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玉井 直樹 院長の独自取材記事

玉井眼科

(名古屋市西区/庄内緑地公園駅)

最終更新日:2025/04/07

玉井直樹院長 玉井眼科 main

庄内緑地公園駅から徒歩4分ほど、上小田井交差点近くのビル2階に「玉井眼科」はある。緑色の地に黄色の文字で医院名を掲げた看板が目印だ。1987年の開業から40年近く、玉井直樹院長は住民の健康を支えてきた。子どもから高齢者まで幅広い年代層が通い、地域にとってなくてはならない存在となっている。時には目だけでなく、目の症状の奥に隠れた腫瘍や重大な別の病気が存在していることもあるという。「目は全身疾患の入り口」と考える院長は「かかりつけ医として、長く患者さんを支え、寄り添っていくことが役割」と丁寧な問診、原因の追究に時間をかける。話しやすく親身な受け答えが印象的な玉井院長に、同院の特徴や心がけていることを聞いた。

(取材日2025年2月6日)

乳児から高齢者まで診療。緑内障もOCTで精密に診断

まず開業に至る経緯について教えてください。

玉井直樹院長 玉井眼科1

私は名古屋保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒業後、臨床研修を経て大学院へ進み、修了後は名城病院に赴任。そちらで4年ほど勤めました。開業は1987年で、最初にクリニックを構えた場所が少し奥まった所だったので、患者さんで不動産業の方が現在のビルを紹介してくれて1991年に引っ越してきました。眼科の道に進んだきっかけは、大学2年の頃、眼科医の叔父が白内障の手術を見学させてくれたことがあったんです。初めて見る手術に、非常に細かいことをやるんだなと驚きました。当時、整形外科にも興味がありましたが、結局眼科に決めたのは、その経験もあったからかもしれません。大学では、網膜剥離や子どもの斜視をよく診ていました。教授が白内障手術の専門家でしたので、必然的にそれ以外の疾患を診ることが多くなった感じです。もともとどんな患者さんにも対応できるよう、すべての疾患を診るつもりでやっていたので勉強になりましたね。

患者さんはどんな方が来られるのでしょうか。

新生児から高齢の方まで幅広いですね。新生児は目やにや涙が続くという症状が多く、産婦人科や小児科から紹介されて来院されます。高齢の方は白内障、緑内障、眼底疾患などが多いです。手術が必要な場合は名城病院のほか、患者さんが希望される病院を紹介しています。術後はもちろん当院がフォローします。また最近は、子どもの近視が増えています。学校でもタブレット型端末を使う時代ですから、画面を見る時間が長くなってしまいますよね。本は反射光なのですが、タブレット型端末は直接光を見ることになるんです。スマホを持っている子も増えて、スマホ内斜視になってしまう場合も出てきています。スマホやタブレット型端末を近距離で見続けることで、内斜視が引き起こされることがあるので、見すぎには注意してもらいたいですね。日の光を浴びるだけでも近視の抑制につながるので、できるだけ外で遊ぶ時間を増やすことをお勧めします。

OCT(光干渉断層計)を使った診療について教えてください。

玉井直樹院長 玉井眼科2

緑内障の経過観察にも使っていますが、それ以外にも非常に役に立っています。例えば、最近増えている加齢黄斑変性では、OCTで早めの診断を行うことで、早期発見と早期治療で症状の抑制につなげています。実はこのOCT、眼科の診察にとって革命みたいなものなんです。以前は眼底や視神経は平面的な観察しかできず、病変の位置はわかっても、深さまで見ることはできませんでした。しかし、この光学的機械の登場によって目の奥の断層撮影ができるようになってからは、どの深さに病変があるか一目瞭然に。病気の理解が深まりましたし、患者さんに検査結果や治療の経過など、迅速に状態をお伝えすることができるようになりました。

話をよく聞き、しっかり診て、腫瘍や難病も発見を

診療では、目以外の病気にも注意して診ているそうですね。

玉井直樹院長 玉井眼科3

そうですね。糖尿病網膜症は、初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、ご本人が気づいておらず「糖尿病ですよ」と指摘するというケースもあります。また「目の近くに赤いできものができたがなかなか治らない」という場合は皮膚がんが疑われることもあります。目を見てなぜわかるのか、驚かれるかもしれませんが、どうもおかしいと考えて視野検査をすると、脳腫瘍の特徴的な視野欠損のパターンが出たりすることもあるんです。

重症な疾患が見つかることがあるのですね。

そうなんです。原因が目以外に、頭部や脳の場合もあるわけです。動脈瘤だと破裂したら命に関わります。左右眼からの視神経が交差する奥に、脳下垂体といって大脳から垂れ下がってホルモンを分泌しているところがあるんですが、そこに腫瘍ができると目に症状が現れやすいのです。確実な診断はできないので、疑いが濃厚だということで紹介状を書きます。また重症筋無力症といって、まぶたが下がってくるとか、ものが二重に見える、目の動きが悪くなるなど、そういった患者さんも最初は眼科に来られることがあるんです。視野を測ってみることで脳梗塞の兆候が見て取れるなど、本当に意外な病気に気づくこともあるんですよ。

第一次診療をする医師として、さまざまな疾患の可能性を考慮することは大事なことですね。

玉井直樹院長 玉井眼科4

原因は何か、診断をつけることが非常に重要になります。隠れた全身疾患を類推しないといけません。患者さんをよく診て、いつからどういう症状なのかきちんと話を聞く。基本的なことですが、問診が重要なんです。通常では考えられない症状が出てきた場合は、しつこいくらい話を聞きますよ。眼科は全身病の入り口ともいえるわけです。問診をして、ある病気の特徴的な症状を話されたら「すぐ検査を」と大規模病院に依頼するようにしています。大規模病院の先生が以前、「眼科でわかることが結構あるな」とおっしゃったこともありました。どの眼科医でも全身疾患についての知識は持ってはいますが、普段からの勉強は欠かせないと思っています。

町の開業医として患者に寄り添い、支えていく

毎日の診療の中で大切にされていることはありますか?

玉井直樹院長 玉井眼科5

患者さんへの説明をわかりやすくすることを心がけています。できる限りのことはしますが、眼科疾患の中にはいったん発症すれば治癒が見込めないようものもあるので、その場合は患者さんの不安や心配を少しでも払拭できるように特に丁寧にお伝えするようにしています。ご本人が不安な場合はご家族に同席いただいたりして、重要なことはきちんと伝わるまで何度でもお伝えします。たまに大きな病院へ通院した後にセカンドオピニオンで来られる方がいますが、「治らないから来なくていい」など心ない言葉を投げかけられた経験も聞きます。病院には病院の役割があると思いますし、開業医として、どんな患者さんも受け止め、慰め、支え、寄り添っていくというのが最終的な役割なのかなと考えています。治療が難しい病気の方でも、かかりつけ医としてフォローしていきたいです。

常に先生が寄り添ってくださると患者は心強いと思います。

中には「気のせいかもしれませんが」と来られる患者さんもあるんです。だから私は「気のせいじゃなく、何かおかしいと感じたから、来られたんでしょう」と話しかけます。他院で「異常がない」と言われて気のせいかもと不安そうにおっしゃるけど、患者さん自身が自分の体に異常を感じているんです。異常がないのではなくて、たまたま今見つからないだけかもしれない。患者さんは時間をやりくりして来院されたわけですから、完璧に解決できるかどうかはわかりませんが、できるだけ応えなければいけないと思っています。何もなければそれが一番良いのですから、遠慮せずに来てほしいです。早期発見、早期治療が大切なので、少しでも気になることがあれば、気軽な気持ちで来てください。

開業されて40年近く、振り返っていかがでしょうか。

玉井直樹院長 玉井眼科6

最近では、子どもの頃から通ってくださっていた方が、お母さんになってお子さんを連れて通ってくれます。その子どもが久しぶりに会うと、またさらに大きくなっている。世代を越えてお付き合いできることはとてもうれしいですね。40歳を過ぎたら、人間の体はどこかしら欠陥が出てくるものです。半ズボンで来ていた小学生が、今はもう老眼を気にする年齢になったのかと思うと驚きますよね。その人の人生を見てきたようで、私も一緒に年を取ったなあとしみじみ感じます。これまでもこれからも、患者さんの目の健康をサポートし、笑顔で感謝されることが一番の喜びです。

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