内科・小児科とどう使い分ける?
耳鼻咽喉科受診の手引き
北澤耳鼻咽喉科医院
(江戸川区/小岩駅)
最終更新日:2025/03/14


- 保険診療
多くの人にとって、何かあったときにまず受診するクリニックの多くは内科、子どもの場合は小児科がファーストチョイスだろう。そしてそんなときの症状は、一概には言えないまでも、発熱であったり咳であったり。「風邪症状で内科や小児科に受診される患者さんが、その後、症状が長引いて耳鼻咽喉科へ来院されることが意外と多いんです」と、院長の北澤吉悠先生は言う。風邪や感染症がいつまでも治らないと考えていると、耳・鼻・喉の病気へと広がっていることもしばしばある。そんなときに、耳鼻咽喉科が真価を発揮する。耳・鼻・喉に関してどんな症状が多いのか、耳鼻咽喉科に受診するポイントは何なのか。北澤院長に話を聞いた。
(取材日2025年2月28日)
目次
長引く風邪症状は、耳・鼻・喉専門の耳鼻咽喉科での詳しい検査で原因を詳しく精査
- Q耳鼻咽喉科の内科や小児科との使い分けについて教えてください。
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A
▲耳、鼻、喉に違和感があれば、耳鼻咽喉科を受診しよう
もちろんかかりつけの内科や小児科を受診されていいと思います。そこで診断がつかなくても、耳・鼻・喉に関することなら、対応できるのが耳鼻咽喉科です。耳・鼻・喉はそれぞれの単独の症状もあれば、鼻と喉、耳と鼻などが影響し合って症状が悪化する場合もあります。これらをお鼻のエックス線検査や、鼻・喉専用のファイバースコープなどの機器、検査、治療法を用いて包括的に対処していけるのが耳鼻咽喉科ならではの強みだと考えています。皆さんのかかりつけの内科・小児科クリニックのセカンドオピニオンとしても活用いただければ。ちなみに当院は、父の代からの経験もあり、お子さんにも安心して受診いただける自負があります。
- Q耳に関する症状にはどのようなものがありますか?
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A
▲耳掃除をしすぎると、外耳炎のリスクが高まるという
耳の症状としてまず多いのは、聞こえづらさや耳の詰まりなどですね。原因は、例えば外耳炎。細菌感染などで鼓膜の外側の耳の穴である外耳道に炎症が起こる病気です。耳掃除のしすぎで耳の穴を傷つけて起こることもよくあります。あとは鼓膜の内側に滲出液がたまる滲出性中耳炎。副鼻腔炎などで鼻の状態が悪い時に、本来耳から鼻の奥に流れていく滲出液が滞ってしまうんです。さらには突然左右どちらかの耳が聞こえにくくなる突発性難聴、めまいの患者さんも多くいらっしゃいますね。耳鼻咽喉科では眼振という、目の揺れを観察して診断します。眼振検査で眼振がない場合は、総合病院をご紹介し、本格的な検査をお願いすることもあります。
- Q鼻やアレルギーに関する症状はいかがでしょう?
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A
▲風邪症状が長引いて、違う症状を引き起こしてしまうことも
鼻の症状で真っ先に浮かぶのは、やはりアレルギー性鼻炎や花粉症でしょう。同じ鼻水・鼻詰まりの症状でも粘りがあって濃い鼻水や、臭いがある鼻水が出てくると、副鼻腔炎(蓄膿症)の疑いもありますね。そうした鼻水が、鼻から喉の奥の方に流れていってしまって、鼻だけでなく喉の不快感が起きたり、咳が出たり、痰が絡むなどの症状が出る後鼻漏(こうびろう)になることもあります。あとは、「においがわからない」というご相談も時々ありますね。人間は鼻の上のほうにある嗅裂(きゅうれつ)というところで臭いを感知するんですが、鼻の中にポリープができて物理的ににおいをさえぎる以外にも嗅覚神経がダメージを受けている場合もあります。
- Q喉に関する症状についても教えてください。
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A
▲セカンドオピニオンとしても活用してほしいと話す北澤院長
喉の痛みや違和感、飲み込む時に抵抗がある、といったご相談をよく受けます。咽頭炎や扁桃炎であることが多く、ストレスや疲れで免疫力が下がるとかかりやすくなります。発熱で内科を受診して異常なしと診断された患者さんが、耳鼻咽喉科で扁桃炎とわかったようなケースもあります。また、同様の症状なのに目立った炎症がなく、喉頭ファイバーで喉を検査したところ、喉頭がんが見つかる、ということも。ほかには、声が出にくくなる声帯ポリープ。あと、睡眠中に気道が閉じて呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、呼吸器内科はもちろんですが、耳鼻咽喉科でも数多く対処しています。
- Qこちらのクリニックでできる治療や検査について教えてください。
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A
▲充実した検査設備のもと、高い専門性を持って治療に取り組む
鼻や喉に関しては、専用の鼻咽頭ファイバーによる検査を行い、つぶさに状態を見ることができます。耳については聴力を数値化して、難聴かどうかをチェックする聴力検査や、鼓膜に圧を与えて振動を調べ、鼓膜に液体がたまっているかを確認するティンパノメトリー検査を準備。口や鼻から霧状になったお薬を直接患部に向けて吸入するネブライザーはもしかしたらおなじみかもしれませんね。また、睡眠時無呼吸症候群には、睡眠時に装着して気道を広げるためのCPAP療法の機器をお貸し出ししています。アレルギー検査も含め、こうした耳鼻咽喉科ならではの検査・治療態勢で耳・鼻・喉に関わるお困り事に対応しています。