本庄 友行 先生、山東 功佳 先生の独自取材記事
本庄医院
(神戸市灘区/王子公園駅)
最終更新日:2024/07/04
阪急神戸本線の王子公園駅からすぐ。1951年から3代続く「本庄医院」は、地域のかかりつけ医として幅広い診療を提供する内科・循環器内科のクリニックだ。2021年からは本庄友行先生が中心となり、さまざまなリニューアルを行いながら地域のニーズに応えてきた。そして2024年春、診療フロアを2階まで広げ、心臓リハビリテーションと消化管内視鏡検査のスペースが同時にオープン。消化器内科の医師の山東功佳先生が常勤医として加わり、同院の診療の一翼を担うことになった。中学時代からの旧友という本庄先生と山東先生。互いに強い信頼で結ばれる両医師に、新体制としてスタートを切った医院の診療の特徴や、今後に向けた抱負などをじっくりと聞いた。
(取材日2024年3月19日)
診療スペースを2フロアに拡大し新たなステージへ
今回のフロア拡大の経緯をお聞かせください。
【本庄先生】当院はビルの1階で診療を続けていましたが、すぐ上の2階にあった医院が閉院され、空いたスペースで何かをやろうと考えたのがそもそもの始まりです。以前から取り組みたかった心臓リハビリにあてるのは即決だったものの、それだけでは広すぎますし、2フロアを私1人で運営するのは困難です。そこで旧知の仲である山東先生に参画をお願いしたところ二つ返事で快諾をもらい、結果的には2階の半分が私の心臓リハビリ、半分が山東先生の内視鏡検査と、それぞれの専門性を生かしたスペースに分割することにしました。山東先生には常勤医師として診療に加わってもらう運びとなりました。循環器の専門診療と消化器の専門診療・内視鏡検査が併存する街の医院は非常に珍しいと思いますが、地域の皆さんのニーズにさらにお応えできる医院に進化したと自負しています。
両先生は学生時代からのご友人だそうですね。
【山東先生】本庄先生と私は中学・高校の同級生で、同じ軟式野球部に在籍していたこともあり、友人として気心が知れた間柄です。私は北九州市にある産業医科大学に進学し、卒業後は消化器内科に入局しました。関連病院を転々とした後、地元に戻って神戸労災病院に15年以上勤めました。以前から本庄先生は、私と顔を合わせるたびに「そろそろ一緒にやらない?」と声をかけてくれたものです。たぶん冗談だろうけれど、本当にできればいいなと思っていました。このタイミングで真剣に誘っていただいたのは私にとってたいへん光栄なことで、今も感謝でいっぱいです。
増床部分では、どのような空間をめざしましたか?
【本庄先生】せっかくの新装ですから、誰もが快適に利用できるスペースを目標としました。山東先生とかなり時間をかけてアイデアを出し合い、空間ごとにコンセプトを決め、クリニックとは一線を画したおしゃれで快適な空間を作り上げたつもりです。ぜひ一度見学を兼ねてお越しください。ちなみに私の専門は循環器疾患ですが、地域に根差したかかりつけ医として当院の診療は内科全般に及びます。管理栄養士による食事のアドバイスや、臨床検査技師による超音波検査などの諸検査も行っています。そこに心臓リハビリや、山東先生の消化器診療と内視鏡検査が加わり、提供できる医療の幅が大きく広がりました。近隣病院との密接な連携体制も当院の強みですので、日々の風邪や腹痛から生活習慣病、狭心症や心不全などの心臓病まで、気軽に頼っていただければと思います。
2人の内科の医師がそれぞれの専門性を生かしきる
山東先生が担当する内視鏡検査について教えてください。
【山東先生】私の専門は消化器内科ですので、胃や大腸の内視鏡検査以外にも肝臓・胆嚢・膵臓まで広く携わってきました。勤務医時代は他院からの紹介で行う内視鏡治療が中心でしたが、当院においては病気を早期発見し早期治療につなげることを最大の目的としています。近年では若い方の消化器系がんも増えていますから、安全に配慮した快適な内視鏡検査を皆さんに提供することが何より大切と考えています。
【本庄先生】山東先生は院長である父からの信頼も厚く、山東先生が病院勤務の時は、消化器疾患の患者さんのほぼすべてを紹介していました。おかげで当院の患者さんの多くも山東先生のことを以前からご存じで、ここに迎えたことを非常に喜んでくれています。
心臓リハビリは本庄先生の専門領域ですね。
【本庄先生】心臓リハビリは、心臓病の改善や再発予防のための有用な治療法の一つです。私は勤務医の時、心臓リハビリに情熱を注いで取り組んでおりました。ところが、この近辺には外来心臓リハビリを提供するクリニックや病院が少ないため、心不全や心筋梗塞、狭心症などの患者さんが安心して通える心臓リハビリ施設の必要性を以前から強く感じていました。そのため、当院では、かかりつけの患者さんだけではなく、地域の心臓病の患者さんに対する心臓リハビリも積極的に行っていきたいと考えています。心臓リハビリでは、私以外に担当看護師を2人配置し、安全性も十分に配慮していますので、心臓病があり運動やリハビリに興味のある方は、ぜひご相談ください。楽しく!元気に!を目標に、長く継続できるようなリハビリの提供を今後もめざしていきます。
本庄先生はスポーツ内科にも注力しているとお聞きしました。
【本庄先生】私が循環器内科医をめざした原点がスポーツ医学への関心でした。私は、当院以外に、木曜日と金曜日の午後に別施設でもスポーツ内科の外来を担当しています。スポーツ内科では、アスリート、運動部の学生さんやスポーツを愛好する方々を、内科診療でサポートしています。スポーツの世界にはいろいろなご縁や出会い、そしてドラマがあります。引き続き、いろいろなつながりを大切にしながら、スポーツに関わる皆さまを全力でサポートしていきたいと思っています。
地域のニーズに応える医療を全力でめざしたい
両先生にとって、お互いはどのような存在でしょうか?
【本庄先生】正直、私にとって山東先生は医師というより友人。ただ、私が知っている人物像どおりの評判を患者さんから聞くんです。人に対して裏表がなく、誰に対しても誠実に向き合う人柄と思います。消化器内科診療に関しては特に信頼を寄せていますので、私も肩の荷を一つ下ろすことができ、自分が専門とする診療に集中できるのは非常にありがたいですね。
【山東先生】私も昔からの友人という感覚は同じですが、彼は学生の頃から優秀で、それでいて患者さんファーストなところがとても尊敬できます。また、意志の強い人だと思いますね。彼にはおそらく一生勝てないでしょうが、互いに腹を割って話せる間柄です。2人で力を合わせれば良い結果を導き出せると信じています。
診療で心がけていることをそれぞれ教えてください。
【本庄先生】当院には父が掲げてきた「患者さんに対し、やさしくて会話のあるクリニック」というモットーがあります。特に心がけているのは、しっかりお話を聞いて、しっかり説明して差し上げること。それは今後も胸に刻んでいたいと思っています。ここに来てくださった皆さんに、責任感を持って全力で診療に向き合っていく覚悟です。
【山東先生】まずは内視鏡検査で患者さんに「つらかった」と言わせないこと。そして本庄医院の名を汚すことなく、100%の力を出しきって患者さんの期待に応えていくこと。この2つを強く心がけたいです。それがこれからの当院の実績となっていくことを願っています。
将来に向けて、さらなる展望があればお聞かせください。
【本庄先生】当院は訪問診療も行っており、かかりつけの患者さんだけではなく外部からの依頼にも応じています。患者さんの懐に飛び込んでいくような山東先生の明るい性格と誠実な姿勢は訪問診療に向いていると確信しています。今まで私1人ではできることが限られていたのですが、これからの本庄医院の訪問診療は、さらにパワーアップして、より皆さまに寄り添った医療を提供できると考えています。山東先生と力を合わせることで、1+1=2ではなく、3にも4にもなると信じています。また、通常診療に関しても、総合病院のようなクオリティー、あるいはそれ以上の医療が提供できる可能性を想像して、今からわくわくしています。今後もさまざまなアプローチで地域をサポートしていきたいと考えていますので、新たなスタートを切った当院にどうか期待してください。