爪は切らずに伸ばしながら行う
患者の症状に合わせた巻き爪治療
中野整形外科・運動器リハビリテーションクリニック
(尼崎市/杭瀬駅)
最終更新日:2021/11/30
- 保険診療
- 自由診療
爪の端が内側に巻き込まれた状態となり、痛みが生じてくる巻き爪。痛みのせいで姿勢や歩き方が変化し、膝や腰の痛みにつながることもあるそうで、ひどい巻き爪は早期の治療が大切となる。巻き爪治療は形成外科や皮膚科がメインだと思いきや「整形外科でも治療できる」と話すのが、「中野整形外科 運動器リハビリテーションクリニック」の中野元博先生。大学の整形外科医局に勤務していた時代は「手術が大好き」だったそうだが、ある考え方と出会って爪のトラブルに関しては手術方法を採らない決心をしたそう。そんな中野先生が取り組む巻き爪治療も、手術は行わないで行うのだとか。主には4つの治療法を駆使し、必要であれば組み合わせて施術するという同院の巻き爪治療について、詳しく聞いた。
(取材日2020年12月3日)
目次
切るだけでは解決は難しい。手術を行わないことにこだわった巻き爪治療
- Q巻き爪の治療は、整形外科でも受けられるのですか?
-
A
肩や腰、膝などの治療で来られる患者さんからも「巻き爪の治療もしているの?」と驚かれます。巻き爪というと、大抵の方は形成外科や皮膚科を思い浮かべると思いますが、当院のように整形外科クリニックでも治療していることを、もっと広く知ってもらいたいですね。当院では主に4つの方法で治療を行っています。私が巻き爪の治療に興味を持ったのは2005年頃、ある患者さんとの出会いがきっかけでした。爪の周囲が皮膚に食い込んでいる状態で、食い込んでいる部分を切って処置していたのですが「爪の幅がだんだんと狭くなる」と言われて。それからさまざまな治療法を探しましたね。
- Qなぜ巻き爪になるのでしょう? 特徴や傾向はありますか?
-
A
実は、原因というのはよくわかっていないのです。ただ傾向としては、爪を短く切りすぎる人が多いように思います。中には爪先が伸びて白い部分が増えるのが許せなくて、どんどん切り込む方も。手の爪は短くしてもあまり問題は起きないかもしれませんが、足は注意が必要です。足の爪は皮膚を押さえる役割もありますから、上から押さえるものがないと歩行中に下から突き上げられて、皮膚が盛り上がってきてしまうのです。そこで爪の先が巻いていたり、変な形をしていたりすると、皮膚に刺さるなどして痛みを感じます。足の爪は短く切りすぎないことが重要ですね。
- Qこちらでは、どんな治療が受けられますか?
-
A
主に4つの治療法があります。1つ目は、曲がった爪の2ヵ所に穴を開け、弾性ワイヤーを通して、ワイヤーの元に戻ろうとする力を利用して爪を矯正していく弾性ワイヤーを用いた方法。2つ目は、アクリル樹脂で人工爪を作り、患部に爪が食い込まないように処置する方法。3つ目は、やわらかなシリコン製のチューブを爪に装着する方法。4つ目はフック式ワイヤーをかけて曲がった爪を持ち上げて矯正する方法です。これらの治療を患者さんの状態に合わせて組み合わせることもあります。
- Q治療期間はどのぐらい必要ですか?
-
A
来院当日に施術して完了という場合も、7〜8ヵ月かけて爪の構造自体を変えていく場合もあります。爪が短くなって皮膚が盛り上がり痛みのある方は、人工爪やワイヤーで盛り上がりを押さえて、だんだんと爪が伸びてくるのを待つので、治療には少し時間がかかります。当院では、患者さんの主体性を大事にしたいので「こうしなさい」は、あまり言わないようにしています。さまざまな道がある中で、この道を行くとこういうふうになるけれど、どれがいいですか?というのが進め方の特徴です。処置に集中するため、午前診と午後診の間で時間枠を設けています。「その日のうちに施術したい」という方は、あらかじめ電話での予約が必要です。
- Q適切な来院のタイミングは?
-
A
悩んだり、痛いと感じたらすぐ来てください。「放っておいていいのかな?」と、ネットで検索する前に、来院していただくことをお勧めします。巻き爪で悩む多くの方は、痛いと感じる場所を自分で短く切ってしまわれるようです。小さなニッパーを爪の奥まで差し込んで、器用に切り込まれたりされるのですが、状態をさらに悪化させていることが多いのです。とはいえ、手術で爪を根元まで切ってしまうと後戻りはできません。まずは、後戻りができるようなことから考えてはどうでしょう。ワイヤーや人工爪で矯正する手法は、施術をやめれば元に戻せます。後戻りができないことは、一番最後にとっておいて、当院にご相談していただけるとうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤーを用いた治療(方法に関わらず):1万5000円~