花岡 芳雄 院長、花岡 啓子 先生、門阪 真知子 先生、花岡 紗知子 さんの独自取材記事
吉祥寺通り花岡クリニック
(三鷹市/吉祥寺駅)
最終更新日:2025/04/07

吉祥寺駅からバスで6分ほどの「吉祥寺通り花岡クリニック」。外科専門の花岡芳雄院長と、妻で内科専門の花岡啓子先生が開業した同院は、長年、地域住民の体と心の不調に真摯に向き合ってきたが、数年前に長女で管理栄養士の花岡紗知子さんと、次女で日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医である門阪真知子先生が加わり、診療体制を強化。家族4人が専門分野を持つことで、多角的な視点で患者を診られるようになったという。インタビュー中は終始和やかな雰囲気で、笑い声が響くことも。院長たちの気さくな人柄が患者に慕われるゆえんなのだろうとうかがえる。そんな家族4人に、同院ならではの特徴や診療にかける思いなどを聞かせてもらった。
(取材日2024年11月20日)
各人の専門性を生かし、多角的な視点でアプローチ
ご家族4人で診療されているのですね。

【芳雄院長】1998年の開業以来、私が外科、妻の啓子先生が内科を専門とし、併せて心療内科の診療にもあたってきました。というのも、診察で異常はないけれど、体調が優れないと感じる患者さんの中には、心の状態やストレスが体に症状として現れることが少なくないからです。そこで、心身両面から診ることで、より多くの患者さんに安心をお届けできるのではないかと考えたのが始まりです。
【啓子先生】ずっと夫婦2人でやってきましたが、2019年からは長女で管理栄養士の紗知子さん、2020年からは次女で消化器内科医の真知子先生が加わり、現在は、家族一丸となってクリニックを運営しています。
紗知子さんと真知子先生はどんな役割を担っていますか?
【紗知子さん】管理栄養士として、生活習慣や食事習慣の改善をサポートしています。検査値をクリアすることが目的ではなく、健康を維持しながら無理なく続けられることを第一に考えています。患者さんの状況をよくお聞きし、それぞれに合った「オーダーメイド」の栄養指導を心がけています。
【真知子先生】私は消化器内科の医師として、東京都立駒込病院で多くの患者さんを診る中で、内視鏡検査の技術をしっかり学んできた自負があります。当院でもその経験を生かして、内視鏡検査に力を入れていきたいと思っています。両親のように真摯に患者さんと向き合いながら、自分の専門性も生かしていきたいですね。
お二人が加わったことで、より盤石な体制になったのですね。

【芳雄院長】そうですね。私が外科、妻が内科、次女が消化器内科、長女が栄養指導とそれぞれのアプローチでこれまで以上に幅広く対応できるようになり、非常に心強く思っています。「どの科を受診したらいいかわからない」という方にも、それぞれの専門性を生かして多角的な視点で診ることが可能です。科ごとに細分化せず連携しながら全人的に診療することで、一人ひとりに寄り添った医療を提供できたらなと思っています。全人的に診るには、適切な検査をして病気が隠れていないかをチェックすることが欠かせないのですが、当院では、院内であらゆる検査ができます。もちろん、必要に応じて適切な専門家や医療施設もご紹介しますので、ご安心ください。
内視鏡検査から心のケアまで総合的にサポート
院内でどんな検査ができるのか教えていただけますか?

【啓子先生】血液検査や尿検査、心電図やエックス線検査などに加え、真知子先生の専門である超音波検査や胃の内視鏡検査、さらに今年の6月からは大腸の内視鏡検査も行えるようになりました。
【真知子先生】大腸内視鏡検査では女性医師を希望する声が少なくない一方で、実際に対応できる医師はあまりいないので、その役割を担えたらと思います。鎮静剤を使用することも可能ですし、ポリープが見つかったら日帰りでの切除も行っています。検査をスムーズに進めるには、医師と患者さんの信頼関係が欠かせません。そこで、検査中は声かけをしたり表情を伺ったりしながら、患者さんの不安を取り除くことを大事にしています。会話をするうちに余計なおなかの力が抜けて、大腸カメラが挿入しやすくなることもあるんですよ。大腸の壁は薄いので、痛みが出ないように丁寧な操作を心がけています。
超音波検査についても教えてください。
【芳雄院長】超音波検査は、体の表面にジェルを塗ってプローブを当てることで、体内の臓器や組織などを診るものです。
【真知子先生】消化器のほか、乳腺や頸動脈などあらゆる部位の検査を実施しています。例えば、頸動脈にプローブを当てれば動脈硬化の程度、心臓に当てれば心機能や心臓弁膜症の有無などを確認できるんです。リアルタイムで所見がわかるので、病気の早期発見に役立っていますね。大抵は即日対応が可能ですので、気軽に受けていただける点も利点です。ストレスによる不調かもしれないと思っても、体の病気が隠れていることもありますから、こうした精密な検査・診断があってこそ、多角的なアプローチができると考えています。
ストレスが原因だった場合、ストレスケアを行う施設も併設しているそうですね。

【啓子先生】ストレスに対するセルフコントロールの方法を知っていただくための場所ですね。大事にしているのは、患者さんの話をじっくり聞きその方にとって何が必要かを一緒に考えること。ここでは、公認心理師によるカウンセリングをもとに、人間関係の改善をめざす交流分析や、心身をリラックスさせるための自律訓練法、認知能力に焦点を当てた心理療法などを通じて、一人ひとりに合ったストレス対処法を提案しています。また、症状の多くは自律神経の不調が原因なので、結局は体の状態を確認し、生活習慣を整えることが基本になります。そういう意味でも、心と体の両面を診られる専門家がそろっていることは、当院の強みだと思います。
患者と信頼関係を築き、一人ひとりに寄り添う診察を
とてもアットホームな雰囲気ですが、ご家族で運営する良さはどんなところにあるのでしょう?

【紗知子さん】何といってもお互いに相談しやすく、連携を図りやすい点ですね。
【真知子先生】消化器疾患の中には、生活習慣やストレスが影響しているものが少なくありません。そんなとき、食生活や睡眠についてなど、院内で専門家にアドバイスを仰げるのは心強いですね。フランクに相談し合えて強い信頼関係で結ばれているのが家族。そんな家族とチーム医療に取り組めるのは、素晴らしいことだと実感しています。
【啓子先生】例えば、腰痛で通院する患者さんが「最近食欲がない」と訴えたら、胃の疾患を疑って内視鏡検査をお勧めしたり、内科に通院する患者さんの皮膚の腫瘍について、外科を診る院長に相談したり……。いずれもスピーディーに対応できるのは、家族ならではのあうんの呼吸というか、チームワークがあってこそだと思います。
診療の際に心がけていることは?
【芳雄院長】信頼関係を築くことです。患者さんの求めていることを見極め、話をよく聞きながら、何が不安なのか、その不安をどう解消したらいいのかを考えながら診療しています。患者さんは「安心」を求めてクリニックに来ることもあると思うんです。だからこそ、心身の不調を何でも相談できる体制を整えることが、かかりつけ医の大切な役割だと思いますね。
【真知子先生】ある分野に特化するのではなく、さまざまな分野の専門家が多角的な視点を持って患者さんを支えていけたらと思っています。私自身、患者さんに寄り添う両親を見て育ったので、2人の「病気」ではなく「人」を診る姿勢を尊敬していますし、自分たちもそうありたいですね。それが、患者さんにとっての安心感にもつながるのではないでしょうか。家族一丸となって取り組んでいるところに親近感を持ってもらい、地域の方々が気兼ねなく相談できる町医者でありたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【真知子先生】日本人の主な死亡原因はがんです。特に女性では大腸がんが多いといわれていますが、早期発見のためには、内視鏡検査のハードルを下げることが課題。当院では、私が大腸内視鏡検査を担当しますので、安心してご相談ください。
【啓子先生】生活の基本は「快食・快眠・快便」。この3つに体の健康状態が集約されると私は考えています。当院では、私たち4人を中心に内科、外科、心療内科、消化器内科、栄養管理の視点から「快食・快眠・快便」を多角的に診療する体制が整っています。体の不調で悩まれている方、どの科に行けばいいかわからない方などがいらっしゃいましたら、ぜひ一度「吉祥寺通り花岡クリニック」へお越しください。