消化器・肝臓内科診療部長 小池 和彦 先生

1990年東京慈恵会医科大学卒業。2006年より同大学附属病院の消化器・肝臓内科医長に就任。2012年に同大学附属第三病院へ赴任した後、2018年消化器・肝臓内科の診療部長に就任。医学博士。日本消化器病学会消化器専門医。