全国のドクター13,614人の想いを取材
クリニック・病院 157,273件の情報を掲載(2025年3月16日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 一宮市
  4. 尾張一宮駅
  5. 柳田皮フ科
  6. 柳田 邦治 院長

柳田 邦治 院長の独自取材記事

柳田皮フ科

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2025/02/13

柳田邦治院長 柳田皮フ科 main

尾張一宮駅より車で10分ほどの所にある「柳田皮フ科」は地域に根差した医院だ。1991年に父から同院を継承した柳田邦治院長は、独自の信念と感性豊かな着眼点で、患者を多角的に診て、触れて、声を聴きながらの診察を心がける。2018年に移転リニューアルし、新しく生まれ変わった院内にはこだわりがたくさん。皮膚科をもっと気軽に利用してほしいという柳田院長の願いが込められている。

(取材日2019年2月20日)

幅広い層の患者が安心して気軽に通える皮膚科をめざす

医院を継承された経緯を教えてください。

柳田邦治院長 柳田皮フ科1

父が開業したのは1967年です。私が引き継ぐことになったのは、名古屋市内の中京病院に勤務したばかりの1991年に、父が亡くなったのがきっかけでした。ただ当時、皮膚科の医師になって間もない頃でしたので、病院に勤務しながら当院での診療を週3回だけ行うというスタイルを9年間続け、移行しました。その後、建物が老朽化したこともあり、リニューアルすることに決めました。もともと駐車場として使っていた場所に新しく建築し、屋号も「柳田皮膚科」から「柳田皮フ科」に変更。そのほうが、アースカラーの木造の建物に合うと考えたからです。現在も、父の頃からの患者さんや私の勤務医時代の患者さんが来てくださっていて、たくさんの方に支えていただいていると感じます。

カラフルなキッズルームが印象的ですね。

私は子どもが大好きで、研修医時代には小児科か皮膚科のどちらかを選びたいと思っていたんですよ。父が皮膚科の医師だったのと、皮膚科であればお子さんを含め老若男女すべての患者さんを診ることができるので、最終的には皮膚科を選択しました。また、皮膚から内臓の病気などいろいろな病気を発見できることからも興味深い科目だと思います。広いキッズルームを設けたきっかけは、ショッピングモールのキッズスペースで親子が遊ぶ姿に感銘を受けたからです。皆が一緒に笑顔で遊んでいる光景を見て、当院も親子のコミュニケーションの場になれたらすてきだなと思ったんです。イメージしたのは森の中で、天井の梁も木の感じを出し、大人も一緒に腰かけて遊べるように工夫をしました。ここにいる時間が楽しくなることで、少しでもお子さんの不安を払拭できたらと思います。

他にも院内でこだわった点はありますか?

柳田邦治院長 柳田皮フ科2

お子さん専用の診察室を用意したことです。椅子やベッドをあえて置かず、僕も一緒に上がって目線を合わせて診療しています。通常の診察室では、緊張してしまう子もいますが、遊び場のような空間でリラックスしながら診察を受けてほしいという考えからです。また、元気なお子さんがベッドから落ちるといった心配もありません。そういう心配事をケアできるので、私も診療に集中できます。親御さんに座っていただくスペースも用意し、向き合ってお話ができるようにしています。隔離ができるので感染対策の面からも有用です。

患者の背景や心情を考慮した診察と薬の処方を心がける

どんな症状の患者さんが多いですか?

柳田邦治院長 柳田皮フ科3

本当にさまざまな患者さんが来院されています。乾燥肌、イボ、水虫。最近は感染症の予防で手をこまめに洗うからか、手荒れの方が多いですね。あとは、しもやけです。指をしゃぶってそのままにしておくと、赤ちゃんでもしもやけになります。耳たぶや指先なども、濡れたままにしたり、寒暖差が激しかったりするとなりやすいですね。目で見るだけでなく触れることで、ごつごつ、ザラザラ、乾燥しているなと、診断をする上で重要な情報が得られます。アトピー性皮膚炎の方も多いですね。アトピー性皮膚炎は治りにくいという認識が多いようですが、きちんとお手入れをすれば安定した状態をめざせることを伝えています。

患者さんとの関わりで大切にしていることは何でしょうか?

薬をお出しするだけでなく、治療について患者さんに共感していただくことが一番大事です。理解していただくことで薬に対しても抵抗がなくなりますから、皆さんが日常感じていることを使って例え話をしたりして、わかりやすい説明をいつも心がけています。皮膚の病名は、難しくて知られていないものが多いんです。そこを患者さんにわかりやすくかみ砕いてお伝えすることが重要です。また、虫刺されやケガの場合、かゆみや痛みは治まっても、痕は数ヵ月かけてだんだん薄くなるものです。そういったことを知らないと患者さんは治っていないと心配されますが、きちんと説明があれば、安心していただけます。そうすることで、次に何かあった時にこの先生に診てもらおう、ここに来院すれば安心だと思っていただけるといいですね。

先生が大切にしていることは何ですか?

「みる」という言葉の代表的な字には、「診る・看る・見る・観る」の4つがあります。医療においては「診る」「看る」という字が使われることが多いですが、私は他の2つも大切だと思うんです。「見る」はどこかに行って見物すること、「観る」には目に入ったものを自分がどう感じるかという意味があります。診察の際には、「この方は1人暮らしだけど、どうやって薬を塗られるのかな」などいろいろ背景を考えて患者さんを「みる」ようにしています。家族構成や日常生活や心情など細部まで気にかけ、薬の量や日数を考えて処方したいんです。そして、不安をお持ちの患者さんに対して、明確な道筋を立ててご説明することも大切にしています。最終的には患者さんに笑顔で帰っていただきたいという思いが根底にありますね。

他に心がけていることはありますか?

柳田邦治院長 柳田皮フ科4

初診は患者さんとの初めての出会いですから「初心」を常に心がけています。再診は初診があってのもので、前回の診断を真摯に振り返り、細かい心遣いで診るという「細心」をもって向き合っています。また、忘れてはいけないのが、1人でも多くの方を治して笑顔にしたいという「野心」。そして、病気への興味、なぜだろうという思いの「好奇心」です。「初心・細心・野心・好奇心」の4つのバランスが大事だと考えます。また、ある先生の講演を聞いて、心に強く残っているのが「自分が持つ能力を最大限に発揮することが大切」という言葉です。この言葉に出会ったことで、自分は努力を怠っていないかと常に問うようになりました。患者さんのお悩みや症状に対して最高の手段を講じるために、多方面から研鑽を積むようにしています。患者さんをよく診てしっかりお話を聞くのはもちろん、普段から文献を読み、いろいろな人の話を聞くようにしているのもそのためです。

スタッフ一丸となり患者に元気と笑顔を与えたい

スタッフとはどのように連携を取られていますか?

柳田邦治院長 柳田皮フ科5

現在、看護師3人と医療事務5人が在籍しています。毎日の朝礼が貴重な時間で、話をしながら皆の顔を見ます。顔を見るというのは顔色を見るんです。毎日見ていると今日はいつもの笑顔がないとか、ちょっと悩んでいるなどがわかるんですよね。それが何日も続くと、後で話をしようと声をかけることがありますし、向こうからも話をしてくれます。私やスタッフが元気で明るくないと患者さんにパワーを分け与えられませんので、こちら側が元気でいることはとても大切です。今のスタッフは何も言うことがないくらいよくやってくれていて、本当に助けられています。患者さんとのコミュニケーションもとても良いんです。

先生の座右の銘を教えていただきたいです。

普通は1つなのかもしれませんが、私はいくつかあります。禅の言葉なのですが1つ目は「本来無一物」。人間は何一つ持たずに生まれてきた姿が本来の姿なのだから、何かに執着することなく生きること。2つ目は「自灯明・法灯明」。人が本来持っている感覚をいい、それに従い自分の直面するものが良いのか、良くないのかを常に問い正しなさいということです。3つ目は「雲無心にして岫(しゅう)を出ず」。雲のように形にとらわれず、喜怒哀楽の流れに沿って自分が自分であることを忘れずに生きなさいということ。自分が調子の悪い時は雲を見てこの言葉の意味を思い出すようにしてます。

読者へのメッセージをお願いします。

柳田邦治院長 柳田皮フ科6

皮膚にトラブルがある場合、いろいろな理由で見せにくいと感じることもありますよね。そういう時こそまずは相談していただければと思います。内科や小児科を利用される方もいますが、最初から皮膚科にかかることで早い発見と改善が見込めます。一方通行でなく患者さんがどういうことを思い、知りたいかを察して気さくに何でもお答えしています。皮膚はトラブルが起きやすいですから、信頼できる皮膚科のかかりつけを持ってくださいね。

Access