痛みに配慮し、精密かつ丁寧に行う
胃・大腸の内視鏡検査
本庄医院
(神戸市灘区/王子公園駅)
最終更新日:2025/01/08


- 保険診療
内視鏡検査とはカメラがついた管を消化管内に挿入し、内部の状態を確認する検査のこと。がん以外にも、逆流性食道炎や胃潰瘍、過敏性腸症候群など、幅広い消化器疾患の診断に役立つ検査だ。しかし必要性は理解しつつも、痛みなど検査にネガティブなイメージがあって、受診をためらう人も多いだろう。「本庄医院」の山東功佳先生はそのイメージを払拭すべく、15年以上にわたり患者の負担が少ない内視鏡検査を追求してきた。丁寧な操作で検査時に痛みが出ないよう注力する他、希望に応じて鎮静剤も使用する。また「働き盛りの方が検査を受けるハードルを下げたい」と胃・大腸の同日検査にも対応。大腸内視鏡検査ではポリープを可能な限り切除し、同院だけで治療まで完結できるように努める。山東先生に内視鏡検査の流れなどを解説してもらった。
(取材日2024年12月12日)
目次
苦痛の少ない内視鏡検査を追求し15年以上。総合病院で培った技術で大腸ポリープもできる限り切除する
- Q消化器内視鏡検査について教えてください。
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A
▲消化器内視鏡検査について詳しく説明する山東先生
消化器内視鏡検査には胃と大腸の2種類があり、それぞれ胃カメラ・大腸カメラと呼ばれています。当院では、胃内視鏡検査では胃だけでなく咽頭から食道、十二指腸の一部まで、大腸内視鏡検査では大腸を中心に小腸の末端である回腸から肛門周辺までをしっかりと診ていきます。初期には自覚症状が少ない消化器疾患の早期発見を目的としており、胃がん・食道がん・大腸がんのほか、胃内視鏡検査では胃炎・逆流性食道炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など、大腸内視鏡検査では大腸ポリープ、炎症や出血の原因となる憩室の有無、潰瘍性大腸炎、痔核の診断にも有用です。まれにクローン病といった炎症性腸疾患が見つかることもあります。
- Q内視鏡検査はどのような方が受けるべき検査でしょうか?
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A
▲検査後は実際に撮影した画像をもとに丁寧に説明を実施する
食欲がない、おなかが痛い、ムカムカする、血を吐いた、血便や変な色の便が出たなど、些細なものでもおなかに症状がある方には受けてほしいですね。大腸内視鏡検査は、最近多い過敏性腸症候群の原因を探る上で助けになる検査でもあります。ただ、何も症状がなくても、がんの罹患率が上昇しだす35歳ぐらいに胃・大腸とも内視鏡検査を受けてほしいですね。特に消化管のがんが多い家系の方は検査をお勧めします。症状が出てからの検査では手遅れになる疾患も多いからです。受けてみて胃にピロリ菌の感染歴がない、大腸ポリープがないと確認できれば、その後は3年に1回など、医師の指示どおりの頻度で受けてもらえればと思います。
- Q胃内視鏡検査の流れやピロリ菌の除菌について教えてください。
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A
▲ブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気の内視鏡検査室
固形物は前日の夜9時まで、水分は水やお茶など糖分が含まれていない透明な飲み物であれば、検査直前まで適量飲んでいただけます。当院では経鼻と経口の2種類のカメラを用意しており、鎮静剤の使用も可能です。経口の場合はカメラが舌の根元を通るので、咽頭反射が起こりやすくなります。反射が強い方は経鼻か鎮静剤の使用をお勧めしています。鼻か喉の麻酔をし、ご希望に応じて鎮静剤を注射後、カメラを挿入します。検査自体は5~10分。胃の状態からピロリ菌の感染が疑われたら、その日中もしくは後日に判定検査をします。検査でピロリ菌の感染が確定すると、ご相談の上、治療に進みます。治療は確立した手順どおりの内服治療となります。
- Q大腸内視鏡検査の流れやポリープの切除について教えてください。
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A
▲患者の負担をなるべく抑えられるような検査を心がけている
検査前の問診で重い便秘の有無を確認します。便秘の原因によっては、検査に必要な腸管洗浄液を飲むことで腸閉塞などを引き起こす危険性があるからです。特に問題がなければ、前日は夕飯を9時までに済ませて、寝る前に下剤を、そして当日の朝には腸管洗浄液を飲んでいただき、便が透明になれば準備完了です。洗浄液を飲むのに不安がある方は、院内にあるトイレつき個室で服用・待機していただくこともできます。検査で大腸ポリープが見つかった場合、切除する器具に入る大きさであれば、勤務医時代に培った技術を生かしてできる限り切除しています。検査時間は15分程度、ポリープの切除があった場合でも30分以内に終わることがほとんどです。
- Q内視鏡検査の苦痛を軽減するため、どんな工夫をされていますか?
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A
▲シックな雰囲気で統一された2階には、個室の前処置室も完備
まずは丁寧なカメラ操作ですね。内視鏡検査は、声かけをしながらきめ細かい操作をすれば、鎮静剤を使用しなくてもあまり苦痛がないんですよ。操作が細かくなる分、検査時間はかかります。しかし、数分延びるくらいなので、苦痛を最小限に抑え見落としがないようにゆっくりと診ていきます。大腸内視鏡検査で鎮静剤を使わない時は、患者さんとカメラ画像を一緒に見て「ここにポリープがあるよ」などと説明しながら検査を進めることも可能です。また、若い方にも気軽に内視鏡を受けに来てほしいと思い、検査室がある2階全体を、クリニック感を抑えたおしゃれな内装にしたんですよ。検査室も照明を暗めにして、落ち着ける雰囲気にしています。