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こちらの記事の監修医師
荻窪病院
村井 信二 病院長

たんせきしょう胆石症

概要

胆のうや胆管に石(結石)ができることで生じる、痛みをはじめとするさまざまな症状の総称で、特に症状がないものも含めて胆石症と呼ぶ。胆石は、できる場所によって3種類に分けられ、胆のうにできる胆のう結石、消化液の胆汁が通る胆管にできる総胆管結石(胆管結石)、肝臓の中にある胆管にできる肝内結石(肝内胆管結石)がある。このうち最も多く見られるのは胆のう結石で、次いで総胆管結石、肝内結石は発症頻度としてはまれ。さらに胆石を構成している成分も、コレステロール、役目を終えた赤血球が壊れる際にできるビリルビンという成分、カルシウムがあり、コレステロールだけでできているものもあれば、コレステロールとビリルビンが混ざったもの、ビリルビンとカルシウムが混ざったものなどさまざまある。

原因

胆汁は水分、コレステロール、ビリルビンのほか、胆汁酸やレシチンという成分などからなっており、食べ物の消化に備えて一時的に胆のうにためられている。そして食事の刺激を受けると胆汁から水分が吸収され、5~10倍に濃縮される。胆石は、この過程において濃縮する成分に偏りが出たり、細菌に感染したりすることによって、胆汁が結晶化してしまうことによってできる。そもそもの原因としては、もともとの体質のほか、大腸菌の感染、赤血球が破壊されることで起こる溶血性疾患、肝硬変、食物繊維やタンパク質が少なく脂質や糖質が多い食事、それに伴う肥満などと考えられており、コレステロールを成分とする結石(コレステロール結石)が最も多く見られる。また加齢とともに発症率は高まる傾向にあるため、中高年以上の発症が多く、コレステロール結石は特に中年以降の肥満の女性にできやすい。

症状

自覚症状がまったくない人もいるが、右側の肋骨の下辺りやみぞおちに感じる激しい痛みが特徴的な症状。右側の肩や背中の痛み、人によっては腰痛やへその上付近の痛みを伴うこともあり、数十分から数時間にわたって続いて、そのうちに落ち着く。食後や夜間に起こることが多く、特に脂っこい食事を取った後は注意が必要。また胆のうに炎症が起こると、吐き気や嘔吐、38度以上の高熱といった症状も見られる。さらに、胆石が胆管に詰まったり、胆のうの炎症が進んで腫れることにより、胆管を圧迫したりすると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸や肝機能障害を引き起こすこともある。

検査・診断

診断は主に、血液検査と画像検査によって行う。血液検査では炎症の反応を診るほか、肝臓から出る酵素の値を調べて肝機能の状態を調べる。この酵素の値が高い場合は、胆管結石がある疑いが強まる。画像検査は、腹部超音波(エコー)検査、CT検査、内視鏡を使って胆管に造影剤を入れ、エックス線撮影を行う内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、MRIを応用して造影剤を使わずに胆管や膵管の状態を確認できるMRCP検査などがあり、胆石の有無や位置、大きさなどを詳しく確認する。なお、胆石の種類に応じてより適切な検査方法が異なり、超音波検査は胆のう結石、CT検査は総胆管結石や肝内結石の診断に優れているといわれる。

治療

胆のう結石に対しては、腹腔鏡手術にて胆のうを摘出することが基本となる。臍部を含む腹壁に4~5箇所の穴を開けて、臍部から挿入されたスコープにて、腹腔内をモニター画面に描出しながら、別の穴より鉗子と呼ばれる専用の器具を挿入して、胆のう摘出を行う手術が一般的である。最近では、臍部だけの1箇所の穴から、手術を施行する事も可能となった。一方開腹手術は、以前に胃や腸の手術を受けたことがあったり、胆のうの炎症や癒着が強かったりする場合に行われることが多い。総胆管結石に対しては、胆のうを摘出するだけでは不十分であり、胆のう摘出に加え、胆管の結石の摘出が必要になる。胆管の結石に対しては、口から十二指腸まで内視鏡を入れ、胆管の出口となっている部分を広げて胆管内の結石を取り出す方法が一般的である。肝内結石の場合は、皮膚から肝臓内の胆管にチューブを挿入し、胆管鏡を使って肝内胆管の結石を摘出する方法がある。また、手術にて、胆石がある部分の肝臓を切除する方法がある。このほか、薬で胆石を溶かす治療もあるが、胆石の成分によっては効果が期待できず再発の可能性も高い。

予防/治療後の注意

コレステロールなど脂肪分の多い食事、それに伴う肥満、糖尿病、脂質異常症といった疾患は胆石症の大きなリスクになる。そのため、栄養バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、規則正しい生活を送ることが予防する上で大切。豆類や昆布、わかめ、果物、大麦などに含まれる水溶性の食物繊維はコレステロールの吸収を抑える働きがあり、積極的に摂取すると良いといわれる。また早期発見のために、定期的に健康診断を受けることも重要となる。

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こちらの記事の監修医師

荻窪病院

村井 信二 病院長

1987年東海大学医学部卒業。千葉大学大学院分子腫瘍病理学講座修了。慶應義塾大学医学部客員教授。専門は消化器外科(胃・大腸)、肝胆膵外科、内視鏡外科。2009年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。消化器外科手術など、診療の前線でも活躍している。