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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

てきおうしょうがい適応障害

概要

適応障害とはストレスが原因で引き起こされる感情や行動の症状によって、仕事や学業、家事育児を行うなどその人の社会的機能が大きく阻害されたり、困難になっている状態である。その人にとってはストレスに感じることが、他の人にはストレスではないこともあるように何をストレスに感じるか、ストレスにどのように対応するか、耐えられるかという耐性は人それぞれである。この場合のストレスとはその人にとって重大な生活上の変化や、ストレスが解決されないままストレスに満ちた生活や生活する中での出来事を指す。適応障害の誘因になるストレスは、PTSDと異なり、職場環境、学校での出来事や人間関係など日常生活で起こり得る状況である。

原因

適応障害はストレスによってその人の感情面や行動面にさまざまな症状が出て、生活が大きく障害されている状態であるが、ストレスとは嫌なことやつらいことだけを指すわけではない。ストレスとは外からの刺激に対して緊張した状態を指し、外からの刺激とは例えば天気や騒音、気温、火山などの環境による刺激、病気や疲労、睡眠不足などの身体が受けた影響、恐怖や不安、悩みなどの心の中で受けている影響、人間関係で悩んでいる、仕事で忙しい、学校で上手くいかないことがあるなどの社会生活による刺激などがあり、生活の中で起こるさまざまな変化がストレスを引き起こす。さまざまな変化は例えばクラス替えや進学、就職や転職、結婚や出産、引っ越しなど喜ばしいと思われる出来事も含まれ、これらもストレスを引き起こす原因となる。このような生活上の変化や、出来事がその人にとって非常に大きな出来事としてストレスになる。

症状

適応障害の症状は患者によってそれぞれ異なる。何をしていても楽しくない、興味がわかず、むなしい気持ちに支配される、イライラ感が募ったり、ものごとを悪い方ばかりへと考えてしまう、外出が面倒になったり、身なりを整える気力がわかないなどの意欲低下といった抑うつ気分、不安な気持ちや、焦ったりイライラする感情が募る焦燥感、緊張感が続く、という感情面の症状を訴える人が多い。また人によってはお酒を飲み過ぎてしまったり、暴食したり、会社に行けず無断欠席をしてしまう場合もある。人によっては無謀な運転をしたり、けんかをするなど攻撃的な行動が現れる場合もある。子どもの場合は、指しゃぶりをしたり、赤ちゃん言葉を作って甘えてくるなどの赤ちゃん返りをする人もいる。

検査・診断

適応障害の診断のおおむねの基準は、はっきりと感じる社会的なストレスによって引き起こされて3ヵ月以内に発症している。ストレスに対する症状が正常な範囲と予想されるよりも大きな症状である。社会生活や仕事、学業上に影響がある障害が出ている。うつ病や統合失調症など他にその症状を引き起こすような原因となる精神障害がない。ストレスが解消されれば6ヵ月以内に症状が改善する、という点が挙げられるがストレスが解決されずずっと続く場合は、症状も同じく続くことが多い。ヨーロッパにおける報告では人口の1%が適応障害になっているといわれている。

治療

治療の1つとしてストレッサーを取り除くことが挙げられる。例えば、暴言を繰り返す恋人から離れるために助けを求める、休職をして職場環境から一度離れるなどがこれにあたる。ストレスの原因が取り除ける、離れられるものであればこれが可能だが、自分の意志では変えられない場合は本人がその環境に合わせて行動や意識を変えて適応する力を高める方法もある。その場合は、出来事への考え方を修正したり行動の仕方を変えたりして気分のコントールを図る認知行動療法や、気分はあるがままにして建設的な行動に打ち込むよう導く森田療法が選択されることもある。また抱えている問題やそれによって引き起こされる症状について解決方法を見出していく問題解決療法という方法がとられることもある。

予防/治療後の注意

身体の健康と同じように、心の健康も早めに対応することが予防につながる。気持ちが沈んだり、イライラする気持ちが募る、よく眠れない、食欲がない、今まで楽しかったことが楽しく感じられない、疲れやすくなったなどの症状が出た時に早めに医療機関を受診するなどの対応が有効。適切な休暇を取ったり、気分転換を心がけてリフレッシュしたり、相談相手を持ったり、一つの人間関係に囚われずさまざまな人との関わりを持つなどのことが有用と言われている。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。