鎮静剤を用いて同時受診も可能
苦痛に配慮した胃・大腸内視鏡検査
じんないクリニック
(茨木市/茨木市駅)
最終更新日:2021/11/12


- 保険診療
消化器疾患を早期発見する上で役立つ、胃・大腸の内視鏡検査。胃カメラとも呼ばれている上部消化管内視鏡検査では、胃がんや逆流性食道炎、胃潰瘍といった病気を、大腸内視鏡検査では大腸がんや炎症性腸疾患などの病気を確認していく。しかし、検査に対するマイナスイメージや恐怖心から、なかなか受診に足が向かないという人も多いという。茨木市にある「じんないクリニック」では、鎮静剤を用いた胃・大腸内視鏡検査を実施し、場合によっては同日に両方の検査を行うなど、患者の苦痛を軽減するよう努めている。また、週に2回は女性医師が対応していることから、女性でも気軽に受診できるのではないだろうか。今回は水野裕太院長に、検査の概要や見つけられる疾患について、詳しい話を聞いた。
(取材日2021年5月10日)
目次
患者のニーズを捉えて女性医師による検査も実施。40歳を過ぎたら一度相談を
- Q検査の対象となるのはどんな人ですか?
-
A
▲専用の検査室で検査を行う
胃カメラと呼ばれている上部消化管内視鏡検査は、食道と胃・十二指腸を調べるための検査です。そのため、みぞおちの痛みや重たさ、食道の圧迫感、食事前後の胃痛、げっぷやしゃっくりの多さ、胸やけなどの症状がある人は、検査を受けていただくことをお勧めします。大腸の様子を調べられる大腸内視鏡検査は、便に血が混ざっていたり便秘・下痢気味だったりする人、急な体重減少があった人に受けていただきたいです。こうした症状がなかったとしても、40歳を過ぎたら一度検査を受けて、ご自身の体の状態を確認する機会をつくっていただきたいと思います。一方で若い方であっても症状がある場合は、早めにかかりつけ医に相談してほしいですね。
- Q検査を受けると、どのような病気を見つけられますか?
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A
▲検査をすることでさまざまな病気の発見につながる
胃カメラの検査では、胃がんや食道がん、逆流性食道炎、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍、ポリープなどがないかを調べます。大腸内視鏡検査では、大腸がんやポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室症、虚血性腸炎かどうかを調べていきます。ポリープがある場合は、悪性で治療が必要なものなのか、あるいは良性で治療の必要がないものかを調べるために、さらに精密検査を行うこともあります。痔に関しても、触診や肛門鏡で見えなかったものは、大腸内視鏡検査を行うことで診断できるケースもあります。胃カメラ・大腸内視鏡検査のいずれにおいても、病気の早期発見に役立つので、受診するメリットは大きいといえます。
- Q胃カメラ検査の流れを教えてください。
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A
▲当日受診でも検査可能
まずは問診をしてリスクの有無を確認し、胃の中を観察しやすくするためのお薬を飲んでいただきます。その後麻酔を行い、検査開始となります。当院の胃カメラは経鼻内視鏡を使用しており、痛みや苦痛が少ないことが特徴です。経口の内視鏡も選んでいただけますが、口から挿入するとえづいてしまう方が多く、患者さんにとって負担も少なくありません。鼻から挿入する内視鏡は嘔吐反射が少なく、検査時に会話もできるため、負担が少ない状態で受けていただけると思います。また胃カメラに限っては、朝食を取っていなければ当日受診でも検査が可能です。その場合は当院に電話していただき、外来の状況を見ながらご案内させていただければと思います。
- Q大腸内視鏡検査についてはいかがですか?
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A
▲患者に合わせた治療を行っているという
大腸内視鏡検査の場合は、検査前にあらかじめ下剤をお渡しして服用していただくため、事前予約が必要です。麻酔に関しても、患者さんのご希望に合わせて使用しているので、予約の際に希望するかどうかを伝えていただければと思います。ただし患者さんの体質や病歴によっては、麻酔を使用できる条件を満たさない場合もありますから、条件やリスクをきちんと説明し、その上で使用するかどうかを決めていただいています。当院では、胃カメラと大腸内視鏡検査を同日に実施することも可能です。麻酔下で眠っている間に両方の検査を進めていくため、患者さんにとっても楽に受けていただけるのではないでしょうか。
- Q検査で異常が見つかったら、どう対応してもらえるのでしょうか?
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A
▲患者にとって適した治療を行っている
例えば大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合は、1センチ未満の小さいものであればその場で切除します。1センチを超える場合は、出血や穿孔のリスクが伴うため、外科処置の設備が整った環境で対応してもらえるよう、連携している病院を紹介しています。また、早期がんなどの腫瘍が見つかったら、まずは病理検査に出して悪性かどうかを調べ、状況に応じて入院してESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を受けていただきます。この場合、内視鏡下で剝離術を行っていくため体への負担が少ないことがメリットです。残念ながら悪性腫瘍で手術が必要となった場合にも医療機関を迅速に紹介し、次のステップに移行できるような体制を整えています。