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北田 博一 院長の独自取材記事

北田医院

(大阪市鶴見区/放出駅)

最終更新日:2023/11/06

北田博一院長 北田医院 main

学研都市線・放出駅から徒歩10分、内環状線沿いに建つビル内の2フロアで医療と介護サービスを提供する「北田医院」。医院の歴史は古く、今年で開業70周年を迎える。現院長の北田博一先生は3代目にあたり、院長が専門の循環器内科と副院長が専門の脳神経内科をはじめ、一般内科全般、小児科、リハビリテーションに至るまで幅広い診療に対応。「地域の皆さんが困ったときに気軽に来れるよう、診療科目にこだわらず診療しています」と話す北田院長。地域に寄り添うその診療方針は、開業した祖母の頃から守られており、24時間往診体制も整えている。介護事業においても古くから対応し、医療と介護の両面から迅速な連携で手厚くサポート。そんな地域密着型の医療を提供する北田院長に、医院の特徴や注力する在宅医療などについて話してもらった。

(取材日2023年9月6日)

開業から70年、幅広い診療で地域を手厚くサポート

70年周年を迎えたとのことですが、3代目として院長を継承されたのはいつですか?

北田博一院長 北田医院1

13年前に父から継承しました。私が30歳の時です。若くして継承したのは、2代目院長を務めていた父が病気になり65歳で亡くなったからです。今はオールラウンドに診療していますが、もともと専門とする分野は循環器内科です。東京医科大学を卒業し、大阪大学の病態情報内科学に入局した後に、大阪警察病院や大阪大学医学部付属病院を経て、大阪南医療センターで循環器内科の医師として勤務していました。いずれはここを継ごうと学生の頃から考えていましたので、医師になってからは臨床経験を積んで継承に備えようという気持ちは持っていました。

診療科目にこだわることなく幅広く対応していると伺いました。

初代の祖母は「かかりつけの医は何でも診るものだ」という考え方で、昔から幅広く対応するのが当たり前だったので、その方針は父にも受け継がれ、現在私の診療方針となっています。私は循環器内科を専門とし、副院長である妹は脳神経内科を専門としていますが、「循環器内科が専門だから腹痛や腰痛を診れない」というのではなく、患者さんが気軽に来院できるよう、一般内科全般はもちろん、何でもまずは自分たちで診るようにしています。それで適切な検査をして、こちらで対応できるものはしっかりと治療し、重症の場合や専門の治療が必要な場合は連携している病院など地域で医療連携している専門の先生をご紹介するようにしています。「北田医院に行けば大丈夫。あそこに行けば先生が話を聞いてくれて何とかしてくれる」そう思っていただける場所でありたいと思っています。

地域の専門分野を持つ医師や病院との連携がしっかり取れているのですね。

北田博一院長 北田医院2

そうですね。エリアの先生方とも仲良くさせていただいているので、どんな先生かもよくわかった上で、信頼できる先生をご紹介することができます。そのためにも日頃から地域連携の会などに参加して、先生方と情報交換をすることを大切にしています。紹介後のフォローアップももちろん対応しています。例えば紹介した病院で手術をして退院した時など、在宅でリハビリが必要な方もいると思います。当院は在宅医療にも注力しており、2階に在宅事業部を設置しているので、在宅医療や訪問看護、訪問リハビリなど、医師をはじめ言語聴覚士やケアマネジャー、理学療法士、訪問看護師、ホームヘルパー、福祉用具専門相談員などが必要に応じて訪問することができます。例えば、膝の手術をしたけど、まだ自宅で動きづらい場合は理学療法士が訪問してリハビリをします。医療連携はもちらん、それらを含めトータルで診れるよう体制を整えています。

医療と介護の迅速な連携とチームワークで地域を守る

在宅医療に注力する中で「24時間往診」の体制を整えているとか。

北田博一院長 北田医院3

定期的に患者さんの家にお伺いする訪問診療のほか、24時間往診体制を整えています。患者さんがお困りのときには夜間でも電話をいただいて、できる限り迅速に連格をし、必要であれば私や訪問看護師が駆けつけて対処します。「救急車を呼ぶほどではないけど、不安だから診てもらえたら安心……」という時がありますよね。例えば在宅の患者さんで、がんを患っている方などは、何か症状が出たときに不安が大きいと思うんですよね。そんな不安を感じる方を支えるために、少しでも自分たちが力になればと思っています。常にフットワークをとにかく軽くすることを意識していて、それが地域を守ることにつながると考えています。

介護事業についてもかなり以前から取り組んでいるようですね?

介護事業も地域の中では古く25年以上になります。父が「地域の人に地元で安心して暮らしてもらいたい」と始めた介護老人保健施設は今年で25周年を迎えました。その他の訪問診療などの介護サービスは介護保険が始まる前から行っていたので、それ以上になります。医院の2階に在宅事業部を設けていて、足腰が弱って生活に不便が生じる場合などには生活支援にヘルパーや、リハビリに理学療法士が訪問し、痛みや薬の確認などは看護師が伺います。地域を支えるためには医療と介護が不可欠ですが、ここは医療機関がベースとなっているのでコンパクトに迅速に対応できることが最大のメリットです。医療と介護が近い分、相談も情報の共有もしやすく、訪問看護師やヘルパーから「こういう状態なので一度診てください」と要望があったときにも、すぐに私たち医師が対応できます。

近年は自宅での最期を希望する人が増えていますが、在宅の看取りについて大切にしていることはありますか?

北田博一院長 北田医院4

在宅で看取りをする上で大事にしているのは、ご家族やご本人が何に困っているのか見つけること。介護力に困っているのであればヘルパーを、医療で不安があれば私や看護師がサポートし、どうしても介護ができなくなったときには受け入れ先を準備します。「在宅で最期を」と患者さん自身が希望していても、ご家族に不安があるとそれは実現できないので、ご家族が何に不安を感じ、どうしたらそれを解消できるのかを、医療と介護の専門スタッフが力を合わせて支えるようにしています。家で看取るのは、昔からある形。縁の下の力持ちとしてできるだけの支援をさせていただきます。

待合から会計まで徹底した動線分離で感染症対策を

院内の感染症対策はどのように工夫しているのですか?

北田博一院長 北田医院5

感染症対策は新型コロナウイルス感染症の流行初期から、対策してきました。当院では感染症対策として発熱者専用の外来を設け、広い待合室を仕切って徹底したゾーニングを行っています。発熱や感昌症状などがある人は事前に予約をして、外受付をし、医院横のテントの外待合に来ていただきます。その後専用の入り口から専用診察室へご案内し、会計も専用の外の窓口を通してしていただくなど動線を完全に分けています。また一般の受付時の問診票で疑わしい場合はイエローゾーンの臨時待合へ案内し、発熱者専用の外来の専用診察室で診察します。動線を区切るために、ウイルスガード付きの陽圧と陰圧をかける空気清浄機のパーティションも数ヵ所配備。このように感染症対策には努めていますので、安心してご来院いただければと思います。

日々の診療で心がけていることは何でしょうか?

患者さんの話を聞くことですね。患者さんが言いたいことをすべて聞くことがやっぱり大事。私から「これがいい」「こうしたほうがいい」と決めてしまうと、患者さんは言いたいことも言えず、よくわからないまま治療が進むことになってしまう可能性が高くなります。患者さんはあれも言いたいこれも聞いてほしいという思いで来院していると思います。そんな中で伝えきれない患者さんには「次に来るときにメモに書いてきて、それを見ながら話しましょう」と伝えます。そのように工夫しながらできるだけ患者さんが言いたいことを全部こちらに伝えられるようにと意識しています。

70周年を迎えて、今後の展望をお聞かせください。

北田博一院長 北田医院6

今は病院と連携する中で文書のやり取りがあるなど、どうしても病院と医院のタイムラグがあるのですが、それが病院での患者さんの状況などリアルタイムで私たちがわかれば、より密に連携していくことができると考えます。それを実現するために必要なシステムを、医院や医師会としても将来的に取り入れていけるように尽力していきたいと思っています。それらをアップデートしながら患者さんが地域で安心して暮らせるように、「一人ひとりの患者さんに向き合い、寄り添う」祖母の頃から代々やってきた診療スタイルを80周年になっても100周年になっても続けていきたいなと思っています。

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