形成外科の医師による手術で
立ち耳の根本的な改善をめざす
ティーズクリニック
(墨田区/錦糸町駅)
最終更新日:2023/09/14


- 保険診療
耳が前に傾き、正面からは耳が左右に引っ張られたように見える「立ち耳」。聞こえ方には影響しないものの、帽子をかぶる際に痛みを感じたり、マスクがすぐに取れてしまったりと不便を感じることも多い。「ティーズクリニック」の田牧聡志院長は、日本形成外科学会の形成外科専門医。切開を伴う立ち耳修正術を採用し、左右ができるだけ同じように見えるような形を心がけ、立ち耳の根本的な改善をめざしている。立ち耳には診断基準があるという。今回は田牧院長に、立ち耳の手術について話を聞いた。
(取材日2023年6月29日)
目次
専門の医師による切開を伴う立ち耳の手術。自然な仕上がりと根本的な改善をめざす
- Q立ち耳とは、どのような状態を指すのでしょうか?
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A
▲耳の状態を丁寧に説明することを心がけている
一言でいうと、耳が前に傾いた状態です。耳介軟骨の中の対耳輪の曲がり方が弱かったり、耳介の根元の角度の問題から生じます。まれに外傷が要因となることもありますが、多くは先天性です。生まれてくる前に耳の中の筋肉がどのように発達してきたかが影響します。顔を正面から見た際に、耳が左右に引っ張られたような状態に見えることが多いですね。ただし耳が大きく見えるからといって、必ずしも立ち耳だとは限りません。診療上は立ち耳の診断基準があり、そちらに沿って手術が決まります。
- Q立ち耳の診断基準はどのようなものでしょうか。
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A
▲日本形成外科学会形成外科専門医である田牧聡志院長
立ち耳の診断基準は3つです。頭頂から見て耳介全体が頭蓋骨に対して40度以上ある場合、耳介の最も外側が頭蓋骨より2.5cm以上離れている場合、耳介軟骨を頭頂から見て、軟骨の角度が150度以上ある場合。これらの診断基準に1つでも当てはまれば「立ち耳」と診断されます。正面から見て耳が張り出しているように見えても、これらに該当しなければ立ち耳ではないという診断になります。
- Q耳の機能に問題は生じるのでしょうか?
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A
▲日常生活に不便を感じる人が多いという
聞こえ方には影響しませんが、帽子やヘルメットをかぶる際に痛みを感じることが多いです。最近ですとマスクがすぐ取れてしまってお困りの方もいらっしゃいますね。このように日常生活の中で不便を感じて、あるいは見た目の改善を求めて、手術を希望される患者さんが増えています。例えば欧米では、アナウンサーや俳優など人前に出る職業に立ち耳の方はほぼいらっしゃいません。日本ではそうではありませんが、見た目のコンプレックスを訴える方は多いです。
- Qこちらで受けられる立ち耳の手術について教えてください。
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A
▲手術は日帰りで受けることができる
耳介の裏から皮膚を切開し、耳介軟骨をナイロン糸で縫合して形の矯正を図ります。軟骨同士がくっつくことで理想とする角度を維持させる仕組みです。皮膚切開なしの固定では軟骨同士が接することができませんので、私は日本形成外科学会の形成外科専門医として、切開を伴う立ち耳修正で根本的な改善をめざしています。所要時間は片側で1時間、両側で1時間半が目安。皮膚縫合を行った後に、必要な場合にのみ内出血予防のため固定を行います。
- Q手術後の流れや注意点についても教えてください。
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A
▲手術後約1週間は圧力がかからないよう注意が必要
翌日検査の後は、1週間、1ヵ月、3ヵ月後にそれぞれ状態を確認します。手術の直後からマスクの装着も可能ですが、1週間後の抜糸までは少し工夫が必要ですので当日ご説明します。入浴は翌日から可能です。軟骨がくっつくまでの約1ヵ月間は、患部に圧力がかからないように注意してください。スポーツでボールがぶつかってしまい再発したというケースもあります。また術後の変形を予防するために、就寝時にはドーナツ枕の装着を行います。