痔による痛みや出血
クリニックで受ける日帰り手術
じんないクリニック
(茨木市/茨木市駅)
最終更新日:2021/11/11
- 保険診療
なかなか他人には話しにくい、肛門の悩み。痔の自覚症状があっても、診察を受けることに抵抗がある、恥ずかしい、という理由でなかなか受診に至らない人も多いようだ。痔にはさまざまな種類があり、症状や重症度、生活への影響などによって、薬の服用で対応可能なケースもあれば、手術が必要なケースもある。これまで消化器外科で肛門疾患を専門とし、痔の日帰り手術も多く行ってきた大阪府茨木市の「じんないクリニック」の水野裕太院長に、痔の手術について、詳しく聞いてきた。
(取材日2021年10月2日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q痔の種類と、手術になった場合にかかる時間を教えてください。
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A
痔には、主に裂肛(切れ痔)・痔ろう(あな痔)・痔核(いぼ痔)の3種類があり、さらに痔核は内痔核と外痔核に分類されます。基本的には、生活習慣からのアプローチによる保存療法やお薬での治療を第一選択肢として考えますが、症状が進んでいる場合などは手術が治療の選択肢となります。痔核に対しては、ゴムで痔核をしばって自然に痔核が取れるよう促すゴム輪結紮療法や、手術で痔核を切除する結紮切除術、そして切除しないALTA療法という注射で小さくしていく方法もあります。これらの治療については30分程度、術前の準備や麻酔時間は個人差がありますが、複雑な症例以外は、当クリニックで日帰りで行っています。
- Q手術時や手術後の痛みはありますか?
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A
手術中は、痛みや苦痛がないよう丁寧に麻酔をしてから行っていきますので、痛みを感じることはほとんどないでしょう。痛みをなるべく感じさせないよう、表面麻酔や静脈麻酔、腰椎麻酔など、患者さん一人ひとりに適した麻酔の方法を選んでいきます。手術後は、麻酔が切れてきた時に痛みが生じますので、痛み止めのお薬を服用していただきます。また、手術箇所が神経が多く通っている外痔核の場合は痛みが強く出やすいですが、内痔核ですと痛みをあまり感じないことが多いです。
- Q手術したらすぐ良くなるのでしょうか?
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A
手術した場所の傷が落ち着くまでには、2週間程度を考えていただきたいですね。痔核に対する手術の場合、原因となっている部位を取り除いていきますが、その際にできた穴の部分の半分程度しか縫合しません。肛門は、排便などで菌が入りやすく、すべて縫合すると膿がたまりやすくなるため、汚れを取り除くためのスペースを残します。そのため、手術による傷がふさがるまで、少し日数を要します。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診
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どのような症状があるのか、痛みや熱、出血など、痔の症状の出方は人それぞれ。目で見えない部分であり、捉え方も患者一人ひとりで異なるため、問診でどんな症状があるのか、どんなことに困っているのかなど丁寧に話を聞いていく。また、便秘や下痢など排便の状態のほか、他の病気で服用している薬がないかなども問診で確認していく。
- 2検査器具による診察
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問診だけでは痔であるか、どのような種類のものであるのかなどが判明しないため、診察を行う。診察では、直腸診に加えて肛門付近を直接診る検査器具を用いて診察。原因の部位がわかりにくい出血などの場合は、色のついた液を用いながら肛門鏡で確認していくこともある。痛みが強い場合は、表面麻酔などを使用し、検査することもできるそうだ。
- 3診断と治療方法の説明
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痔の種類や治療方法が診察から見えてきたら、どのような治療方法が適しているか説明を受ける。手術の適用となれば、手術の内容についても丁寧に説明を受けていく。手術前の食事については、前日は早めに夕食を取り、朝食は抜いて来院する。便秘や下痢がある場合は、数日前から排便コントロールのため、薬を服用することもある。
- 4手術
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日帰り手術のため、朝にクリニックへ行く。手術前には浣腸を用いて腸の中をきれいにしていく。麻酔は表面麻酔や静脈麻酔、腰椎麻酔などの方法があり、手術の部位や程度によって選んでくれる。手術はクリニック内の手術スペースで行われ、手術時間は30分程度。
- 5経過観察のための通院
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手術後は、抗生物質や鎮痛剤などが処方される。手術の翌日は、手術した部分の確認のため、診察を受けよう。その後は4日〜7日後に受診し、問題がなければ、2週間後、1ヵ月後と通院して経過を観察していく。