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こちらの記事の監修医師
医療法人社団緑成会 横浜総合病院
皮膚科部長 鈴木 琢 先生

たんじゅんへるぺす(たんじゅんほうしん)単純ヘルペス(単純疱疹)

概要

ヘルペスウイルスが皮膚、口、唇、目、性器などに感染して、液体で満たされた痛みを伴う小さな水ぶくれが現れる感染症。ヘルペスウイルスは非常に感染力が強く、水ぶくれに直接触れるだけでなく、ウイルスの付いた粘膜や皮膚と接触することによっても感染する。単純ヘルペスの1型は口唇ヘルペスや単純ヘルペス角膜炎、2型は性器ヘルペスの原因になることが多いが、1型・2型ともに体の広範囲に感染することもある。ヘルペスウイルスは感染すると症状が治まった後も体内に潜み続け、体の抵抗力が落ちると再び暴れ出すため、再発を繰り返すという特徴がある。

原因

多くは子どもの頃に自分では気づかないまま感染したヘルペスウイルスが、体の神経節に潜伏し続け、風邪や疲れ、ストレスなどで体の抵抗力が落ちたときや、外傷、強い紫外線などに誘発されて再び暴れ出すことで症状が現れる。ヘルペスウイルスが潜伏している人の割合は年齢が高くなるにつれて多くなり、70歳以上はほとんどの人が感染しているというデータもあるが、無自覚のままの場合もある。また、大人になってから初めてヘルペスウイルスに感染すると、一般的に症状が重くなりやすいといわれている。単純ヘルペスウイルス1型は口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎、小さな水ぶくれが多発して高熱が出るカポジ水痘様発疹症、2型は性器ヘルペス、臀部ヘルペス、ヘルペス性髄膜炎などの原因になることが多いが、感染力が高いため、体のどこにでも感染して痛みを伴う水ぶくれを生じさせる。

症状

皮膚、口、唇、目、性器などの違和感・かゆみ・ムズムズ感といった自覚症状が始まってから半日程度で赤く腫れ、さらに2~3日後に痛みを伴い液体で満たされた小さな水ぶくれなどの症状が現れる。口唇ヘルペスでは、普通は1ヵ所に水ぶくれができる。初めて感染したときは、多くの場合で無症状だといわれているが、ウイルスに対して免疫を持っていないため、高熱などの全身症状を伴う場合もある。また、女性に多い性器ヘルペスの場合、水ぶくれのほかに赤いブツブツや皮膚のただれなどもみられ、初めて感染したときには、排尿や歩くことが困難になるほどの強い痛みと発熱が伴うことも多い。いずれも再発した場合は、小さな水ぶくれができるだけの軽い症状で済むことが一般的だ。2週間ほどでかさぶたができて症状は治まってくる。

検査・診断

皮膚の症状から判断できることがほとんどだが、帯状疱疹や毛嚢炎などが疑われる場合や、分娩時の母子感染を避けるために確実な診断が必要である場合などは、患部の水ぶくれから採取したサンプルを検査室で培養してウイルスを特定させたり、顕微鏡で調べたりすることで、単純ヘルペスウイルスによる症状かどうかを確定させることがある。また、初めての感染かどうかを判定するために、血液中のウイルス抗体を検出する感染症免疫学的検査を用いることも。さらに、脳への感染が疑われる場合は、MRI検査に加えて、髄液のサンプルを注射針で吸い出す腰椎穿刺を行う。

治療

治療の基本は、ウイルスの増殖を抑えるための抗ウイルス薬を、内服もしくは点滴で全身投与すること。そのため、理想的には水ぶくれが現れる前であるウイルスが増えている症状が出始めた時期に、なるべく早く治療をスタートするのが効果的だ。必要に応じて痛み止めを使ったり、発疹の広がりに合わせて外用薬などを用いたりする。口唇ヘルペスや性器ヘルペスを再発して症状が軽い場合は、水ぶくれができている場所をせっけんと水で優しく洗い、清潔にすることで水ぶくれが治まることも。ヘルペスの症状が現れるときは抵抗力が落ちているため、治療と並行して、無理をせず安静にすることも重要。抗ウイルス薬は神経節に潜んでいるウイルスに対しては効果がなく、単純ヘルペスウイルス感染症を根本的に治す薬は今のところないため、再発を防ぐ意味でも休息は大切だ。

予防/治療後の注意

水ぶくれにはウイルスが入っているため、水ぶくれを破ると手にウイルスがついて、ほかの場所に水ぶくれがうつる原因になるので注意が必要だ。また、水ぶくれに触れた指でコンタクトや目に触れると、失明する危険性がある角膜ヘルペスにつながることがあるので、患部に触れた後はしっかりと手を洗うことを徹底する。また、体の抵抗力が落ちると再発しやすくなるため、ストレスや疲労をためない生活を送ることも大切だ。また、紫外線もヘルペスを誘発される要因になるため、日焼け止めや帽子などで、紫外線対策を心がける。

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こちらの記事の監修医師

医療法人社団緑成会 横浜総合病院

皮膚科部長 鈴木 琢 先生

1998年東邦大学卒業。専門である帯状疱疹の診療を中心に、それに付随する帯状疱疹後神経痛による痛みのケアまでカバーしている。日本皮膚科学会皮膚科専門医。