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こちらの記事の監修医師
アレルギー呼吸器科部長 黨(とう)康夫 先生

はいえん肺炎

概要

主に細菌やウイルスに感染することにより、肺の中を通る気管支のさらに先にある肺胞という部位が炎症を起こす病気。風邪と似た症状だが、呼吸困難や入院が必要になるほど重症化することもあるので、注意が必要。薬剤やアレルギーが原因となることもある。発症する原因によって細かく分類されており、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎などの非定型肺炎(βラクタム系の抗菌薬が効かない菌による肺炎の総称)などがある。また、細菌やウイルス以外の原因によって起こるものとして、誤嚥(ごえん)性肺炎や過敏性肺炎、好酸球肺炎などがある。

原因

肺炎が起きる原因の多くは、細菌感染によって引き起こされる。原因となる菌はさまざまあるが、その中でも一番多くみられるのが肺炎球菌によるもの。また、インフルエンザのようなウイルスや、クラミジアなどの微生物でも発症する他、マイコプラズマ、ストレプトコッカス、黄色ブドウ球菌などによる感染が主な原因として挙げられる。こうした菌やウイルス類が、口や鼻から体内に入ると、喉から気管支を通り、最終的に肺胞まで到達して肺炎が引き起こされる。特に体力が低下して免疫力が落ちている時に感染しやすく、糖尿病などの慢性疾患を持つ患者は気をつける必要がある。この他、高齢者によく見られるのが誤嚥(ごえん)性肺炎で、これは、食べ物や飲み物を飲み込む力が衰えることが原因となる。その結果、飲食物や唾液が気管に入り込んでしまい、そこに含まれていた細菌から肺炎が起きやすくなる。

症状

高熱や胸の痛み、激しい咳、息切れ、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音がする喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる症状が主として現れる。重症になると呼吸が速くなったり、呼吸困難になって、酸素吸入が必要になるケースもある。また細菌性肺炎では、黄色や緑色のたんが出ることが多い。症状は風邪と似ているが、高熱と激しい咳が1週間近く続いたり、呼吸が苦しいといった症状がみられたりする場合は、肺炎の可能性があるので医療機関を受診したほうがよい。ただし、高齢者ではこうした症状が出にくい場合もあり、気づいた時には重症化していることも少なくない。

検査・診断

まずは聴診を行い、肺炎に特徴的な雑音があるかどうかを確認する。この後、確定診断のために、胸部エックス線検査を行い、肺に炎症が起きているかどうかを調べる。肺炎特有の白い影が認められた場合は、肺炎と診断される。場合によっては、併せてCTによる検査を行ったり、炎症の程度や血中の酸素量を調べるために血液検査を行う。この他、原因となっている細菌を調べるための迅速検査や、吐き出したたんを培養する検査が行われることもある。原因菌などが特定できないときや、重症度が高く緊急を要するときは、肺組織の病理検査を行うケースもある。

治療

原因となっている細菌やウイルスに対して抗菌薬を用いる。一部の抗菌薬に耐性があるマイコプラズマ肺炎など、どの薬剤を投与するか吟味が必要な肺炎もある。また、抗菌薬が効かないウイルス性肺炎などには、発熱や咳、たんなどを抑えるための対症療法を実施する。若年層で他に疾患を持っていない患者であれば、通院治療で対応するケースもあるが、重症の場合や小さな子ども、高齢者などでは、基本的には入院しての治療が推奨されることが多い。これは薬剤が効き、状態が安定するまでの経過を見る必要があったり、脱水などの症状を確実に改善する必要があるため。誤嚥性肺炎の場合は、絶飲や絶食をした上で治療を行う必要がある。糖尿病や慢性腎臓病など、慢性疾患を持っている患者は、肺炎により病状が悪化する場合もあるので、抗菌薬を投与するかどうかよく見極めながら治療を行う必要がある。

予防/治療後の注意

日頃から手洗いやうがいを徹底し、規則正しい生活習慣を意識するなど、まずは細菌やウイルスへの感染を予防することが重要。また、肺炎球菌やインフルエンザウイルスに対するワクチン接種を受けることも予防につながる。誤嚥性肺炎を防ぐためには、食事の際にゆっくり時間をかけ、少量ずつ食べたり、おしゃべりしながら物を食べない、といったことを心がけたい。肺炎による死亡者の大多数は65歳以上のため、特に高齢者は日頃から感染しないよう気を配ることが大切。

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こちらの記事の監修医師

同愛記念病院

アレルギー呼吸器科部長 黨(とう)康夫 先生

1991年佐賀医科大学卒業。国立国際医療研究センター、東京大学、都立駒込病院、英国インペリアルカレッジ留学を経て2008年より現職。専門領域の講演・論文多数。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。