田中 真生 先生の独自取材記事
里村糖尿病内科 イオンタウン東浦和院
(さいたま市緑区/東浦和駅)
最終更新日:2026/05/12
東浦和駅前のショッピングモール4階に位置する「里村糖尿病内科イオンタウン東浦和院」は、糖尿病内科だけでなく一般内科、脳神経内科も対応。担当する田中真生(たなか・まさき)先生は「脳神経内科の診療をもっと身近なものにしたい」という思いで日々診療に臨む日本神経学会神経内科専門医だ。目標とするのは、慢性的な頭痛、めまい、しびれ、ふらつきなどの放置されがちな問題に対しても、気軽に受診しやすい場所をつくること。「人を治す」という初心を忘れず、根治が見込めない神経難病に対しても、患者や家族がより良く生きることができるよう心を砕く。今回は田中先生に、診療にかける思いなどについてインタビューを実施。温かな声で、難しい内容もわかりやすく話してくれた。
(取材日2026年4月13日)
頭から手足の先までを診察し、推定を重ねる脳神経内科
医師を志したきっかけを教えてください。

子どもの頃から「人を治す」医師に憧れを抱いていました。大学入試の二次試験では、国語や英語が苦手だったのですが、得意な数学で難しい問題が出て差がつけられたので助かりましたね。学生時代、難解な脳神経内科はやや敬遠していましたが、初期研修で同科の先生に「とても向いている、ぜひ来なさい」と言われ驚きました。めったにそんなことは仰らない先生だったので、信じてこの道を選びました。脳神経内科の病気は、血液検査では異常がでないことがほとんどで、MRI検査まで行っても異常がでない疾患も多くあります。頭から手足の先まで診察し、必要があれば研究レベルの検査も行い、推定と推論を積み重ねて診断をする、そんな点は確かにとても性に合っていました。
これまでのご経験についてもお聞かせください。
母校の「東京大学医学部附属病院」神経内科に入局し、約10ヵ所の関連病院で診療と研究に携わりました。その後、国際医療福祉大学のゲノム医学研究所で、先進の次世代シーケンサーによる診断法の研究に従事。次世代シーケンサーとはDNAの塩基配列を高速かつ大量に解読できる機器で、遺伝子検査が必要な例も多い脳神経内科疾患の診断に有用です。プログラム上でデータの処理や解析を行うことは、強みの数学も生かせて楽しかったですね。同時に医師を志した原点でもある「人を治す」ことも好きで、日本内科学会総合内科専門医の資格も取得し外来も続けていました。もっと臨床にシフトしたいという思いが強くなり、看護師である妻が本院「里村クリニック」に勤務していたご縁もあって、分院であるこちらで診療させていただいています。
こちらはどのようなクリニックなのでしょうか?

当院は糖尿病内科と脳神経内科を2本の柱とするクリニックです。風邪などの一般内科疾患や生活習慣病の管理も行っていますが、糖尿病・肥満症・脳神経疾患に関して専門的な治療ができるのが特色です。私が担当する脳神経内科では、もの忘れ・ふるえ・しびれ・ふらつき・めまいなど、一般内科では様子見になってしまうことも多いお悩みにも迅速に対応しています。例えば「歩きにくい」という症状に対して、何が原因なのかを突き詰めるのが得意なのが脳神経内科です。見つかった原因に応じて、脳神経外科・整形外科・心療内科など最適な診療科への橋渡しもしています。
元気になれる診療を重長いスパンで寄り添い続ける
どのような患者さんが多いですか?

当院では脳神経内科という名称が患者さんにわかりにくいのではと考え、頭痛専門の外来、もの忘れ・認知症専門の外来、ふるえ・しびれ・めまい・ふらつきの外来、脳卒中再発予防の外来、パーキンソン病・神経難病の外来、てんかんの外来、睡眠の外来と、7つの外来名で呼んでいます。今のところ、ずっと頭痛が悩んでいた方などの頭痛専門の外来の受診が一番多いですが、それ以外の外来にも来ていただいています。慢性頭痛は、適切な診断と治療で生活の質改善がめざせますので「いつもの頭痛だから」と諦めずぜひ早めに受診してください。整形外科から歩行困難の方を紹介され、パーキンソン病がわかった例もありました。年齢に伴い増加するパーキンソン病は、神経難病の中では頻度の高い疾患です。進行性の難病ではありますが、適切な治療で大きな改善が見込めます。患者さんが不安を抱えたままにならないよう、スタッフ全員で心を配っています。
明るいスタッフさんたちが印象的ですね。
就業後のミーティングでは高院長の発案で、今日「ありがとう」と感じたことをそれぞれ思い出し、みんなで共有しています。その甲斐あって、スタッフ同士だけではなく患者さんにも感謝の気持ちで接することができているように思います。脳神経内科の診察は少し特殊で、問診や診察に時間がかかり、医師一人では30分以上かかることも珍しくありません。問診を工夫したり、スタッフにも診療を手伝ってもらうなど、正確性を保ちつつ効率的な診察が行えるよう、日々より良い方法をスタッフと一緒に考えています。また、徐々に病気が進行しADL(日常生活動作)が下がる疾患も多く、患者さんの暮らしや介護者の有無、将来的な自宅での生活についてまで考慮が必要です。患者さんに親身に寄り添うスタッフたちがライフスタイルや価値観を細かく聞き取ってくれているおかげで、包括的な医療を実践できているのは本当にありがたいですね。
診療において何を大切にしていますか?

患者さんやご家族が診察室で話すだけでも元気になれるよう、笑顔で親しみやすい診療を心がけています。小さなことでも何かを頑張っていらっしゃるなら、力いっぱいほめるようにしたいです。脳神経内科の病気は根治できず、長期の治療が必要なケースも多々あります。都度、いろいろな不安が出てくるのは当然なので、何でも話しやすい雰囲気づくりも大切にしています。新薬などの先進知識も更新し、最善策を探ることも怠りません。介護サービスの導入や難病申請、リハビリテーションの先生と相談しながらの装具作成などをサポートし、患者さんとご家族をより良い生活環境へ導くのも私たちの任務です。考えるべきことが尽きない診療科という点でも、やはり自分に向いていたのではないでしょうか。
頭痛やもの忘れなども気軽に相談できる場所をめざす
将来の展望についてお話しください。

脳神経内科は町のクリニックでは標榜が少なく、一般的にはなじみがないかもしれません。しかし、実は脳神経内科で診るべき問題を抱えている方も多いので、どのような診療ができるのか積極的に発信していきたいですね。丁寧な問診はもちろん、ハンマー、ペンライト、音叉など、脳神経内科特有の検査器具を用いて、頭から手足の先に至るまで、動きや感覚など約70項目にわたる詳しい診察を行って初めてわかることも。その結果、整形外科や心療内科の受診が必要と判断される例もありますが、同じモール内にどちらもあるという、脳神経内科としては理想的な環境も生かしていきたいです。整形外科にはMRIの撮影をお願いすることが多くあり、今後とも連携を深めていきたいと思っています。
お忙しい毎日かと思いますが、休日はどうお過ごしですか?
趣味はスポーツ観戦で、埼玉県出身なので小学生の頃からもちろん地元のサッカークラブを応援しています。大人になって初めてスタジアムにも足を運びましたが、チームカラーの赤一色でワイルドな応援が印象的でした。また、ここ10年はアメリカンフットボールの中継もよく観ています。アメフトは一方的な展開になることが少なく、試合終了10秒前の逆転劇もめずらしくありません。作戦も重要で、体格の良い選手たちが体だけではなく頭脳でもぶつかり合っているのが見応えがありますね。いつかは妻や子どもたちとアメリカまで観に行きたいです。
読者へのメッセージをお願いします。

駅から1分の立地で、脳神経内科をより身近なものにしたいと思っています。頭痛・もの忘れ・ふるえ・しびれ・歩きにくさなど、脳や体のことで困り事があれば、気軽にご相談ください。脳神経内科の病気はゆっくりと症状が出たり、いろいろな原因が絡み合っていたり、診断が難しいケースも多いので、ぜひ専門とする医師を頼ってほしいです。診察の結果、重大な病気ではないとわかることも多いのですが「もしかして大きな病気だったらどうしよう」という不安を安心に変えるお手伝いも、私たちのミッションです。また、進行性の神経難病に関しても、訪問診療とも連携し最後まで責任を持って診たいと考えています。患者さんにもご家族にも「困ったときは、いつでもそばに」がモットーです。小さなお悩みでも遠慮なくお立ち寄りください。

