治療期間の短縮を図る
抜歯即時埋入法によるインプラント治療
いしはた歯科クリニック
(久喜市/久喜駅)
最終更新日:2023/08/09
- 自由診療
他の歯に負担をかけず、快適な噛み心地を取り戻すことが期待できるインプラント治療。しかし複数回に及ぶ手術や治療期間の長さが、患者の負担になることも少なくない。その弱点の解決をめざすための方法として、抜歯したタイミングでインプラント体を入れる「抜歯即時埋入法」がある。「いしはた歯科クリニック」の石幡一樹院長は、入れ歯や義歯も含め数多くの欠損歯の治療に携わったからこそインプラントに注目し、インプラント治療を行う際は、抜歯即時埋入法を第一選択肢として考えている。手術が1回で済むので患者の負担が少なく、一般的な方法に比べて治療期間の短縮が見込める。当日に仮歯を入れられるのも、特に人と接する機会が多い人には大きなメリットだといえる。今回は石幡院長に、抜歯即時埋入法の特徴や治療の流れについて話を聞いた。
(取材日2023年7月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q抜歯即時埋入法と一般的なインプラント治療の違いは何でしょう。
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A
抜歯を余儀なくされた歯を補うことを図るインプラント治療は、一般的に抜歯後、その傷口がふさがるのを待ってからインプラント体を埋入する流れで行われます。そのため、抜歯、インプラント体埋入と最低2回の手術が必要となり、仮歯が入るまで半年以上かかります。対して抜歯即時埋入法は、抜歯したタイミングでインプラント体を埋入し、インプラント体と骨の密着具合にもよりますが、患者さんの要望に応じてそのまま仮歯を入れることも可能。なお当院では骨造成など特別な処置が必要な場合を除き、抜歯即時埋入法と一般的なインプラント治療の料金差は、適切な位置に埋め込むためのガイド作製費のみで、ガイドは複数本に及ぶ場合に使用します。
- Q抜歯即時埋入法のメリットを詳しく教えてください。
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A
抜歯即時埋入法では、抜歯をした時にできる穴を利用してインプラント体を埋入します。手術の回数が1回で済むため、従来の方法と比べて治療期間を短縮することが望めるのが特徴です。顎の骨を削る量が少ないため痛みや腫れも生じにくく、周囲の組織にも影響を与えにくいです。また前歯を失った方は見た目も気にされますので、当日に仮歯を入れられるのも大きなメリットでしょう。しばらくは硬い食べ物に注意が必要ですが、それ以外はほとんど制限がありません。患者さんの心身の負担を減らし、生活の質を下げることなく時間を有効活用できる抜歯即時埋入法を、当院では欠損歯の治療の第一選択肢として考えています。
- Qどのような人がこの治療に向いているのでしょうか?
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A
治療期間を長く取りにくい方、手術を1回で済ませたい方、人と接する機会が多い方には抜歯即時埋入法をお勧めします。期間の短さ、シンプルさ、最小限の外科処置など、安全性を重視した患者さん目線の術式だといえるでしょう。ただし、歯を支える骨がしっかりとあることが条件。手術ができるかどうかは、そもそもなぜ歯を失うことになったのか、その原因にも関係してきます。例えば歯周病などで歯を失った場合には、骨がダメージを受けている可能性が高く、事前の検査で抜歯即時埋入法が選択可能かどうか判断する必要があります。一方、虫歯や外傷で歯を失った場合、周囲の骨さえしっかりしていれば抜歯即時埋入法を行うことに問題はありません。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1口腔内や顎の骨の状態、噛み合わせなどを検査
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まずはエックス線や歯科用CTによる撮影で歯や骨の状態を確認。口腔全体の型採りによって噛み合わせに問題がないかもチェックする。
- 2カウンセリングにより治療法を決定
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検査結果をもとに、歯を失った原因を歯科医師より説明。さらに入れ歯やインプラントなど、それぞれの治療法の長所や短所、治療後に予想し得るリスクも含めて選択肢を提案し、患者の希望を聞きながら治療法を決めていく。
- 3抜歯とインプラント埋入手術
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抜歯即時埋入法によるインプラント治療の場合、手術時間は90分程度。手術は血圧や心電図などをモニターし、安全性に配慮しながら行われる。局所麻酔を用いるが、希望すれば鎮静下での手術も可能だ。同院では精密な治療を心がけ、複数本に及ぶ埋入時には、適切な位置・角度・深さに埋め込むための「ガイド」と呼ばれるテンプレートを使用している。
- 4結合状態の確認と人工歯の作製・装着
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手術後は1~3週間ごとに通院し、インプラント体と骨の結合状態を確認する。結合までの期間は下顎で8週、上顎で12週が目安。その後は人工歯の作製に取りかかり、完成後に装着して治療は完了となる。
- 5治療後の定期的な検診とメンテナンス
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治療後の状態を保つためには、自宅でのケアに加え、クリニックでの定期的な検診とメンテナンスが不可欠だ。通院頻度の目安は3~6ヵ月に1回。同院では口腔内の状態を都度確認しながら、セルフケアや食生活のアドバイス、通院間隔の調整を行っている。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~、抜歯即時埋入法によるインプラント治療/45万5000円〜(ガイド代:5万5000円を含む) ※骨補填材代4万4000円~8万8000円がかかる場合がございます。