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医療法人社団済安堂 井上眼科病院 井上 賢治 院長

こちらの記事の監修医師
医療法人社団済安堂 井上眼科病院
井上 賢治 院長

あれるぎーせいけつまくえん アレルギー性結膜炎

概要

体内に入った異物に対して体が過敏な反応を起こすことをアレルギーといい、結膜でこの反応が起きる病気をアレルギー性結膜炎と呼びます。目(結膜)は直接空気に触れるためさまざまな異物が入りやすく、それらがアレルギー反応を起こす原因物質(アレルゲン)となります。原因物質の代表的なものとしては花粉、ハウスダストなどが挙げられ、それらが結膜に触れるとかゆみ、充血、目やになどの症状を引き起こします。また激しいかゆみや角膜に白い混濁を生じる春季カタルや、コンタクトレンズの汚れが原因で発症する巨大乳頭結膜炎も、アレルギー性結膜炎の一種です。治療法や予防法は原因物質によって異なるため、まずは原因を特定して適した治療を行っていきます。

原因

アレルギー性結膜炎は、結膜にアレルゲンと呼ばれる原因物質が付着することによって発症します。原因物質としてはスギ、ブタクサ、ヨモギ、ヒノキなど植物の花粉や、ダニ、カビ、フケなどが混ざったハウスダストが代表として挙げられます。これらの原因物質が体に入るとマスト細胞が反応し、ヒスタミンなどの物質が過剰に分泌されることで神経や血管に作用し、かゆみなどのアレルギー症状が起こります。特に近年、通年性アレルギー性結膜炎の原因として注目を集めているのがハウスダストです。ハウスダストに含まれるダニは人のフケに集まる習性があり、人が長時間滞在するリビングや寝室、中でも絨毯やソファなどに多く繁殖します。また犬や猫など室内飼いのペットがいる場合も、毛やフケが多く落ちるためアレルギー性結膜炎を引き起こす原因となり得ます。またアレルギー性結膜炎の一種である巨大乳頭結膜炎は、コンタクトレンズに付着したタンパク汚れが原因となって発症します。

症状

一般的な結膜炎の症状である充血、目やに、涙目に加えて、目を強くこすりたくなるほどのかゆみがあるのが特徴です。目を激しくこすり過ぎると、痛みを感じたり、目にゴロゴロするような違和感が出たりするようになります。さらに充血が進むとまぶたが赤く腫れ、白目がむくんで水がたまったようなゼリー状になることもあります。花粉症の場合はこのような目の症状に伴い、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が出ることもあります。放置し続けると悪化する危険性があるため、かゆみを感じたら早めに専門の医師を受診することが大切です。

検査・診断

問診や視診で目のかゆみなどの自覚症状や、充血など客観的な症状を確認し、結膜の状態からアレルギー反応が起きていることがわかれば、おおよその診断がつきます。確定診断をするには、目やにの中に「好酸球」と呼ばれるアレルギーで出る炎症細胞があるかどうかを調べる方法や、血液中のIgE抗体の量を測定する方法があります。また血液検査や皮膚テストによって、アレルゲンを特定することも重要です。原因物質を特定することが、治療や予防のためには大いに役に立ちます。

治療

まずは抗アレルギー点眼薬を使い、かゆみや充血などの症状を抑えていきます。花粉が原因物質である場合は、その花粉が飛ぶ季節に症状が出やすいため、かゆみが出る前から点眼薬を使い始めることで、症状を軽減することができます。抗アレルギー点眼薬には、ヒスタミンの量を増やさないようにする「ケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬」と、ヒスタミンの作用を直に抑える「ヒスタミンH1受容体拮抗点眼薬」があり、これらは比較的副作用が少ないとされています。それでも症状が改善されない場合は、ステロイド点眼薬を使用することもあります。ステロイド点眼薬は眼圧が高くなる副作用があるため、継続使用する場合は定期的に通院し、眼圧をチェックしてもらいましょう。また点眼薬だけで症状が治まらないときは、抗アレルギー薬を内服する場合があります。最近ではアレルギーの原因物質に体を慣らして反応を起こさないようにするアレルゲン免疫療法も行われており、方法としては舌下免疫療法、皮下注射などです。

予防/治療後の注意

花粉がアレルゲンの場合は、花粉の飛ぶ季節に眼鏡や帽子を着用するなどして、できるだけ花粉が目に入らないように注意してください。花粉が多く飛ぶ日は洗濯物を外干ししない、外出したら家に入る前に服についた花粉を落とすなどの工夫も大切です。ハウスダストがアレルゲンの場合は部屋をこまめに清掃したり、布団のクリーニングを行ったりして清潔に保ちましょう。ペットの室内飼いは避け、なるべくアレルゲンに触れる機会を減らすようにしましょう。

医療法人社団済安堂 井上眼科病院 井上 賢治 院長

こちらの記事の監修医師

医療法人社団済安堂 井上眼科病院

井上 賢治 院長

1993年千葉大学医学部卒業後、1998年東京大学大学院医学系研究科修了。東京大学医学部附属病院分院(現在は本院に統合)眼科医局長、名戸ヶ谷病院眼科部長、井上眼科病院附属お茶の水・眼科クリニック(現:お茶の水・井上眼科クリニック)院長を経て、2008年に同院母体である医療法人社団済安堂の理事長に就任。2012年から井上眼科病院院長を兼務。日本眼科学会眼科専門医。