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宇井 義典 院長の独自取材記事

三鷹第一クリニック

(三鷹市/三鷹駅)

最終更新日:2024/01/23

宇井義典院長 三鷹第一クリニック main

吉祥寺と三鷹の各駅からバスで約10分。一軒家やマンションが立ち並ぶ地域の街道沿いにあるのが「三鷹第一クリニック」だ。地域のかかりつけ医として内科・外科・消化器内科・整形外科・泌尿器科など幅広い病気を診療すると同時に、胃の内視鏡検査、乳腺疾患や認知症を専門に診る外来、訪問診療も行っている。院長の宇井義典先生は、長年にわたり帝京大学医学部附属溝口病院の外科に勤務。専門の消化器外科以外に内科などの分野でも広く経験を積んできたベテランドクターだ。「背伸びをせずに患者さんの利益が最大限になるような治療を心がけています」と気さくに話す宇井院長に、同クリニックの特徴や地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2022年7月1日/更新日2024年1月22日)

プライマリケアと乳腺疾患や認知症診療に力を入れる

クリニックの特徴を教えてください。

宇井義典院長 三鷹第一クリニック1

地域のかかりつけ医として外科・内科・消化器内科・整形外科・泌尿器科に加えて乳腺外科や認知症を専門に診る外来、訪問診療、市民検診などを行っています。当院が設立されたのは昭和20年代後半です。もとは30床の小規模病院で、1975年に現在の場所に移転しました。2006年までは病院として運営していましたが、建物の耐震問題やエレベーターがないなどの理由や、新たに介護施設を開設したこともあって病床を閉鎖しました。それからはクリニックとして、プライマリケアを中心に診療しています。私は1995年から当院での診療を始め、2006年に院長に就任しました。大学病院に勤務していた頃から「ゼネラルドクター」をめざして研鑽を積んできましたので、当院でもかかりつけ医として地域医療に貢献していきたいと思っています。

どのような患者さんが多いのですか?

かかりつけ医ですから年齢・性別を問わず、幅広い患者さんが来院されますが、やはりご高齢の方が多いですね。ただ、当院は乳腺を専門に診る外来を設けていることもあって、比較的若年の方も来院されます。ご高齢の方は生活習慣病が中心ですが、そのほか、風邪や腹痛など一般的な病気で受診される方も多いです。また、私自身は消化器外科の出身なので消化器の病気の患者さんも多く、胃の内視鏡検査を受けに来る方もおられます。内視鏡検査は上部消化管のみ対応しており、外来診療日の午前中に最大で3件の検査を行っています。さらに、週に半日は訪問診療も行っており、心臓病や高血圧、糖尿病など慢性疾患のある患者さんで、高齢などの理由で通院できなくなった方のご自宅へ伺うほか、近隣にある老人介護施設に出向いて診療しています。

新しく乳腺を専門に診る外来のフロアを設置されたそうですね。

宇井義典院長 三鷹第一クリニック2

はい。2020年5月に院内をリニューアルし、2階に乳腺専用フロアをオープンしました。女性専用更衣室、ロッカー室、診察室などを設け、女性技師によるマンモグラフィや乳腺エコー検査もお受けいただけます。以前は一般の患者さんと同じ待合スペースで、検査着を着た状態で待っていただいていたので、とても心苦しく思っていました。専用フロアには基本的に女性の患者さんのみで、更衣室のドアには鍵もかけられますから、プライバシーが保たれた環境で検査や診察を安心して受けていただけると思います。乳腺の診療には日本乳癌学会乳腺専門医が複数在籍しており、地域のクリニックとして乳腺の病気の一次診療や検診、相談窓口やセカンドオピニオン的な役割を担っています。乳がんが見つかった場合は、大学病院など専門の施設にご紹介していますので、気軽にご相談いただきたいですね。

患者の利益が最大限になるようにマネジメント

乳腺を専門に診る外来では、出産後の方の母乳相談も実施されていると伺っています。

宇井義典院長 三鷹第一クリニック3

そうです。三鷹市助産師会の協力を得て2017年頃からスタートし、2020年のリニューアル時に専用の相談室を設置しました。月2回、予約制で対応していますので、母乳の分泌不足、乳腺炎、断乳、取れないしこりがある、痛みで授乳がつらい、授乳中だが乳がんが心配などの悩みがある方は、ぜひお越しください。また、この外来では乳がんだけでなく、良性の乳腺の病気も診察しています。乳腺炎は授乳期の方に多いのですが、授乳期ではない方が乳腺炎を発症するケースもまれにあります。中には肉芽腫性乳腺炎など治療に難渋する病気もありますが、当院には良性の乳腺疾患に関しても経験のある医師がいますので、ご相談いただければと思います。

認知症の診療にも力を入れているそうですね。

はい。杏林大学医学部付属病院の専門の医師による認知症の診療枠を、週に2日設けています。診察では脳の血流測定やMRI画像の評価、薬の効き具合などを確認して、アルツハイマー病や脳血管性障害などほかの病気が原因となる認知症を鑑別診断し、原因となる病気に基づいた治療をしています。皆さんもご承知のとおり、高齢化の進展とともに認知症の方が増加し、身内が認知症になって困惑しているご家族も増えてきていると実感しています。ですから認知症そのものに対処すると同時に、それをどうマネジメントするのかも大切です。私は三鷹市在宅医療・介護連携推進協議会の活動に積極的に携わっています。先ほどお話しした訪問診療も含めて、在宅の高齢者の方々に少しでも良い環境を提供するため、医療法人内に訪問看護やグループホームの施設をつくって、多職種で連携しながら医療的なケアや生活環境のアドバイスを行っています。

診療の際に心がけていることは何ですか?

宇井義典院長 三鷹第一クリニック4

一言で言うと、背伸びをしないことです。患者さんの利益になるような治療を心がけつつ、自分ができないことはできる人に任せることも大切だと思っています。自分の専門分野だけではなく、経験の範囲内で十分対応できるものは責任を持って診療しますが、そうでない場合は私の見立て、意見をしっかりと患者さんやご家族に伝えた上で専門の先生に紹介します。患者さんの利益が最大限になるようにマネジメントをするのが、かかりつけ医の大切な役割の一つだと思っています。

かかりつけ医として、きめ細かく温かみのある診療を

先生は、三鷹市医師会にも所属されていますね。

宇井義典院長 三鷹第一クリニック5

はい。三鷹市医師会は、比較的規模が小さい医師会で、フレンドリーな顔の見える関係の中で、行政と協力しながら予防接種や学校健診、特定健診などのさまざまな活動をしています。また、三鷹市医師会には大学病院の先生方も所属されているので、地域の開業の先生方と大学病院とのパイプは太く、診てもらいたい患者さんがいる場合は電話1本で頼むことができたり、医師会として予約受付時間の延長をお願いして対応してもらったりと非常に良い関係ができています。

クリニックとしての今後の展望をお聞かせください。

最近は、新型コロナウイルス感染症の影響で感染症全般への関心が高まっていますが、今後は再び「がん」に注目が集まるのではないかと考えています。日本人の2人に1人が何らかのがんに罹患するといわれていますし、命に関わる病気として恐れている方も多いでしょう。特に厚生労働省が定期的にがん検診を受けることを推奨している、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5大がんに対する検診を、精度高く実施していくにはどのような工夫ができるか、考えていく必要があると思っています。当院の乳腺を専門に診る外来も、乳がんの早期発見を最大の目的としています。乳がんは近年日本人女性に増えていますが、治療技術が進み、早期に見つけて適切に治療すれば治癒も期待できるといわれています。感染症流行以降、受診を控えている方もおられるかもしれませんが、状況が落ち着いてきましたら、がん検診にも目を向けていただきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

宇井義典院長 三鷹第一クリニック6

これからもきめの細かい心温かい医療で、皆さまのかかりつけ医としての役割を果たしていきたいと考えています。乳腺疾患や認知症は一般とは別の診療枠を設け、専門の医師が診療していますので、必要な方はこちらもご利用ください。また訪問診療については、同じ医療法人で介護施設を持っていますので、在宅の方も含めて、できる限り滞りなくシームレスに管理ができるように努めています。介護や看護、医療に不安があったときにも、ぜひご相談ください。

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