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こちらの記事の監修医師
東京都立小児総合医療センター
総合診療科部長 幡谷 浩史 先生

きりつせいちょうせつしょうがい(おーでぃー)起立性調節障害(OD)

概要

起立時にめまいや動悸、失神などが起きる自律神経の病気を「起立性調節障害」といいます。小学校高学年から中学校の思春期の子どもに多く、中等症や重症の場合、朝なかなか起きられないことから不登校につながることも。実際に不登校の子どもの約3分の2が起立性調節障害に悩まされているといわれています。自分の意思ではどうにもならない病気のため、保護者が起立性調節障害への理解を深め、適切な治療や生活習慣の改善に取り組んでいくことが大切です。そのほか、食欲不振や顔面蒼白、倦怠感などの症状が表れることもあります。なお、別名はOD(Orthostatic Dysregulation)といいます。

原因

自律神経の機能が低下し、循環器系の調節がうまくいかなくなることが原因です。通常、人は立ち上がるときに自律神経の一種である交感神経が働き、重力によって血液がたまってしまう下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持しています。しかし、この交感神経の働きがないと、心臓へ戻る血液量が減少し、血圧が低下・脳血流が低下してめまいや動悸、失神などの症状が引き起こされます。また、自律神経の機能が低下する要因としては、体の発育による自律神経の乱れや水分の摂取不足、運動不足、精神的なストレスなどが挙げられます。起立性調節障害に悩む患者の約半数に遺伝傾向があることもわかっています。

症状

「朝なかなか起きられない」、「立ち上がったときにめまいや失神が起こる」、「動悸や息切れがする」など、自分の意思ではコントロールできない症状が表れます。午前中に症状が強く出ることが多く、午後になると軽減もしくは消失していくのも特徴です。そのため、人によっては昼夜逆転生活になってしまうことも。顔面蒼白や食欲不振、頭痛や腹痛、倦怠感、乗り物酔いなどの症状が表れたり、精神的なストレスから症状が悪くなったりすることもあります。また、症状が悪化すると日常生活に支障を来し、集中力や思考力の低下や不登校などにもつながります。

検査・診断

起立性調節障害の症状が3つ以上、もしくは強い症状が2つ以上あり、鉄欠乏性貧血や心疾患、てんかんなどの神経疾患、副腎、甲状腺など内分泌疾患など別の病気を患っていなければ、起立性調節障害を疑い、新起立試験を行います。具体的には、起立時の血圧や脈拍などを測定し、起立性調節障害かどうかを見極めます。そのほか、「心身症としてのOD」チェックリストなどを用いて、学校や家庭のストレスが関与しているかどうかもチェックします。新起立試験の結果とともに、重症度を診断していきます。

治療

起立性調節障害は怠け癖ではなく,自分の意思ではコントロールすることができない体の病気です。保護者や学校など周囲の人が病気への理解を深め、患者をサポートしていくことが不可欠です。治療としては、薬物療法では効果が見込めない場合が多いため、まずは日常生活の改善から取り組みます。例えば、立ち上がるときは頭を下げてゆっくりと起立したり、できるだけ長時間の起立は避けたり、毎日30分程度のウォーキングを行うことで筋力低下を防いだりすることが有効だと考えられています。また、体の中で循環している血液量を増やすために、1日あたり2L前後の水分と塩分10gを摂ること、夜は元気になったとしても、早めの就寝を心がけることも効果的です。

予防/治療後の注意

精神的なストレスが影響している場合、まずはストレスを軽減・コントロールしていくことが大切です。保護者や学校など周囲の人が連携し、患者の日常生活をしっかりとサポートしていきましょう。「午前中がきつければ、午後から登校する」など、無理のない範囲で進めていくことがポイントです。軽症の場合、適切な治療を行うと早ければ2ヵ月程度で改善が見込めます。一方、不登校など重症の場合、通常の日常生活を送れるようになるまで数年かかるといわれています。

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こちらの記事の監修医師

東京都立小児総合医療センター

総合診療科部長 幡谷 浩史 先生

1992年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部小児科に入局。伊勢慶應病院、横須賀共済病院、川崎市立川崎病院にて一般小児科の経験を積む。1996年から都立清瀬小児病院腎内科に勤務し、2008年から総合診療科を兼任。2010年の統合移転に伴い都立小児総合医療センターの腎臓内科を担当。2014年には総合診療科を経て、2016年から現職。日本小児科学会小児科専門医。